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砂塵の表情

えっと初めて小説を書きました。読み返すと「なんじゃこりゃ」です(笑)

文章を書くのが苦手なんですが、物語のインスピレーションは凄くて、こんなに書けました!

暖かい目で見てあげてください。

砂漠が一帯に広がっている

その中に1塔だけ建ちそびえるビルがある。

ビルのガラスは全て割れ、砂塵が吹き付ける。

内部は、資材・道具などはほとんど無く、壁紙や断熱材も無くなりコンクリートの柱がむき出しになって、がらりとしている。


その最上階、簡易的な布のテントがある場所が私の居住場である。

36階にあたるその場所には、自作発電機によって動かすことが出来るエレベーターがあり、それで登り降りをしている。

食料の栽培は屋上で行う事ができ、どうにか生活がなりたっている。

ビルの地下にはひっそりと水が湧き、毎朝それを汲み、屋上の植物達に水を撒く。そして、昼頃まで畑を耕すのが毎日の習慣。

昼頃になると日がビリビリと肌を焦がすような暑さになるので

ビル内から四方八方の砂漠に異変がないかを望遠鏡で見詰めている。

日が傾く頃にはビルから離れた場所に物などが落ちていないか、ほかのビルや建物はないかを探索に行く。

そんな日々を今はずっと続けている。


「……誰も……ぃない」

今は16時、砂漠の枯れ山水のような模様をただただ見ていると、ついついそんな一言も出てしまう。

それもそのはずで、2年前に1人の老人に会ったきり、ここ最近は誰も見かけもない。

とある理由によって人と人がコミュニケーションを取らなくなったのが、誰にも会えない理由だろう。




50年前、地球の砂漠化という深刻な現象が始まった。

田畑・山・森・海などが次々に干上がり、最初からなにもなかったような景色だけが広がっていった。

そんな中、砂漠化の進行を止めよう・遅らせようとする活動が、各国で、各政府で、各地方自治体で、各集団で行われた。

しかし40年後、人々は生活に困り・食料に困り、やがて多くの犠牲を出しながら戦い、食料を奪い合った。

皆が『家族の為に』『子供の為に』『恋人の為に』と……。


そして今、人口は激減し更に、人は人を信じなくなった。



2年前に会った老人も、こんな世の中でなければ『人の良い老人』だったんじゃないだろうか。

その老人は2年前の早朝にビルにやってきた。

「お願いです。このビルで一緒に生活させて下さい。前にいた場所は強奪されてしまい住む場所がないのです。それにもう見ての通りの老いぼれです。これ以上の移動は……。お願いしますお願いします。」と。

