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ブラスターハンターズ ヤチママタタSAGA  作者: えのしぃ
第3章 衝突
12/30

戦場での再開、変わり果てた友

大量の加筆 タイトル変更をして再投稿です。

全然予告どおり更新できて無くてごめんなさい!ペースを戻したい。

 浮上したヤチママタタから、遠くに見える海を見下ろす俺と累。その後ろに、二人の男が歩いてくる。その内の片方、糸目で右の頬に傷のある男が俺たち見ながら話す。

「おや、二人いるじゃないの。どう言うこったね。」

 もう片方の、黒いジャケットを着た銀髪の男がそれに答える。

「こう言う事も予想してのこの計画だろ、問題ないべ。」

「それもそうだね。」

 

 声の方向を見る俺たち。ここに現れたこと、計画などと話している事から、今からコイツらは俺たちの敵となる存在だと理解した。

「お前ら、何者だ!」

 俺は二人に大声で問いかけた。すると、糸目の男が答える。

「ブラスト撲滅教、七賢人しちけんじんがいち 霧島薬子きりしまくすこ。この世界を救う為、選ばれた者。」

 金髪の男も続けて答える。

「同じく七賢人しちけんじん骨川隆弘ほねかわたかひろ。オレはこの世界を救う気はねえ、ぶっ壊してえんだ。」


 霧島薬子......母さんと父さんを殺した男の名前.....まさかこんなにも早く出会うなんて思ってもみなかった。累も、その名前を聞いて反応する。そして咄嗟に左腕を天へと伸ばし叫ぶ。

真実の腕輪(フォルセ•マナ)!!」

 すると、累と霧島の左腕に白い腕輪が突然現れる。天使の輪の様なその腕輪は光を発していた。

「君のブラストについて、全て教えろっす!」

 累がそう質問すると、霧島の腕輪が先程よりも強く光を発する。

 

 それと同時に銀髪の男が俺達の方へと走ってくる。

「お前はオレが相手をしてやる。」

 そう言って俺の腹を一発殴った後、漁港から少し離れた魚市場の方へと走っていく。俺はそれを追いかける。霧島のブラストをいち早く知りたかったが仕方がない、ここは一旦累に任せて俺はあいつを倒そう。






そのころキーリンタウンでは......

京平きょうへい、状況は全て聞いたよ。止めに行こう。」

「ああ!」

 京平と仰扇が合流し、町の中心部に向かう。そこには何十人かのブラスターが車や看板を破壊、逃げ惑う人々に暴行を加えていた。

「これは酷い......仰扇、関係のない人々の安全を最優先に行動しつつ、ブラスター達の動きを止めよう。」

 京平が指示を出す。

「了解!」

 二人が、ブラスター達の方へと向かう。


「吹き飛ばせ!【主神の双鴉(フギンドムニン)】!!」

 仰扇の呼び声に反応し2匹の鴉が現れ、羽ばたき暴風を起こす。その風は、町や人に被害を与えているブラスターのみを吹き飛ばす。これは風が何か特殊なものと言うわけではなく、鴉が彼らだけが吹き飛ばされるよう、方向と風圧を調整しているのだ。


