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No.11 純也VS亮 前編

3千文字をオーバーしましたのでとりあえずここで切って後半へ続きます。

『ありがとうございました』


練習が終わり部員全員があいさつをする。


亮に聞いたのだがこのバスケ部の顧問はいるにはいるらしいが初心者でバスケのルールも知らないらしい。練習にもあまり来ないらしいし、形だけの顧問といったところだ。

だから木ノ下薫が選手兼監督みたいな形のようだ。


練習が終わったら一年生は面倒臭いことにモップがけやボール磨きなどをしなければならない。


俺はさりげに帰るふりをしたのだが、亮に呼び止められてしかたがなく掃除をすることになった。



「かっ、薫さん!!」


亮が突然叫んだ。


俺は亮が叫んだ方向を見てみると薫がモップがけをしていたのだった。

亮はあわてて薫に駆け寄る。


「またですか薫さん!!掃除は自分がやりますからもうあがってください」


「ん?別にいいって。好きでやってるし」


「しかし……自分達は一年なので僕達が掃除をやります」


「いいって。モップがけは俺の日課になってるしな。体育館に感謝しないとな」


「そうですか……すみません」


「じゃあ、ボール磨きをやってくれるかな?」


「わかりました!」


自分から掃除をするとは、木ノ下薫はなかなかのバカだな。


そして俺と亮と博司はボールがしまってある倉庫に向かう。


「お疲れさん」


優が俺に話し掛けてきた。そういえばコイツ見学してたんだっけ?


「あ、優。先に帰っててくれないか?俺ボールを磨かなければならないらしいからな」


「ん?手伝ってやるよ。暇つぶしに」


「本当か!?ありがとよ」


ん〜……優は女にモテるわけだよな。


お?今度は向こうがわに久留美と純麗さんが一緒に歩いてるぞ?


「お〜い、久留美!」


俺は久留美を呼んでみた。久留美はこっちを向く。



「ボール磨き俺のかわりにやってくれ」


「ふん」

プンといった感じで俺を無視して純麗さんとどこかへ行ってしまった。


「なんだアイツ?まだ怒ってるのか?」


「なんだジュン?また久留美ちゃんになにかしたのか?」


「そんなわけねぇだろ優。なんで怒ってるのかわからねぇ」


「……そうか。まあ、早いとこボール磨き終わらせて帰ろうぜ」


「ああ」


そして俺たちは倉庫へ向かった。


――――――――

 

――――

 