私には久々の人間を信用してよいものか悩んだが『まだ信用できる人もいるはずだ』と希望を持って信じた。

しかし、老人は盗っ人だった。

育てていた野菜半分と共に姿を消していた。

それからは人を信じていない。


苦い思い出に浸り、またも人を信じないと決意した時だった。

ゆらゆら動く陽炎の彼方に何かが見えた気がした。

もうすぐ日没なので様子を見に行く事にした。



何かが見えた気がした方向に歩みを進めて2時間がたったが、相変わらず砂漠一色だ。

そんな中にぽつりと佇む、コンクリートの建物があった。

見た目は歴史書でみた体育倉庫のような一戸建てだ。扉はなくなり、窓は窓枠だけが残っているのみだ。


他人の住家なら争いとなる可能性もあるので、窓からそっと覗き込んだ。

すると、中には人間サイズのロボットがいた、それも2台だ。

2台とも壊れているのか動きはない。

このロボットは『ウィフ=we friend』といって、数十年前の人が人を信じなくなりはじめた頃に、一部の人間が作った『友達』であり『働き手』だった物だ。


こんな物をコレクションするとは余程の物好きなのだろう。

私にはそれくらいにしか思わない代物だった。

まあ部品の回収にはなるが、それは持ち主と争いの種にしかならないだろう。

そんな事を思い、建物に背を向けた瞬間に建物から音が聞こえ、見つかった!と思い反射的に伏せった。

しかし、何も変わったことは起きない。

そのあともしばらくは様子見の為に伏せっていたが、状況は一変しないままだ。

部屋を覗くのは怖いので、窓枠の縁ギリギリに耳を寄せ聞き耳を立てた。




『……。』

風に転がされる埃の音さえも耳に入るように、息をひそめ、部屋の中に集中する。


『……ピピッ……キュィーーーン』と

なにか機械の起動音に似た音が聞こえた。

間違いないロボットの起動だ。

こうなるとジッとしていても仕方がないので窓から覗き込んだ。

起動したのは1台のロボットだけだった。

ロボットは起動後すぐのためだろう、状況を探る為にキョロキョロと辺りを見回している。

「やばっ!」

多分、一瞬だが視線が絡んだ。


主人にどんな命令をインプットされているのか分からない。

今は逃げるそれしかない。

とにかく振り向く事を恐れ恐怖し全力で砂漠を駆けた。

どれくらい走っただろう息が上がり呼吸が乱れ、手や足が揃わない。

手で砂を漕いででも無我夢中に前に前にと歩を進めた。

気がつくと、さっきのコンクリートの家が見下ろせるほどの大きな丘というべきか、砂山のてっぺんにいた。

ここでようやく恐怖に反し睥睨するかのように振り返ってみると、暗く静かな砂山の麓に青い光が微かに見ることができた。しかし、すぐに光は消え、ただの暗く静かな闇になった。



居住場に戻りテントで横になったが、青い光が頭を過ぎり眠れない。

あの光はロボットのものだと思う、じゃあ何故消えた……そもそも何故急に動き出した……何故もう1台は……何故何故何故……。考えは止まずに考え耽っていると、射すような朝日が顔を出した。

青い光が気掛かりではあるものの眠た眼をこすりつつ、またいつものように働き出す。

さすがに生活を疎かにする訳にもいかずビルの見回りや畑仕事などをこなした。

それから、はや一週間が過ぎ、青い光を気にしないそぶりはできず「あーー!あの光りはなんだったんだ!!」と限界を自らの口で告げられた。


そしてその夜

零下になる砂漠の夜をまた厚着をしてコンクリートの家に向かった。

前に訪れた時と同じで、何事もなく建物に着いた。


「なにも変わらないか……」

あまりにも静寂な空気に、そんな事を呟きながら

これもまた以前のように窓枠からそっと室内をのぞき見た。

「くぁッ!」

その瞬間だった青い光がフラッシュのようにほとばしり視界が失われた。

うずくまるように身を低くし、急な出来事による混乱する自身を落ち着かせながら、視界が戻るのを待つ。


うずくまっている間、あの一閃以外に特に物音一つなく、変化がなかった。

ややもやが掛かって見えるものの視界が回復してきたので

戦々恐々としつつ立ち上がり

また室内を息を潜め覗き込む。

すると室内にはロボットが2体並んで倒れていた。


(前と場所が違う)

そう。倒れている場所が以前と2体共違うのだ。

前は建物の左側、今日は右側だ。

(それにあの光はなんだったんだ)

あんなに強い光がほとばしったはずが何も変化がなく、何が光ったのかさえ分からない。


しばらく様子を見ようとのぞき見を続けていると

『ピピ………キュイーーーー』

またあの音だ。

(起動!)

