行方不明者確保
フィロンは少し困っていた。蛇なので表情には出ないが、眉があれば今頃は困ったように下がっていただろう。
この姿に生を享けて数百年。どうやら自分は、自分自身の種族についてほとんど何も知らなかったらしい。
白い鱗に赤い瞳。長く生きるうちに随分と身体が大きくなったことは承知していたが、それ以外に知っていることといえば、寒くなると動きが鈍くなるとか、鼠という生き物ならだいたい全て丸呑みにできるとか、そういった蛇として暮らすうえで必要なことばかりだった。
同族に出会わなかったわけではない。しかし、彼らとの会話はなかなか成立しなかった。こちらが「こんにちは」と声をかけようとしている間に、向こうから聞こえてくるのは「殺すぞ」「なんだお前」「やんのか」「殺すぞ」といった物騒な言葉ばかり。蛇というのは随分と喧嘩っ早い生き物らしい。
殺さないよ。やらないよ。そう思いながら道を譲り、なるべく関わらずに暮らしてきた。
フィロンは元来、穏やかな性質の男だったので、人間だった頃を含めても、誰かを殴ってやりたいと思ったことなど滅多にない。例外は、かつてクラウディアを揶揄した人間の話を聞いた時くらいだろうか。あれは今思い出しても、個人を特定次第強めに攻撃したくなる。まあ、相手もとうに死んでいるだろうが。
そんなふうに平和に隠れ暮らしながら、時折人間の様子を眺め、食事をし、夜空を見上げて故郷を想い、花を見つめてクラウディアを想い、季節の移ろいに詩を紡いで過ごしていた。誰かと争わずとも、暮らしの中にはそれなりに楽しみが見つかるものだ。そうしてさらに長い年月を重ね、身体もいっそう大きくなってくると、同族の反応が変わりはじめた。
以前なら「殺すぞ殺すぞ」と威嚇しながら近寄ってきたものが、こちらの姿を見るなり「キャアアアアア!」と叫んで逃げていくのである。
ひどい時には、逃げようとして自分の胴を踏み、絡まって転ぶ蛇までいた。そこまで慌てなくてもいいのに、と気の毒に思いながら見送っていたものだが、今になって考えると、向こうには向こうの事情があったらしい。
何しろ、フィロンの種族は相当危険な魔獣なのだそうだ。先ほど教えられた固有魔法についても、何百年も生きてきて使った覚えは一度もない。使おうと考えたことすらなかったのだから仕方がないが、随分と持ち腐れてしまったようである。
まあ、使わずに済んだのなら、それに越したことはない。何しろ、使えば相手が動けなくなるという。そんな魔法を使う機会など、フィロンの暮らしにはなかった。
そういえば昔、後ろ脚を痛めた兎を見つけたことがある。腹もすいていなかったので、捕食者から見えない場所へ運んでやろうとしたのだが、近寄った途端に失神されてしまった。あれも魔法だったのだろうか。
いや、触れる前から気絶していたのだから、単に怖かっただけかもしれない。結局、傷めた脚へ負担をかけずに運ぶ方法を考えているうちに、目を覚ました本人が必死に逃げていった。足は大丈夫だったのだろうか。今でもたまに思い出す。
さて、そのような危険極まりない魔獣が、現在は怪我をした子供へ巻きついている。
何も知らない人間が見れば警戒するのも当然だろう。実際、目の前にいる人間たちは、先ほどから誰一人として近づこうとしない。フィロンはひとまず、自分がレオンハルトを食べるつもりはないと伝えることにした。一応今の主食は鼠類なので、今のところ一度も人間を見て「美味しそう」だと思ったことはない。安心材料になるかはわからないので、これは言わないでおく。
「君たちが探している医師というのは、おそらく私のことだろう。彼は左脚を骨折している可能性が高いが、今のところ命に関わるような状態ではないよ。添え木も当ててある。だから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
そう言って、レオンハルトへ回していた胴をゆっくり解いた。少年は先ほどからこちらへ身を預けているので、急に離れれば姿勢を崩すかもしれない。身体を支えていた部分だけは最後まで残し、背中を岩へ預けさせてから少し離れると、向こうの男たちが揃って息を吐いた。
随分と長く息を止めていたらしい。そんなに緊張していては身体に悪い。特に雪山では呼吸を整えることも大切なのだから、もう少し楽にしてほしいところだった。
それまで一団の先頭に立っていた大柄な男が、真っ先に動いた。ゲルハルトと呼ばれていた神官である。フィロンへ一礼してからレオンハルトの前に膝をつき、少年の顔を確かめるように覗き込む。その後ろから護衛たちも近づいてきたが、こちらはまだフィロンの様子を窺いながら、おっかなびっくりといった具合だった。
