戦場での再開、変わり果てた友
大量の加筆 タイトル変更をして再投稿です。
全然予告どおり更新できて無くてごめんなさい!ペースを戻したい。
浮上したヤチママタタから、遠くに見える海を見下ろす俺と累。その後ろに、二人の男が歩いてくる。その内の片方、糸目で右の頬に傷のある男が俺たち見ながら話す。
「おや、二人いるじゃないの。どう言うこったね。」
もう片方の、黒いジャケットを着た銀髪の男がそれに答える。
「こう言う事も予想してのこの計画だろ、問題ないべ。」
「それもそうだね。」
声の方向を見る俺たち。ここに現れたこと、計画などと話している事から、今からコイツらは俺たちの敵となる存在だと理解した。
「お前ら、何者だ!」
俺は二人に大声で問いかけた。すると、糸目の男が答える。
「ブラスト撲滅教、七賢人がいち 霧島薬子。この世界を救う為、選ばれた者。」
金髪の男も続けて答える。
「同じく七賢人、骨川隆弘。オレはこの世界を救う気はねえ、ぶっ壊してえんだ。」
霧島薬子......母さんと父さんを殺した男の名前.....まさかこんなにも早く出会うなんて思ってもみなかった。累も、その名前を聞いて反応する。そして咄嗟に左腕を天へと伸ばし叫ぶ。
「真実の腕輪!!」
すると、累と霧島の左腕に白い腕輪が突然現れる。天使の輪の様なその腕輪は光を発していた。
「君のブラストについて、全て教えろっす!」
累がそう質問すると、霧島の腕輪が先程よりも強く光を発する。
それと同時に銀髪の男が俺達の方へと走ってくる。
「お前はオレが相手をしてやる。」
そう言って俺の腹を一発殴った後、漁港から少し離れた魚市場の方へと走っていく。俺はそれを追いかける。霧島のブラストをいち早く知りたかったが仕方がない、ここは一旦累に任せて俺はあいつを倒そう。
そのころキーリンタウンでは......
「京平、状況は全て聞いたよ。止めに行こう。」
「ああ!」
京平と仰扇が合流し、町の中心部に向かう。そこには何十人かのブラスターが車や看板を破壊、逃げ惑う人々に暴行を加えていた。
「これは酷い......仰扇、関係のない人々の安全を最優先に行動しつつ、ブラスター達の動きを止めよう。」
京平が指示を出す。
「了解!」
二人が、ブラスター達の方へと向かう。
「吹き飛ばせ!【主神の双鴉】!!」
仰扇の呼び声に反応し2匹の鴉が現れ、羽ばたき暴風を起こす。その風は、町や人に被害を与えているブラスターのみを吹き飛ばす。これは風が何か特殊なものと言うわけではなく、鴉が彼らだけが吹き飛ばされるよう、方向と風圧を調整しているのだ。
それを見て、京平が感激する。
「すげえな仰扇!その鴉の事は、前にお前らの戦闘演習の記録を見て知っていたんだけど、これ程の威力とは......よし、後はオレに任せてくれ!」
吹っ飛んでいったブラスター達の方へと走っていく。
「おらああああああああ!!【炎操術:朱牢獄】!」
京平が叫ぶとブラスター達を取り囲む様に数十もの炎の柱が立ち並ぶ。
「それ、2時間は鎮火しないからよろしくぅ!」
ハイテンションの京平、そこに謎の男女二人がやってくる。
「なんなんですかコイツらは、こんな簡単にやられちゃって、全く使いものにならないじゃないですか。」
白いワイシャツでベージュのチノパンで眼鏡をかけた男が、京平が作った火柱に囲まれたブラスター達を見ながら言う。
「待ってよー!零路くーん!」
メガネの男、零路の元へと黒髪ショートに黒いスカートに黒いティーシャツの女が走って駆け付ける。
「はぁ......はぁ......やっと追いついたー!」
それを見ていた、京平と仰扇は現れた二人の元へと近づく。
「零路......もしかしてお前!田辺か!?久しぶりだなー、元気してたか!?」
零路に声をかけるは京平。彼は零路と過去に知り合っていたのだ。久しぶりの再会を喜んでいる。
「紅蓮柳さん、お久しぶりです。」
一方零路は、ここで京平と再会する事を予想していたかのように、冷静な返しをする。
「もしかして、田辺もブラスターハンターになれたのか?他支部からこっちに来たのか!?いやでも今ヤチママタタは空に浮かんでて、こっちには来れないような?」
京平は零路に関して気になる事だらけだ。彼は一体どうしてここにいるのか、昔語っていたブラスターハンターになると言う夢は叶ったのか。沢山の問いが、京平の中にはあった。
京平の声を嫌そうな顔をして聞きながら、零路が答える。
「相変わらず煩いですね、紅蓮柳さんは......簡潔に言います。僕は貴方たちの敵、この暴動を起こしたブラスト撲滅教の幹部、七賢人の一人です。今から貴方達を始末しに来ました。」
それを聞いた京平の顔には、先程まであった笑顔は消え、真剣な表情で零路に顔を向ける。
「は?どう言う事だよ?意味がわからない。ちゃんと説明してくれないか?」
「どう言う意味も無いですよ。今から戦うんです。」
「だからなんでだよ!?なんでお前らはこんな滅茶苦茶な事してんだよ!?なんの為に!何を求めてこんな事を!」
京平はそう言いながら、零路に距離をつめる。
「ああ、そうでした、貴方はそう言う方でしたね。どんな時でもまず対話を優先する、素晴らしいと思いますよ。ただ......」
詰められた距離を再び離すように後ろに下がりながら、零路が話す。
「話し合う事では、解決出来ない事なんてこの世の中には溢れかえるほどあります。」
零路が話を続ける。
「まあ良いでしょう。貴方と戦いたくないと言う思いは僕の中にもあります。今から僕の話すこと、全てに納得して下されば貴方と僕が戦う意味は無くなりますので。しっかり聞いていて下さいね。準備は良いですか?」
「おうよ。」
零路が話を始めようとする。しかし、そこで二人の話が終わるのを退屈そうに待っていた、全身黒ファッションの女が声を上げる。
「えー!?まだ戦わないのー?私もう待ちくたびれちゃったよ。零路くんの話、長いよー!」
「すいません、潜留さん。あと少しだけ待ってて貰えると助かります。」
潜留と呼ばれたその女は、早く戦いたくてウズウズしているのか、それともただ何もせずに待っているのが退屈なのか、零路を急かす。
「その人と話すんだったらさー、こっちのおじさんは殺っちゃっていいよねー?」
潜留が京平の後ろで待っている仰扇を指差し、そう問いかける。
「ダメです。静かに待ってて下さい。」
「んー!分かったよ......」
零路に止められ、仕方なく待つことにした潜留。
「仰扇、すまないな。可能なら戦う前にしっかり口で話す。オレはそんな人間でありたいんだ。少し待っていてくれ。」
京平が仰扇の方に振り向き、そう話す。
「謝る必要なんてないさ、戦わなくて済むならそれが一番だ、待ってるよ。」
ニコっと笑い答える仰扇。
「ありがとう。」
「それでは、何処から話しましょうか。」
京平と零路の対話が始まる。
京平が主人公みたいになってる。




