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ブラスターハンターズ ヤチママタタSAGA  作者: えのしぃ
第2章 仲間
10/30

鈴音の余裕、物体操作と赤蜻蛉

ずっと会話ばっかだったけどここからバトル三昧です。

「なんだぁ?てめぇは!?」

 店員を殴ろうとしていた男は鈴音の方に向かってゆっくり歩いて行く。

「ブラスターハンター、夜桜鈴音よざくらすずねです。貴方こそ、なにをしているんですか?名を名乗りなさい!」

 名刺を男に見せつける鈴音。


「あぁん?ブラスターハンターだとぉ!俺を捕まえに来たってか。捕まえられるもんなら捕まえてみな!」

 舌を出して挑発する男。

「貴方、ワタシの言う事しっかり聞いてましたか?ってもうこの話し方も面倒くさいからやめよっと。ンンっ。」

 

 鈴音は咳払いをし、改めて話し始める。

「あんたさー、ワタシの話し聞いてたー?名前と自分が何やったか教えて話して下さいなって言ってるのー。」

 鈴音は男に少しずつ近づきながら問う。


「あーもう面倒くせぇなぁ!飯島いいじまだよ!飯島勇斗いいじまゆうと!このクソ店員が不良品を売りつけやがったから正義の鉄槌を食らわせてやろうとしてたんだよ!」

 飯島はパソコン専門店の店員を指さして話す。

「正義?なーにいってんのさー。暴力に正義もなにもないでしょー?ほら夜桜ちゃんが優しく捕まえて上げるからこっちに来てねー。」

 微笑みながら話す鈴音。


「どいつもこいつも舐めやがって!これでも喰らえ!このブスが!」

 飯島はブラストを使って3倍ほどの大きさにしたノートパソコンを、鈴音に向かって投げる。

 

「あんたさー、言葉使いもやってる事も、ぜーんぶ汚いよー。もっとおしとやかになりなよー。」

 鈴音の手前で、飛んできたパソコンは動きを止め、その空中を浮いた状態になる。これは鈴音のブラストの力だ。


「ここでクーイズ!ワタシのブラストはどう言う能力でしょーか?周りの皆さんも一緒に考えてー!」

 周りの野次馬たちを巻き込んで、突然クイズ大会を始める鈴音。

「分っかるかなー?答えられたら褒めたげるー。」

 クルクル回りながら話す。

「念力......ですかね?」

 鈴音の近くで様子を見ていた眼鏡の男性が少し小さめの声で答える。

「ほぼほぼ正解!うん、これは正解でいいね!眼鏡くん、さっすがー!」

 眼鏡の男性を褒める鈴音。男性も、少し嬉しそうに頭を掻きながら照れる。


「ワタシのブラストは【物体操術ぶったいそうじゅつ:舞姫まいひめ】 視界に存在する対象物を最高6個、自由に浮かしたり飛ばしたりできるのー。勿論重さの限界はあるよー。全部合わせて500kgを超えるときついかなー?あと生き物は対象にならないよー。」

 ニコニコしながら能力の説明をする鈴音。

「とんでもねえブラストじゃねえか!なるほどな、自分自身の圧倒的な能力を伝えて、俺に諦めさせようって言う狙いだな?」

「ふふーん、その通りだよー。」

 飯島の推測に、微笑んで答える鈴音。


「なら残念だ、俺の方が強い!」

 そう言いながら少し後ろに下がる。すると鈴音がブラストを使って宙に浮かせていたノートパソコンが突然爆発する。

「うわびっくりしたー!やめてよ!」

 間一髪で避け、怒る鈴音。

 

 無視して語り始める飯島。

「俺のブラストはさ、一度手で触れた物の大きさを変える能力なんだけどな?元の4倍以上の大きさにしようとすると爆発しちまうんだよ。」

 財布から小銭を出して、それを地面に投げ、大きくして爆発させて見せる。

「うわ、お金勿体なーい。あとそうだ。この人思ってたよりも結構危ないから、みんな逃げてー!」

 先程までクイズなどをして遊んでいた鈴音だったが、危険を感じ避難指示をだす。

 