「ゲルハルトさん……」
「話は後です。まずは身体を温めましょう。脚は動かさず、そのままにしていなさい」
ゲルハルトは自分の外套を外して少年の肩へ掛け、後ろにいた者へ担架の準備を命じた。厳しい顔つきをした男で、目元には疲労が滲んでいる。レオンハルトの肩へ触れた手がほんの少し止まったものの、何も言わずに外套の前を合わせてやっていた。
護衛たちはようやく動き出し、担架を広げる者、毛布を取り出す者と、それぞれの仕事に取りかかった。フィロンとしても、これで一安心である。
「……貴方がフィロン殿、ですか。先ほどお会いした神獣様から、こちらに医師がいらっしゃると伺っていましたが……」
救護の邪魔にならないところから声をかけてきたのは、ブラムウェルという学者風の男だった。フィロンが頷くと、彼は改めて白い胴から頭の先までを眺め、何とも複雑そうな顔をした。なるほど、ガウーワはきちんと伝えてくれていたようだ。医師と聞けば人間を想像するだろうから、驚かせてしまったのは仕方がない。
「そうだよ。今は手がないからね、添え木を当てたのはレオンハルト本人だ。なかなか上手にできている。痛かっただろうに、よく頑張ったね」
「俺、もう二度と自分で添え木なんかしたくない……」
「それがいい。骨折は何度も経験するようなものではないからね。私も昔は随分と診たものだが、あれは治るまでが長くて、患者も苦労していたよ。付き添う家族も気が休まらないしね。君も帰ったら、きちんと安静にしているんだよ」
レオンハルトが何ともいえない顔をした。今の話のどこかに引っかかるところがあったらしいが、聞き返す元気も残っていないのだろう。ゲルハルトが少年の肩へ毛布をもう一枚掛けたところで、フィロンも口を閉じた。
そうしているうちに、一団の後方から女性が進み出てきた。
先ほどから見覚えのある法衣を着ていると思っていた神官である。若い女性で、雪山を歩いてきたせいか頬が赤い。それでも背筋を伸ばし、フィロンへ向かって丁寧に頭を下げた。なかなか礼儀正しい人のようだ。
「フィロン様。レオンハルト様をお守りくださり、本当にありがとうございます。私はアルディナ大神殿の神官、アリアと申します。お寒い中、この子のそばについていてくださったこと、心より感謝いたします」
「いや、気にしなくていいよ。怪我人を見つけたなら手当てをするのが医者というものだろう。お礼なら、彼を早く暖かいところへ連れていってあげてほしい。随分と冷えただろうからね」
「はい! もちろんです! それで、あの……失礼を承知で、もうひとつお尋ねしてもよろしいでしょうか」
アリアは一度言葉を切り、改めてフィロンを見つめた。赤い瞳と白い鱗を、今度は随分と熱心に観察している。その目つきにはどこか見覚えがあった。古い祭具や聖遺物を前にした神官が、こんな顔をしていたように思う。
「フィロン様は、もしかすると神獣様でいらっしゃるのでしょうか?」
「さあ、どうだろうね。神獣というのは、君たち人間がつけた呼び名だろう? どこからどこまでをそう呼ぶのか、私にはよく分からないな。そう思いたければそう思ってくれて構わないし、違うと考えてもいい。少なくとも私には君たちと敵対する意思はないから、そこは気にしなくていいよ」
フィロンとしては、それで十分な回答のつもりだった。ところが、向こうでは何やら騒ぎが始まってしまった。後ろにいた神官の一人が胸元へ手を当て、隣の男と小声で言葉を交わしている。別の者は何かを確かめるようにブラムウェルへ視線を向け、当のブラムウェルは額に手を当てていた。頭でも痛むのだろうか。
「白虎だけでなく、白影大蛇まで……? 神獣様が同じ山に二柱もおいでになるなど、聖典に記録があったか?」
「いや、そもそも神獣様が医師をなさっているというのは……」
「待て。神獣だと断言されたわけではないだろう。しかし、否定もなさらなかったぞ。白影大蛇が人を助けた記録なんてあるのか?」
「少なくとも、私が読んだ文献には一度も……」
あるのかもしれないし、ないのかもしれない。フィロンは彼らの会話を聞きながら、そんなことを考えた。
この姿になって長く生きた分、人間を陰ながら助けた覚えも何度かあるが、わざわざ人前へ出て善行を披露する趣味はない。そういえば以前、鼠を捕まえていたら巣穴から小鳥が転がり落ちてきたので、咥えて戻してやったこともあった。あれを数えてもよいのなら、さらに実績が増えることになる。相手が人間ではないから駄目だろうか。
それにしても、神獣とはなかなか難しい立場らしい。