 それを見て、京平が感激する。

「すげえな仰扇!その鴉の事は、前にお前らの戦闘演習の記録を見て知っていたんだけど、これ程の威力とは......よし、後はオレに任せてくれ!」


 吹っ飛んでいったブラスター達の方へと走っていく。

「おらああああああああ!!【炎操術えんそうじゅつ:朱牢獄あかかご】!」

 京平が叫ぶとブラスター達を取り囲む様に数十もの炎の柱が立ち並ぶ。

「それ、2時間は鎮火しないからよろしくぅ!」


 ハイテンションの京平、そこに謎の男女二人がやってくる。

「なんなんですかコイツらは、こんな簡単にやられちゃって、全く使いものにならないじゃないですか。」

 白いワイシャツでベージュのチノパンで眼鏡をかけた男が、京平きょうへいが作った火柱に囲まれたブラスター達を見ながら言う。


「待ってよー!零路れいじくーん!」

 メガネの男、零路の元へと黒髪ショートに黒いスカートに黒いティーシャツの女が走って駆け付ける。

「はぁ......はぁ......やっと追いついたー!」


 それを見ていた、京平と仰扇ぎょうせんは現れた二人の元へと近づく。

「零路......もしかしてお前!田辺たなべか!?久しぶりだなー、元気してたか!?」

 零路に声をかけるは京平。彼は零路と過去に知り合っていたのだ。久しぶりの再会を喜んでいる。

紅蓮柳ぐれんやなぎさん、お久しぶりです。」

 一方零路は、ここで京平と再会する事を予想していたかのように、冷静な返しをする。


「もしかして、田辺もブラスターハンターになれたのか?他支部からこっちに来たのか!?いやでも今ヤチママタタは空に浮かんでて、こっちには来れないような?」

 京平は零路に関して気になる事だらけだ。彼は一体どうしてここにいるのか、昔語っていたブラスターハンターになると言う夢は叶ったのか。沢山の問いが、京平の中にはあった。


 京平の声を嫌そうな顔をして聞きながら、零路が答える。

「相変わらず煩いですね、紅蓮柳さんは......簡潔に言います。僕は貴方たちの敵、この暴動を起こしたブラスト撲滅教の幹部、七賢人の一人です。今から貴方達を始末しに来ました。」

 

 それを聞いた京平の顔には、先程まであった笑顔は消え、真剣な表情で零路に顔を向ける。

「は?どう言う事だよ?意味がわからない。ちゃんと説明してくれないか?」

「どう言う意味も無いですよ。今から戦うんです。」

「だからなんでだよ!?なんでお前らはこんな滅茶苦茶な事してんだよ!?なんの為に!何を求めてこんな事を!」

 京平はそう言いながら、零路に距離をつめる。

 

「ああ、そうでした、貴方はそう言う方でしたね。どんな時でもまず対話を優先する、素晴らしいと思いますよ。ただ......」

 詰められた距離を再び離すように後ろに下がりながら、零路が話す。

「話し合う事では、解決出来ない事なんてこの世の中には溢れかえるほどあります。」

 零路が話を続ける。

「まあ良いでしょう。貴方と戦いたくないと言う思いは僕の中にもあります。今から僕の話すこと、全てに納得して下されば貴方と僕が戦う意味は無くなりますので。しっかり聞いていて下さいね。準備は良いですか?」

「おうよ。」

 

 零路が話を始めようとする。しかし、そこで二人の話が終わるのを退屈そうに待っていた、全身黒ファッションの女が声を上げる。

「えー!?まだ戦わないのー?私もう待ちくたびれちゃったよ。零路くんの話、長いよー!」

「すいません、潜留くぐるさん。あと少しだけ待ってて貰えると助かります。」

 潜留と呼ばれたその女は、早く戦いたくてウズウズしているのか、それともただ何もせずに待っているのが退屈なのか、零路を急かす。


「その人と話すんだったらさー、こっちのおじさんはっちゃっていいよねー?」

 潜留が京平の後ろで待っている仰扇を指差し、そう問いかける。

「ダメです。静かに待ってて下さい。」

「んー!分かったよ......」

 零路に止められ、仕方なく待つことにした潜留。 


「仰扇、すまないな。可能なら戦う前にしっかり口で話す。オレはそんな人間でありたいんだ。少し待っていてくれ。」

 京平が仰扇の方に振り向き、そう話す。

「謝る必要なんてないさ、戦わなくて済むならそれが一番だ、待ってるよ。」

 ニコっと笑い答える仰扇。

「ありがとう。」


「それでは、何処から話しましょうか。」

 京平と零路の対話が始まる。

京平が主人公みたいになってる。

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