 それを聞いて二人から離れていく野次馬たち。殆どの人が遠くへ行ったが、少し離れただけでそこから様子を伺う人も数人いた。

「うわー、まだ近くに人いるし。もう面倒だから早く済ませちゃおっかー!」

 鈴音はそう言うとズボンのポケットから、橙色に塗られたナイフを取り出した。

赤蜻蛉アカトンボ!!」

 赤蜻蛉と呼ばれたそのナイフは、鈴音のブラストによって空中を飛ぶ。


「ナイフ!?中々殺意が高いじゃねぇか!こっちも容赦なくいかして貰うぜ!」

 自身にに向かって何度も飛んで来るナイフを、飯島はキレイに交わしていく。

 財布から小銭を20枚ほど取り出し、全てを鈴音の方へと思いっきり投げる。

「お前、操作できるのは合計6つって言ってたよなぁ!?俺は手で一度触れちまえば、いくつだって爆発させられるんだぜぇ!」

 鈴音は爆弾と化した小銭達を思いっきり飛んで避け、それでも当たりそうになった数枚を、ブラストを使って飛ばし返す。


「もうー危ないなーお相撲さんの塩まきかよー。」

 鈴音はとんだ勢いで地面を転がってしまうが直ぐに体制を立て直す。

「危ないのはお前も同じだろうがぁ!」

 自分の側に飛ばし返された爆発寸前の小銭を避けながら叫ぶ飯島。小銭を避けるのに集中してしまった為、ナイフの攻撃が掠ってしまう。


「やった!勝った!」

 それを見て、ガッツポーズをする鈴音。

「なーにが、やった!勝った!だ。傷一つ付けただけじゃねぇかかよブスが!」

 少し怒りながら飯島は声を荒げる。


「あー!ムカつくなこのブス女!イライラする喋り方をするわ、一発攻撃当てただけで勝った気になるわでふざけてんじゃねえ!ぶっ潰してやる!」

 飯島はそう言うと、ポケットから飴玉を取り出し口の中に放り込み、飲み込む。

「これめっちゃ怖えんだけどな。前にやって一回成功したし大丈夫だろう。」

 そう言って飯島は少し怯える様な表情で目をつぶる。

「まさか、【破力全放出ブラストオフ】する気なのー?」

 鈴音は飯島の方を見ながら、そう問う。

「これ、お前らの所だと破力全放出ブラストオフって言うのか?ネットの情報を信じてやってみたら出来るようになっただけだからな。良くわからねえよ。」

 目を閉じながら答える飯島。 

 飯島の腹が膨れ、その後爆発音と共に膨れた腹が少しずつ萎んで行く。


「あーあーやっちゃったよ。」

 鈴音がやれやれと言った表情で話す。

「何があーあーだ!これで俺の能力は十倍にアップだぜぇ!ってなんだ......うっ!」

 突然倒れる飯島。

「なん......で......失敗.....した......のか?」

 意識を失いそうになりながら話す。

「違うよー。君は破力全放出ブラストオフに失敗したわけじゃない。これの影響だよ。」

 鈴音は橙色のナイフ 【赤蜻蛉アカトンボ】を手に持って見せながら話す。

「これねー、ナズちゃんの人を眠らせるブラストの力が込められたナイフなの。このナイフで少しでも切られて少したったら、夢の世界へゴーなんだよー。」


「ああ、そう言う事かよ。」

 そう言って、飯島は眠りにつく。


「もしもしー、無事捕まえたよー。」

 無線を使って連絡を取る鈴音。


10分後、ブラスター用運送車がやってくる。

ブラストの力を極限まで抑え込むように仕掛けが施された束縛具に、飯島は眠ったまま束縛され連れてかれる。


「それじゃあ、支部に帰ってご飯にでもしよっかなー!今日はラーメンだー。」


 鈴音は、そう言って、支部の方へと帰って行く。

ハ ン ド パ ワ ー

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