ガウーワは前世では成人した人間の女性だったそうだが、今では考え方も随分と虎に寄っているようで、母親に呼ばれればさっさと帰っていく。さっさと帰らないと迎えに来るという理屈もあるが、それにしても幼獣寄りの思考が強い。元々の性格かもしれないが……。
彼女は人間たちから恭しく扱われても、本人はあまり気にしないだろう。神獣と呼ばれようが何だろうが、今は虎として暮らしているのだから「えっへん、我こそは神獣様ぞ」と一度ふざけたあとは「神獣ってなにするの? わかんない。私はただ可愛いだけのもふもふ赤ちゃん……」と開き直りそうだ。
今後もこうして訪ねてくる人間が増えるのなら、さぞ煩わしいことだろう。ガウーワなら相手がどれほど偉い人間でも、面倒になれば適当なところで帰ってしまいそうだが、それはそれで賢明な付き合い方かもしれない。フィロンも、いずれ誰かに訪ねてこられることがあれば見習うとしよう。
そんなことを考えていると、すぐ横にいたレオンハルトが胴を指先でそっとつついた。顔を向けると、少年は毛布の中から少し身を乗り出して声を潜める。向こうの大人たちはまだ神獣の定義について議論しており、護衛たちは担架の上へ敷く毛布や、脚を固定するための道具を整えているところだった。
「フィロン。あのさ、俺も神獣って言った方がいい……? なんか、黙ってるのも後ろめたいんだけど。ガウーワもフィロンもそうなら、俺だけ隠してるのって、あんまりよくないのかな……」
「ややこしくなるからやめておこう。なんでもかんでも正直に話すことが美徳とは限らないからね。そうだ、昔、ミダスという王がいてね。彼は神々の音楽を聴き比べて、アポロンよりもパンの演奏が好きだと答えたんだ。すると怒ったアポロンに耳を驢馬の耳へ変えられてしまった。ひどい話だろう? 自分の好みを正直に言っただけなのにね。ところが、この話には続きがあって……」
「……続かないで……」
「王は耳を隠して暮らしていたんだが、髪を切る男にだけは知られてしまった。この男は王から口止めされていたものの、どうしても秘密を抱えきれずに地面へ穴を掘り、そこへ向かって喋ってしまうんだよ。すると、そこから葦が生えてね。風が吹くたびに『王様の耳は驢馬の耳』と囁くようになったんだ。これがまた不思議なもので、普通の葦というのは風が吹いても人の言葉なんか話さないだろう? しかし、この話では……」
「長い……話が……!」
レオンハルトが両耳を押さえて小さく叫んだ。どうやらこれ以上は聞きたくないらしい。ここからが面白いところなのに、勿体ないことだ。そもそもミダス王には、触れるものすべてを黄金に変えてしまうという有名な逸話もある。あちらも軽率な願いによってひどい目に遭う話なので、今回の教訓にはうってつけだろう。何ならそちらから話してもよかったのだが、神々の音楽の方が子供には親しみやすいと思ったのだ。
次の機会には黄金の話をしてあげよう。なかなか面白い話なのだから、きっと喜んでくれるに違いない。
フィロンがそう心に決めたところで、向こうから大きな声が飛んできた。
「レオン!? 頭を打ったのか!?」
オスカーだった。担架の準備を手伝っていた彼は、レオンハルトが頭を抱えたのを見て、とうとう我慢できなくなったらしい。先ほどまでゲルハルトの指示に従っていたのに、今度こそ雪を蹴って走り出した。
「レオン! しっかりしろ! 頭が痛むのか!? どこを打った! 今そっちへ……」
ところが、こちらへ駆け出した途端、背後から伸びた大きな手が法衣の襟首をむんずと掴んだ。ちょうど担架の具合を確かめていたゲルハルトだ。
ぐいと後ろへ引かれたオスカーは、勢いを殺しきれずに足をもつれさせた。何事かと振り向くより早く腰へ腕を回され、ひょいと雪の上から持ち上げられてしまう。宙に浮いた両足が慌ただしく動き、何やら抗議の声が上がったものの、ゲルハルトは構わず身体をひねった。
次の瞬間、オスカーが飛んだ。
法衣の裾をばさばさとはためかせ、雪の積もった斜面の向こうまで、見事な放物線を描いて飛んでいったのである。やがて雪溜まりへ背中から突っ込むと、ぼふん、と景気のいい音がして大量の粉雪が噴き上がった。そのまま勢い余ってごろごろと転がり、ようやく止まった頃には、周囲の木々からも振動で雪が落ちてきていた。近くにいた護衛などは頭から雪を被り、盛大に咳き込みながら顔を拭っている。
当のゲルハルトはといえば、甥を放り投げた手を何事もなかったように下ろしただけで、息ひとつ乱していなかった。
なかなか見事な投げっぷりだった。フィロンも前世では拳闘や組み討ちを嗜み程度に習得していたが、あの男と組み合えばひとたまりもあるまい。あれほど軽々と人間を放り投げるとは、随分と鍛えているらしい。