――



「へぇ〜、そうなんだ」


ウドの大木こと博司が関心をしていた。

ここは体育館の倉庫。

現在ここにいるのは四人。

俺、優、亮、そしてウドだ。

今、みんなで亮の話を聞いていたところだ。


「じゃあ亮くんは薫先輩を尊敬してるんだね」


「まあな」


博司と亮が話をしていた。会話の内容は亮が県でナンバー2の黒沢くろさわ高校のスカウトを蹴ってまでこの朱雀高校に来た理由だ。

中学二年のときにたまたま見た朱雀高校の試合で一年生ながらも活躍する木ノ下薫を見てから一緒にバスケをしたいと思うようになったという。


「あんな野郎がそんなに凄いかねぇ……」


俺は亮をからかうように言ってみた。


「おい!薫さんをバカにするなよ?前から気になってたんだが敬語くらい使えよ」


「いやだね!あんな弱ぇヤツに敬語なんて使うはずねえだろ」


「お前よりはるかにつえーよ」


そんな俺と亮の会話に優がはいってくる。


「薫さんに20対0でボロ負けしたくせによく言うぜ」


「なっ、優!それは言うなって!」


コイツ、たまに悪いヤツになるんだよなぁ。


「え!?完封?クスクス」


ほら、亮が調子にのるじゃないの。


「……さっさと磨いて帰るぞ」


それしか言えない自分が情けない。


「クスクス」


「うるせー!いつか倒すっつってるだろうが!」



争いがはじまった。



************



「純也くんと喧嘩したの?」


バスケ部の部室に向かう途中、純麗が久留美にそう話し掛けた。


「え?急にどうしたんですか?」


「だって、さっき無視してたじゃない」


「それわぁ……ジュンが悪いんですよ」


「どうして?」


「久留美は純麗先輩と違って、ガキくさくて、胸が小さいねって言ったんですよ?ひどいですよね」


その言葉を聞き純麗は軽く微笑する。


「クスクス」


「な……おかしいですか!」


「ごめんね、そうじゃないの。ただ純也くんもそこまで悪意があって言ったわけじゃないと思うわよ。今まで純也君がそんな冗談を言ったときはなかったの?」


「そりゃあ、沢山ありますよ!あのときだって………あ!あのときも!」


「そうでしょう。じゃあなぜ今回はそんなに怒っているの?」


そう言って純麗は久留美に微笑む。久留美の心を見透かしているような笑顔だった。


「………それは」


――あれ?私なんで怒ってるんだろう?別にガキくさいとか胸が小さいとかジュンに初めて言われたわけじゃないのに。



「わかりません!!今日は機嫌が悪かったんですよ」


「そう……それじゃあ早く仲直りしてあげてね」


そして純麗と久留美は部室へと入っていった。



************


場所はまたまた体育館。



「よっしゃあ!優、頑張るぜ!」


「ああ」


体育館では試合が行なわれていた。

純也、優チーム対亮、博司チームである。

純也と亮の口喧嘩の末、バスケで勝負することになった。


「ルールは先に10点先取したほうが勝ちだ」


「わかった。やってやろうじゃねぇか」


亮の言葉に純也が答えた。ちなみにオフェンスは純也チームである。


純也がドリブルをする。

それに亮が腰を落としてついていく。


「ジュン!こっちだ!」


純也は中に切り込んで行った優にパスをだした。


シュッ!



バスケ初心者の博司はいとも簡単に抜かれてしまい、優がシュートをきめる。


「おらおらどうした亮」


「うるせぇ!いまに決めてやるよ」


今度は亮チームがオフェンスだ。亮が得意のドリブルをみせる。


「もらった!!」


亮は純也のスティールをうまくかわして抜き去る。


そして亮はシュートをした。



バァン!!



「何!?」


亮のシュートはあらかじめ待ち構えていた優に見事にブロックされてしまった。


「ふ、残念だったな亮。俺は優にブロックさせるためにわざと抜かれたのさ」


「くっ……」


亮は悔しそうな顔をする。


「嘘つけ!そんな作戦なかったぞ」


「ゆ、優……また余計なことを……」


そしてまた純也たちのオフェンス。


純也が右側へ素早くドリブルで移動する。亮も負けじと食らい付く。


ゴン!


「なっ!スクリーン!?」


亮は優のスクリーン(味方がもう一人の味方についているディフェンスの壁となる)によって純也に抜かれてしまった。


そして博司うどが待ち構えているところへドリブルで突っ込む。


「う……うわぁぁ」


ダァァン!


純也はうまく博司をかわしてダンクをきめる。


「どうした亮。4対0だぜ?」


その後の亮の攻撃もミドルシュートを放つが失敗に終わる。

そしてまた純也たちのオフェンス。



シュッ!


パスッ!


優の放ったスリーポイントが綺麗にリングへ吸い込まれる。


「相変わらず綺麗なサウスポー(左利きシュート)だな。お前、実はバスケやってるだろ?」


純也が優に問い掛ける。


「まあな、バンドメンバーで気分転換にちょくちょくな」


「ストバスにも来いよな」


「そのうちな」


これで7対0となった。


はやり初心者同然の博司がいるぶん、亮は不利だろう。


「タイム!作戦タイム」


亮はたまらずに作戦タイムをとった。

純也たちから遠く離れ、亮と博司は会議をしていた。


そしてしばらくすると戻ってきた。


「さあ、またせて悪かったな」


亮が言った。その顔にはどこか笑みが浮かべられている。


「へっ、話し合いをしたところで何もかわりゃあしねぇよ」



亮たちのオフェンスが始まった。



亮と純也がお互いに睨み合う。



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