表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/35

      想い3

今回は誰の想いなのでしょうか?

「会いたい……」

 

 口に出すと余計に会いたくなると分かっているけど、言わずにはいられなかった。


 僕がフランスに来て数ヶ月。健斗は元気にやっているのかな?


 ──勉強中。僕は机に向かっていた。


 こっちには慣れてきたし、ここの生活も楽しい。それでもやっぱり足りない。


 健斗がここにいないということが、何よりも寂しかった。


「健斗」


 名前を言えば、少し恥ずかしそうに振り向いてくれた。


 その彼がここにはいない。毎日メールをするけど、やっぱり足りない。健斗が足りない。


 健斗の笑顔が見たい。健斗の照れた顔が見たい。


 そして、僕に「好き」と言ってほしい。


 健斗は今、僕のことどう思っているのかな?


 あの時、僕が好きって行ったとき、健斗も僕への気持ちを言ってくれようとした。俺も…って顔で訴えてきた。


 でも僕は健斗にその言葉を言わせなかった。


 だって、人の気持ちは変わりやすい。


 もしかして、僕が引っ越した後、健斗が好きな人ができたら?


 「やっぱ無理」なんて言われたら、僕が壊れてしまいそうで……


 怖かったんだ。


 何年も離れてしまえば、健斗の気持ちはもしかして、違う人にいってしまうかもしれない。拒絶されるかもしれない。




 それは違うと気付いたのは、フランスに来てからのことだ。


 毎日交換しているメール。


 健斗が僕のことを心配にしてることがよく分かった。


 気持ちが伝えようとしているのか、わざわざ回りくどい言葉を使って…。


 なんで僕は、全部信じてあげられなかったのだろう?と思うのだ。


 あの時は僕は信じている。と言ったのに、どこかそれを信じていない僕がいた。


 信じていれば、あの時に気持ちを言ってもらえばよかったのに、それをしなかった僕はやっぱり、健斗をどこか信じ切れていなかった。


「健斗、大好きだよ」


 僕は健斗が好き。じゃあ健斗は?


 きっと「好き」って言ってくれる。


 僕はそれを待つことしかできないけど、きっと大丈夫っ。

 

 健斗を信じているから……。

 


 健斗のメールを待ちながら、力強く携帯電話を握りしめた。



 

今回は俊也でした!!

俊也の気持ちを書くの、すごく楽しかったです。


えっと次回で番外編、最後となります。

最終話の後のお話を書く予定です。


更新はできるだけ早めにしたいと思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