軍神マルスに仕えるサリイという神官たちも、盾を打ち鳴らしながら勇壮な舞を披露していたものだ。武具を身につけているだけでも物々しかったが、さすがに人間をあんな勢いで投げ飛ばす神官にはお目にかかったことがない。この世界の聖職者はなかなか逞しいようだ。まあ、あそこまで遠くへ飛ばす必要があったのかは少々疑問だが。
雪煙の向こうから、オスカーらしい呻き声が聞こえてきた。ひとまず無事のようだが、頭を打っていなければいい。医者としては、あまり患者を増やしてほしくないところだった。
「ゲルハルトさん!?」
レオンハルトが目を丸くしている。ゲルハルトはオスカーが消えた雪溜まりへ一度だけ目を向け、それから何事もなかったように少年のそばへ戻ってきた。どうやら投げた本人には、心配するようなことでもないらしい。
「レオンハルト。勝手に動いてはなりません。脚を折っていると聞きました。頭も痛むのですか? 他に具合の悪いところは? 私には隠さずに話しなさい」
「ち、違う! 頭は痛くないよ! フィロンの話がちょっと長くて、それで……あの、オスカーさん、大丈夫なの? あんなに飛んでったけど……」
「オスカーなら問題ありません。あれくらいの受け身も取れないようでは、ルーヴェルの神官は務まりませんから。それよりも貴方です。無事でよかった。……本当に、よかった」
最後の声だけ、少し掠れていた。
フィロンはその顔を見て、ふと人間だった頃を思い出した。長く熱を出していた子供が快復すると、親たちは大抵こんな顔をしていたものだ。ゲルハルトも今は、先ほどまでの厳しい顔つきが嘘のように優しくなっている。
レオンハルトも何かを感じ取ったらしく、口をへの字に曲げた。先ほどまで迎えを待ち望んでいたのに、いざ顔を合わせると俯いてしまう。叱られる覚悟は出来ていたのだろうが、こういう言葉を向けられるとかえって困ってしまうのかもしれない。少年はしばらく雪を見つめてから、小さな声で謝った。
ゲルハルトは何も言わず、毛布の端から出ていた少年の手を包み込んだ。随分と大きな手で、レオンハルトの指先などすっぽり隠れてしまう。フィロンはその様子を眺めながら、やはり迎えが来てよかったと思った。
その間に、雪煙の向こうではオスカーがようやく身体を起こしていた。頭から肩まで真っ白になっており、口を開くたびに雪が落ちている。何か言い返そうとしたようだが、ゲルハルトが一度そちらを見ると黙った。どうやらこの二人の間では、あれで十分に意思疎通ができるらしい。
それにしても、あの距離を投げられて自力で起き上がれるとは、投げられた方もなかなか丈夫である。フィロンが感心しているうちに、オスカーは雪を払いながらこちらへ戻ってきた。今度は走らず、ひどく不満そうな顔で歩いている。近くにいた護衛が担架の端を持つよう促すと、何やらぶつぶつ言いながらも素直に従っていた。
やがて運搬の支度が整うと、ゲルハルトはレオンハルトへ声をかけ、護衛たちと一緒に慎重に身体を持ち上げた。添え木を当てた脚が動かないよう注意しながら担架へ移し、毛布を掛け直す。少年が少し顔をしかめたものの、フィロンが様子を尋ねると、痛みはあるが我慢できると答えた。
そうして人間たちの無事を確かめているうちに、もう一つ気になるものを見つけた。
先ほど礼儀正しく挨拶してくれたアリアが、何故か首の後ろを掴まれているのである。
掴んでいるのはブラムウェルだった。神官の法衣の襟をしっかり握り、本人の背後に立っている。アリアは身体をこちらへ向けたまま、何とも不満そうな顔で彼を見上げていた。どうやらオスカーが投げ飛ばされたのを見て、何か思うところがあったらしい。
「あの、私は行きませんよ? ちゃんと衝動は抑えようと努力しておりますし、先ほどだって普通にご挨拶をしただけです。フィロン様のお許しもいただかずに近づいたりはしませんから、そろそろ離していただけませんか……?」
「行動を起こしてから慌てても遅いので、何事にも警戒が必要ですからね。念には念を入れておこうかと」
「警戒されている……」
アリアはひどくショックを受けた顔をした。
フィロンは二人を見比べた。先ほどは実に礼儀正しかったし、質問する時にもきちんと断りを入れていた。そんな彼女が何をしようとしていたのかは分からないが、ブラムウェルの手つきを見る限り、相当用心されているらしい。
まあ、あの男はフィロンのことも相当警戒していたのだから、元来慎重な性質なのかもしれない。大きな蛇にも、若い女性にも油断しない。研究者というのは、なかなか気苦労の多い仕事のようだった。




