一話
読んでくれれば幸いです。
一話一話は短いです。
この街は今絶望に満ちている。
空は暗く、昼間だというの外には人影はなく静まりかえっている。
建物は荒れ果て、人が住んでいないのかと思うほどだ。
見る人全てがその様子を見てゴーストタウンだと思い浮かべるだろ。
数年前までは活気があふれていた、だがある日を境に街は活気をなくしどんどん廃れていった。
しかし、驚くべきことはそこではないその原因だ。
街が廃れていった原因がたった一人の少女だということだ。
たった一人の少女が原因でこの街は廃れ、人々は絶望に落ちた。
このお話はそんな少女と少女に愛された少年のお話である。
■ ■ ■
気がつくと僕は涙はを流していた。
何で流れてきたのか僕は分からなかった。
年を重ねるたびに涙を流す機会が減りここ数年は流さなかった僕が今日になって唐突に涙が流れてきた。
「どうして泣いているの、ユウ?」
僕が涙を流していると彼女、ミナが話しかけてきた。
ミナは僕に近づき涙を指でぬぐい、そのままぬぐった指を口に運び僕の流した涙をなめた。
「しょっぱいわ」
聞いてもいない涙の味の感想を言った後彼女は僕に抱きついてきた。
彼女の匂いを強く感じられとても不快だった。
「それで、どうして泣いていたの」
耳元でささやかれこれもまた不快だった。
「…たぶん、さびしいからだと思う」
「さびしい?私がいつもいるのに?」
意外そうにミナが言った。
「でも家族がいない、親も兄弟も」
だから、涙を流したのだろ、しゃべっていく内に涙原因が分かったと同時に僕が思っている以上にこの状況に参っているのだと自覚した。
するとミナはその言葉を聞くと僕をより強く抱きしめ、首筋に軽く噛み付いてきた。
「それじゃ、一緒につくろ」
僕はそのままミナに押し倒された。
また、無駄なことをと思いながら。
■ ■ ■
しばらく時間がたち、ミナは汗だくで全裸のまま愛おしそうに僕のが入っている下腹部を撫でている。
その姿を見るのはこれで何度目だろう。
これまで何度同じことを繰り返して失敗いるのだろう。
僕が見ていることに気づいたミナの顔が笑顔になった。
「これで、今度こそは家族ができるね」
その笑顔に僕は今日も殺意を抱いた。
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