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25話 バトルフェス1

 そうして日曜日も終わり、学校のある平日の日は新しいエリアの解放には行かずに『深界の大森林エルフェリンデ・浅層』でスキルのレベル上げや素材集めをして過ごしていました。


 ➖➖➖➖➖

 名前 レア

 種族 狼人族

 性別 女

 スキル

【双銃Lv5】【鑑定Lv28】【錬金Lv21】【採取士Lv1】【気配感知Lv4】【隠密Lv4】【鷹の目Lv4】【ATK上昇+Lv4】【AGI上昇+Lv4】【DEX上昇+Lv4】【体術Lv31】【気配希釈Lv4】【採掘Lv17】【INT上昇+Lv2】【直感Lv25】【跳躍Lv14】【夜目Lv17】【言語学Lv21】【魔力操作Lv21】【魔力察知Lv16】【魔力隠蔽Lv13】【MP上昇Lv10】【HP自動回復Lv10】【MP自動回復Lv10】

 ユニークスキル

時空の姫(クロノス・プリンセス)

 所持SP 26

 称号

 〈東の森のボスを倒し者〉

 〈時空神の加護〉

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 最終的にこんなステータスになりました。【採取】は進化させて【採取士】に、そして【INT上昇】は【INT上昇+】になりましたし、それ以外のスキルも結構成長しました!【双銃】のレベルが五になったことで新しく〈クイックリロード〉の武技を覚えたのですが、これは一瞬でリロードを済ませるという技なので、私には不要な武技でした。


 それと【錬金】のレベルも二十まで上がったことで〈分解〉のアーツを覚えました。これは物などのアイテムを素材に戻すことが出来るようです。まあ、使うと言えば使う…?といったアーツですね。

 他にも【体術】スキルには進化がないようで、三十を超えています。これはこのまま育てていきましょうか。


 そして今日は土曜日のお昼の十一時。ついに初公式イベントの日がやってきました!


 ご飯もお手洗いも先に全て済ましてきましたし、この日のためにポーションなどもいくつか用意してきました。第二の街の東の大森林で手に入れた上薬草や上魔草などで、下級ポーションや下級MPポーションを作ったのです。下級ポーションは前にも使った初級ポーションよりも回復量が上がっているので、これからは使うとしたらそちらになるとは思います。


 それと前にアリさんからもらった黒宝石をソロさんに見せてみると、なんとソロさんが魔法でペンダントに変えてくれたのです。目の前で変わっていくのは、見てて面白かったです!


 その新しい装備は、今まで装備していた革のベルトと交換して装備してます。性能が段違いなので。ちなみに装備の詳細はこんな感じです。


 ➖➖➖➖➖

 純黒のペンダント ランク C レア度 良品(アンコモン)

 INT+15

 MND+15

 耐久度 100%


 ・魔力吸収 攻撃を与えた対象のMPを奪えるようになる。


 黒宝石を軸に魔力で作られたペンダント。装備している者に魔力の恩恵を与える。

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 ユニークスキルでよくMPを使うので、これで敵から奪うことも出来るようになりました。黒いチェーンに金で縁取られた黒い宝石はとてもオシャレで、気に入りました!

 そうしてイベントに参加する段階での最終的な装備はこうなりました。


 ➖➖➖➖➖

 装備欄

 右手 時銃クロノス

 左手 空銃クロノス

 頭  なし

 胴  漆黒のゴスロリワンピース

 手  なし

 脚  漆黒のゴスロリソックス

 足  漆黒のゴスロリブーツ

 アクセ1 時空の瞳(リ・ラウムツァイト)

 アクセ2 刻環の指輪

 アクセ3 純黒のペンダント

 アクセ4 漆黒のクローク

 ➖➖➖➖➖


 他のゴスロリ装備も、前に手に入れていた蜘蛛の糸などで名前に特殊効果、見た目にも変化はないですが、強化されています!これでもうやり残したことはないので、早速兄様とクオンたちと合流して向かうとしましょう!


 そして第二の街の広場で二人とそのパーティメンバーの皆さんと合流し、そのまま待機します。


 皆さんもこの短期間で装備はそこまで変わっていないようで、見た目の違いは殆どありませんでした。


 それとこのイベントでは、初期の街ファスト、第二の街セクド、職人都市ラフタルのいずれかの広場にある転移ポイントから向かえる特殊なエリアで行うようです。なので、私たちは第二の街の広場で待機しているのです。それに、私たち以外にもここの広場で待っているプレイヤーたちも見受けられます。

 そしてクラフターフェスに関してはバトルフェスが終わった後に始まるようなので、見学に行きたいプレイヤーも問題ありません。私もレーナさんの作品などは見に行きたいので、これはありがたいですね。


『ただいまより、公式イベント『バトルフェス』および『クラフターフェス』を開始いたします』


 そうして待機していると、そんなシステムアナウンスの声が聞こえてきました。広場にいた私たちプレイヤーはその声を合図に、転移ポイントからイベントエリアに向かいます。私もそれに続いて転移ポイントの噴水からイベントエリアに転移をします。するとすぐに光って視界が真っ白になります。




 視界が戻ったので瞼を開けると、そこはもうイベントエリアでした。見た目は灰色の石のようなもので出来た闘技場のようで、私たちはその入り口付近にいるようです。


「まさしく、闘技場って感じの見た目ですね〜…」

「まあ、そういうイベントだしな」


 私とクオンはそう話しながらその建物内を見渡しています。おっと、転移場所は被らないとはいえ邪魔になりますし、早めに移動しておきましょう。


 そのまま私たちは受付カウンターに向かいます。受付は三ヶ所もあるみたいなので、そこまで待たずに済まされそうです。


「次の方、どうぞ」


 そして並んで待っていると、私たちの番がきました。


「バトルフェスの参加をしたいのだが」

「かしこまりました、参加ですね。ではこちらを引いてください」


 兄様が代表として受付嬢さんに言います。受付嬢さんはそれに対し、無数の紙らしきものが入った箱を取り出して、引いてくださいと言ってきました。


 なので参加する者だけが素直に引きます。私の引いたその紙にはBグループと書いてありました。もしかして、これで予選のグループ分けをしているのですかね?


