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ブラスターハンターズ ヤチママタタSAGA  作者: えのしぃ
第3章 衝突
16/30

炎と氷の衝突、生まれた水は何色か?

京平と零路 ぶつかり合う!

 キーリンタウン

「お互い分かり合えるまで話し合えば何でも解決出来るだなんて、そんなの夢のまた夢だと思うよ。」

 京平きょうへいが掌の上で生み出した炎の塊を零路れいじに向かって飛ばしながら話す。

「でもそれが分かっていてもさ、やっぱりいつかは争いなんてしなくてもいい世界を作りたいって、心のどこかで願ってるんだよな。」

 そう話しながら京平が飛ばして来た炎の塊を、零路は自身の氷の槍(ギンヌンガップ)をプロペラのように高速回転させて弾き返す。

「本当に僕とは真逆の考えを持っていますね、紅蓮柳ぐれんやなぎさんは。僕は何でも力で解決出来るような世界を作りたいです。」

 そう答えながら零路が地面へと氷の槍(ギンヌンガップ)を突き刺すと、京平の足元から巨大な氷の棘が飛び出す。京平は刺が飛び出す寸前に、それに気づき回避する。

「なんか、結局何が正しいか分かんなくなってくるよな。そもそも正しい事が良い事なのか?って話。いつもここで息詰まるよ。」

 京平が不貞腐れているようにも笑っているようにも見える表情で話す。

「皆それぞれ違うんですよ、正しいと思う事も、良いと思う事も。だからやっぱり、ぶつかり合うしか無いんです。」

 零路はそう言いながら氷の棘を生み出し続ける。

「それぞれに善があってそれぞれの正義がある。それは勿論分かるよ。だけどさ、ぶつかり合う必要ってあるのか?お互い関わらなきゃいいだけの事だろ?」

 地面から飛び出す氷の棘を避けながら、少しずつ零路の方へと近寄る京平。

「はぁ......今のこの状況を見てくださいよ。こう言う事ですよ。戦いたくない、戦いたいと言う意思がぶつかり合って、結局戦ってるでは無いですか。」

 呆れたような表情で零路がため息をつく。

「はぁ......やっぱり今日の結論もいつもと同じだ。話し合いで解決出来ないなら戦う。やっぱりこれなのかな。」

 京平もため息をついてしまう。


「さて、埒が明かないのでそろそろ本気でぶつかり合いましょうか......行きますよ!!」

 こちらに接近した京平を零路が薙ぎ払いながら声をあげる。零路が氷の槍(ギンヌンガップ)を自身の胸に思いっきり突き刺す。


破力全放出ブラストオフ!!絶対零度騎士団ぜったいれいどきしだんニヴルヘルム!!」


 零路の周りに2メートルくらいの身長で、氷の鎧を着た騎士の人形が13体現れる。人形たちは零路と同じ氷の槍(ギンヌンガップ)を構え、京平の方へとつっこんで来る。


炎操術えんそうじゅつ:爆炎乱舞ばくえんらんぶ!!」

 京平が手をパンパンと叩くと、その周囲で沢山の大きな爆発が起こり、その後爆発した場所は燃え盛る。爆発は全ての人形に命中するが、人形は少し怯むだけで、大したダメージを受けていない。


「まあ、普段の10倍以上の強さだもんなー。そりゃあこれが効かないのも当然だよなー!しゃあなし、オレもやるしかないよな!」

 そう言って京平が思いっきり自分の胸を叩くと、彼の全身から炎が吹き出す。


破力全放出ブラストオフ!!混沌焔こんとんほむらリーヴァテイン!!」

 京平の周囲、半径約5メートルが突然大炎上する!


「なんでオレの全身から炎が吹き出したのに服が燃えてねえの?って顔してるなぁ!この服、うちの支部の研究委員長がオレのブラストを分析して作ってくれた『オレのブラストで燃えない服』なんだぜ!」

 誇らしげに語る京平。

「そんな事全く思ってませんでしたよ。と言うかそもそも、そう言うのだったら、何故自分のブラストで自分が傷つか無いかの方が何倍も気になりますよ。」

 少し苛ついた表情で零路が答える。

「それはまぁ......蜂や蛇だって、自分の毒で死ぬことなんてないだろ?それと同じ感じだよ、きっと。」

 言われてみれば何故だろうと思いながらも京平は自分の見解を零路に話す。

「それもそうですね。自分のブラストには、免疫のようなものがついているのでしょうかね?」

 零路が氷の騎士達を自分を囲うように配置しながらそう答え、微笑む。


 零路の周りで13の氷の騎士達が京平に向かって槍を構えている。一方京平の周りには沢山の炎が湧き上がっている。


「さあ、決着をつけましょうかね!」

「ああ、フィナーレだ!この状況じゃ、お互い正面からぶつかり合うのが一番いい!」


「僕が貴方の炎を消すか......」


「俺がお前の氷を溶かすか......」


「「勝負!!」」


 掛け声と同時に、お互い全力を出し合ってぶつかる二人。体が溶けかけながらも突っ込んで行く氷の騎士達。それらから溢れ出る冷気によって、小さくなりながらも燃え盛る炎達。


「燃えろおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

「氷つけえええええええええええ!!!!!!!!!」



 

 そして......



 

 ほぼ同時に、お互いの破力が底をつく。


 氷の騎士団は溶けて消え、炎は少しずつ小さくなり鎮火していく......



 京平と零路。お互いが顔を向き合わせて話す。

「なんかさぁーオレさ。思いっきりぶつかり合うのも、悪くねえなって思っちまったよ。」

「偶然ですね、正直僕も、貴方と話し合う事に楽しさを感じてしまいました。」


「あー!もう分かんねえな!」

 地面に寝そべる京平。


「僕も、分かんなくなっちゃいました!」

 それを見て、零路も地面に寝そべる。


「きっと、どっちも必要なんだよな。」

「ええ、だから人はいつまでもいつまでも、仲間を作って敵を作り、話し合って戦い合うのでしょうね。」

二人の過去とかも、少し書きたいね。

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