一体のロボットは動き始めた。

以前のように辺りをキョロキョロと見回していたが

今回は視線が絡み合う事はなかった。ややホッとする。

ロボットは予備バッテリーに切り替わり些細な時間の中で、取出したバッテリーを動かないロボットに埋め込んだ。

すると、青く強烈な光がほとばしり視界を白く染めた。

私は条件反射で腕で目を覆いその場に伏った。


(またかよ……何が始まるんだ)


視界が回復してゆっくり目を開け、自分や周囲に異常がないのかを確認した。そして部屋の様子を伺うと、2台のロボットは地面に横たわっている状態だった。


『…………キュィーー』

起動音だ。


またロボットが動き出すのを待ち、それを見届けてから帰ろうと決めた。


動き出したのはずっと動かなかったロボットだ。もちろんバッテリーを貰ったのだから動くようだった。


(やっぱこっちも動くのか……しかし、不敏なものだ)


さて帰るかと動き始めようと思った時、ロボットはさっき拾われてきた部品を手に取り、今は動かないロボットに使える部品なのかを確かめ始めた。

その行動に何か言葉にならない思いが引っ掛かるような感覚があったが、住居に帰る事にした。



次の日

またも見に行く事にした。連日脚を運ぶのは初めてのことだ。

その日、再びロボットどうしのバッテリー交換を目にした。

そして、またしても何かが引っ掛かる。



しばらく私は脚を運ぶ事にした。ロボットは時折バッテリーの交換をしているようだった。

しかし、みるみるうちにバッテリー残量は失われていくようで、バッテリー交換の頻度が短時間になっていった。


(そんな状態なのにバッテリー交換をするなんて無駄だ。ここは僅かな可能性を1体にかけて、他のバッテリーを探すべきだ)そんな思いは日に日に増していく一方だった。

だからこそ直接言って教えてやろうかと考え始めていた。

しかし、場所の防衛などをインプットされていたら……という恐怖によって出来ないでいた。



かれこれ2ヶ月程がたったが、ロボットは依然にバッテリー交換をしていた。

そんなある日、ロボットはとうとう立ち上がる事がやっとといった程にまでエネルギーが微々たるものになってしまったようだった。

歩くのは遅く、時折停止してしまうのではないかと思える動きが続いている。

それでもバッテリー交換は欠かさない。



私は苛立ちがつのっていた。ずっと効率が悪いと考え、訴えかけてやりたかった。

今ならたいした攻撃もなれないな……と思い。

意を決してロボットの前に踏み出す事にした。



「お……おいっ」

万が一の事も考え身構えながら

声をかけた。


ロボットは驚くといった動きは見せずに、ゆっくりと振り返った。攻撃はしないようだ。

声をかけたものの次の言葉が出ずしばらくの沈黙が続いた。


ロボットはこちらを見つめるだけで何の言葉も発さず、結局は自身が口火を切ることとなった。


「お前を、お前達をずっとみていた。何の為にお前達はバッテリーの交換なんかをするんだ。無駄なんだよ!」

(どうせロボットなんだぞ)

そんな、思い溜めていた気持ちが溢れ出した。



思いを一気にぶちまけてあがった息を整える間、しばしの沈黙が続いた。

その沈黙を聞き取りずらくも耳にすんなり入ってくる一言があった。


「トモダチ……ウゴカナイ」



動かない……から?

