表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/152

No.48 たこ焼き地獄!? 前編


15分経過。


 目の前にはまだまだ沢山のたこ焼きがある。

 俺たちはペースを落とす事無く食べ続ける。


「うまいなぁ! まだまだいけるぜ!」


「ほひひ〜☆(おいしい)」



 しかし、



「う〜……私、もうダメかも……」


「何だ久留美、情けないぞ!」


「アナタたちの胃袋と一緒にしないでちょうだい!」


 久留美、15分でリタイア。


――――――


――――


――


30分経過。


 目の前にはまだまだ減ることを知らないたこ焼きの大群が。


「うまいねぇ〜」


「ほひひ〜☆(おいしい)」


 ペースはまだ落ちていなく順調だ。

 結構いけるもんだな。


 久留美は俺たち二人の食べている様子をじっと見ている。


「よくもまぁそんなに食べられるわね」


「おう!任せろ!」


「ほひひ〜☆(おいしい)」



――――――


――――


――



45分経過。


「ま、まだまだいけるぜ!」


「ほひひ〜☆(おいしい)」



 めの前には次第に量が減り始めているたこ焼きがある。しかし、まだまだ沢山あることには変わり無い。



久留美は相変わらず俺たち二人の食べている様子を観察している。


「見てるこっちが疲れるわね」


 ちょっとキツくなってきたな……。


――――――


――――


――


1時間経過。


「……オエッ」


「ほひひ〜☆(おいしい)」



 たこ焼きはまだある。いったいどんだけあるんだよ!?


 そろそろマジ吐きそうだぜ……。



 俺たちの戦いは更に続く。


――――――


――――


――



「ほひひ〜☆(おいしい)」



「………」


「………」



 俺はリタイアし、桜さんの食べっぷりに呆気にとられていた。

 久留美を見ても俺と同じ様子だった。


「ほひひ〜☆(おいしい)」


「桜さん! さっきから『ほひひ〜』としか言ってないじゃないですか!」


『へ? そうかな? だっておいしいんだモン☆』


 桜さんの挑戦は続く。


――――――


――――


――



「ごちそうさまでした☆」


『ご、ごちそう…さまでした』


 桜さんの掛け声に俺たちが情けない声で続く。


 結局、最後は桜さんの一人舞台であった。なぜ桜さんはあんなにスタイルがいいのか不思議でたまらない。


「あ〜おいしかった♪純也くん、ありがとね☆」


「ええ、どういたしまして……っていうか、俺が居なくても桜さん一人でいけたんじゃないっすか?」


 その言葉を聞いた桜さんは自分の前で手を振り、


「まあまあ、いいじゃない☆ごはんは人が多いほうが楽しいし♪」


「まぁ、そうですけど……」


「じゃ、私食後の睡眠するから☆」


 そう言って桜さんはリビングにある大きめのソファに横になった。


『スー……スー……』


 どうやら、もう寝たようだ。最速のスピードだ。


「あ〜、もう…お姉ちゃんったら、そんなとこで寝たら風ひくよ?」


『……スー……スー』


 久留美が桜さんに話し掛けるが、残念なことに桜さんはもう自分の世界に入っていた。


「もぅ……しょうがないわね」


 そう言って久留美はどこからか毛布を持ってきて桜さんにかけた。

 こうして見ると、どっちが姉なのか全然わからない。むしろ、久留美のほうが姉に見えるんだが……。


「じゃあな久留美、俺も帰って寝るから」


 そう言って帰ろうとしたときだった。


「はぁ……おかたづけしなくちゃ。誰か手伝ってくれないかなぁ?」


 久留美はそう言って俺を見る。要するに俺に手伝えってことか?


 しかし俺は眠いんだ。今にも眠りそうだ。布団があれば桜さんほどまでにはいかないが、ドラ〇もんの、の〇太並みのスピードで寝る自信はある。


「じゃあな」


 俺はその場を立ち去ることにした。


「うん……じゃあね。しっかりと疲れをとるのよ?」


 意外と簡単に帰ることができた。



 しっかりと疲れをとれ……か。  あいつもマネージャーなりに気を使ってんのかな?



………。



………あ〜! くそっ! しょうがねぇな!


 俺はキッチンへと引き返す。そこには一人、皿を洗い始めた久留美の姿が会った。


「しょうがねぇ、そこまでいうなら手伝ってやるよ」


「え? ジュン。戻ったの?」


「タダ飯ってのも悪いからな」


「………そうね、当然ね」



 俺たちは一通りの皿を片付けると、今度はたこ焼きを作る道具の掃除や、生ごみの処理を行なった。



 そしてやっと元どおりの姿に復元した。

 これでやっと眠ることができる。


「よし、おわったぜぇ〜! 俺は寝る。誰が何と言おうと寝る! たとえ神様でも俺の睡眠を妨げることはできない」



――――――


――――


――


************


 またもやお姉ちゃんに続き、ジュンまでもが夢の世界へと旅立ってしまった。


 お姉ちゃんは自分の家だからいいけどジュンは私の家なのよ?

 ジュンには悪いけど起こさないと……。


「ほら、ジュン! 起きて!」


 私はジュンの体を揺らした。首がカクカクして面白い。


『ズー……ズー……ズー』


 あ、だめだわ! 完全に爆睡状態ね。


 私は押し入れからお客さん専用の毛布を取出し、ジュンにそっとかけた。



「今日はしょうがないわよね」


 私は今日の試合のスコアに目を通す。


 薫さんが33得点で一番。アシストも二桁だから、さすがね。

 次は26点で勇希さん。


 そしてその次が16点でジュン。



 ま、退場になっちゃったけど。



「…………クス」



 もう時期関東大会ね。ジュンがレギュラーは厳しいかな?


 私はジュンの方を見る。


「……ズー……ズー……久留美が…」


「え?」


「久留美が悪いんだ……ホウキ持って追い掛け回すから………」



「あのねぇ!? 言っとくけど、あれはジュンがわるいんじゃない!」


「ズー……ズー……ズー」


 寝てる人に怒ってもしょうがないわね。



「ズー……ズー……ズー」



「……ジュン」



 かなり気持ち良さそうに寝ていた。どんな夢を見てるのかしら?




「ありがとう」









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