意味がわからなくなった。そのために自分が動かなくなってもいいのか。


「なら、お前はどうなる!自分が動かなくなったら意味がないだろ!?自分が生きてこその世界なんだょ!」

ぬるいぬるいぬるいその思いがボルテージを揚げていった。


「…………サミシイ」

「何ッ笑わせるな!!感情なんか無いロボットに何が分かる!?」


ロボットは胸に手をあて

「ワカラナイ……デモ……ココガ……サムイ、ツメタイ」



「分かったような事を言うなァーーー!?」

叫ぶと同時にロボットを両手で思いっきり押した。

ロボットはパワーが無いからか簡単に倒れ、それを見た時なぜだか胸がざわざわした。




そのまま1・20秒静寂が訪れたがロボットは立ち上がらず壊れたか?と思ったが、ゆっくりとゆっくり膝立ち状態になった。

それから何かを言うんじゃないかと待つと、消え入りそうな音声で「……ズーー……ザー…………ケテ……」と言った。

よく聞こえず「なんだ?」と問う。

するとカクカク動きながら倒れたロボットを指差し

「…………ザー…………助けて……」

と停止しそうに言い放った。




その時ありえない光景を目にした。

「お前……泣いてるの……か」

ロボットが涙なんか流せる仕組みなんかないはずなのに今、現にロボットの目から伝うものがある。


恐怖?罪悪?何か不思議な感覚が訪れた。

「お前!何なんだょ!?何だよそれ!」

俺には涙も流した記憶なんか無い。

それを命火を燃やし尽くそうかとしているロボットは流している。


ロボットはまたカクカクしい動きで手を胸にあて、

「…………トモダチナンダ」と俺を見つめながら言い目の光を失った。



なぜだろう?その涙を前に胸に何かが閊えた為、本来なら2体のロボットを解体して持ち帰るのだが、3日をかけて解体することなく住居へ運び込んだ。

その日から、涙の理由や胸の閊えた思いに引き寄せられるかのように

ロボットのバッテリーを探し始めた。



毎日の日課の合間に砂漠を歩き回ったが、バッテリーは見つからない。

探索をしない日にはロボットを拭いたり、故障がないように見守った。

そんな日が続くにつれて、ロボットは大切な大切な物になっていった。

動かないのに話し掛けてしまったり、ロボットに名前なんて付けてみたり。

しかし、ロボットは返答なんてよこすはずがなく、虚しさを感じるようになった。



そんな時に

老人以来に訪問者が現れた。

「すみません。食料と水を少しだけ分けては貰えませんか?」

痩せ型のローブを巻いた声から察するに若い女だった。


私は老人の件もあったので一瞬悩んだが、自分でも不思議に感じるほどあっさり承諾し、居住場に通すことにした。

ロボット以来の会話ができるかもしれないし、ロボットを動かす手段を有するかもしれない、という思いなのか胸が騒いだ。

しかし、何から聞いたとこか……。

彼女を屋上へ通す道すがら沈黙が続いた。


そのまま一言も言葉を交えることなく屋上の農園に到着した。


「必要なだけ持っていけ」どう話したら良いのか分からず愛想の無い一言になってしまった。

しかし、彼女は(えっいいの?)という顔をしていた。


「この後どこに行く」

「考えていませんが、どこか住む場所を探しています」

「そうか」



話しを切ると私は畑の端にある椅子に腰を下ろすと「勝手に取れ」と許可をした。

彼女はえらい喜んで収穫したが、遠慮もして少量の野菜だけを収穫しただけだった。



その夜、各々食事を取っていると彼女からとある質問をしてきた。


「そこにあるロボットは何なんですか?綺麗にされてるみたいですが」

「そついは……バッテリーが無くて動かない。でも、いつか動かしてやらなきゃならない大切な物だ」

「バッテリ探してるんですか」

「ああ。ロボットに興味あるのか?」

「いえ。ロボット見てる時なんだか寂しそうな顔だったので」


俺はそんな顔してるのか!と驚いて。

「『サミシイ』『トモダチ』かぁ……」とロボットの言葉を思い返した。

そして、思いがけない言葉を自分の口が発した。


「お前……ここに住むか?」

彼女はポカンとした顔で俺を見ていたが、パッと破顔すると。

「あ……えっ……ここに置いて貰えるんですか?」と疑心を含めて尋ねてきた。

「ああ。しかし、栽培やバッテリー探索に付き合ってもらうぞ」そんな言葉を発しながら、不思議と笑顔になってる気がした。

私はこれからロボットの思いを得るのだろう。

ちょっと足を運んだ方

途中まで読んで下さった方

最後まで読んで下さった方

ありがとうございました。


次々に書きたい物語は浮かぶのですが

あいにく文章にするのが苦手です。

少しずつでも書いていき

着実に進歩していきたいと思ってます。

これからよろしくお願いします。

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