「兄様たちはどこになりましたか?」

「俺はFだ」

「Eだったぜ!」


 私が聞くと、兄様とセントさんはそう答えてくれます。他の三人は参加しないので引いてはいません。


「俺はAだったな」


 こちらはクオンのみの参加のようで、クオンだけがそう返してきました。そして皆さんに、私はBでした、と答えます。見事にバラバラですね。


「参加する方々はこちらから中へどうぞ。予選ではそれぞれ別のフィールドに飛ばされますので、それぞれの転移ポイントから待機室へ向かってください。それと観戦希望の場合は、同じく転移ポイントからいける観戦エリアでモニターに映った映像や、イベントエリア全域で開ける個人のメニューから見ることが出来ます。そして転移ポイントはあちらになります」


 皆のグループの確認をしていると、受付嬢さんはそう言って向こうにある通路へ手を伸ばします。


「わかりました」

「では、ご武運を。次の方、どうぞ」


 受付嬢さんはそのまま次のプレイヤーへの説明に戻ります。では、早速行きますか!


 私たちは受付嬢さんに言われた道をテクテクと歩いていきます。その道中では、たくさんのプレイヤーが私を走って追い越していきます。そんなに急いでも変わらないと思うのですけど…


「じゃあ、俺たちは違うグループだから、ここで一度お別れだな」

「ですね。では、行ってきます!」

「レアちゃんもゼロも頑張ってねー!」

「ファイトだよー!レアちゃん!」

「クオンも負けないでね!」


 マーシャさんとサレナさん、メアさんたち女性陣のそんな言葉を聞きながら、私たちは先程の紙に書いてあったグループごとの待機室へと転移していきます。


 転移したので周りを確認すると、中で待機しているプレイヤーはまだそこまでいなさそうでした。今いるプレイヤーたちの見た目は、全身鉄製の鎧を着た者や魔法使いらしきローブを着た者、シーフのような軽装備の者など、実に多種多様です。


 それと、私のような女性はそこまでいないようなので、結構目立っていますね。


 周りを観察しつつも、私は最初に始まっているAグループの観戦をします。

 確かAグループにはクオンがいましたね。クオンは……っと、見つけました。クオンはユニークスキルを獲得はしていないと聞いていましたが、それでも襲ってくるプレイヤーたちを堅実な動きで次々と倒していきます。そしてそんなクオン以外にも目につくプレイヤーがいました。その人は赤髪の猫獣人で、装備した爪を使って狂戦士の如き動きでプレイヤーたちをどんどん倒していきます。


 あ、クオンも目をつけられました。クオンが襲われると思ったそのタイミングで、クオンとその女性以外のプレイヤーがいなくなったからか予選が終了しました。


 というか、あの女性、確か何処かで会った気がしますね?んー……あ、思い出しました。確か、鍛冶屋のプレイヤーのお店に行った時に少し話した人ですね。あの人、こんなに強かったのですね…


 本戦に出場したプレイヤーの名前が出てたので見ると、クオンとソフィアと書いてありました。クオンは無事に予選を突破出来たようです。では、私もいけるよう頑張りますか!


 そんな風に動画で観戦をしてしていると、続々とプレイヤーたちが入ってきます。Aグループも終わったので、そろそろですね。そうして少し待っていると、予選の開始時間なのかシステムアナウンスが聞こえてきました。どうやら、このままここにいるプレイヤーたちが一気にバトルフィールドに転移させられるようなので、そのまま待っていれば良いそうです。


 そしてバトルフェスに参加しているプレイヤーはシステムによると八百八十二人のようで、全グループが百人より少し多めの数になっているようです。生産系のプレイヤーもいるとはいえ、全プレイヤーは二千人もいるのに思ったよりも少ないようですね。


『これからBグループの予選を開始します。本選出場者はBグループの百十人から二名までです。戦闘不能か場外に落ちることで失格となります。ではあと一分で開始です』


 参加するプレイヤーが多かったからか、少し増えていましたね。システムアナウンスの声を聞いてそんなことを思っていると、そのまま転移が起こります。そして気がつけば、もうバトルフィールドにいました。バトルフィールドは広い土で出来た平らな地面で、周囲より少しだけ高めの位置にあるようです。これを見るに、このフィールドから落ちたら失格となるようです。


 どうやら、あと残り一分で始まるようなので、私は簡単に装備の確認を済ませます。


 確認が済んだので次に武器を取り出し、常にマントのように羽織っていた漆黒のクロークのフードを深く被って全身を隠すようにし、いつでも動けるように準備します。


『Bグループの予選を開始いたします』


 そんなシステムの開始の合図とともにプレイヤーたちが動き出したのを確認しながら、【気配希釈】スキルを意識して発動して隠れます。


 すると、他のプレイヤーは私に気づかずに皆で争い始めます。


「数がある程度減るまでは、このまま隠れていますか」


 私と同じことを思っていたのか、数名の隠れているプレイヤーを【気配感知】と【魔力察知】で発見します。【気配隠蔽】はともかく、魔力を隠す【魔力隠蔽】スキルはあまり知られていないからか取っているプレイヤーは殆どいないようで、気配ではわからなくとも魔力で簡単に見つけられます。私はそんなプレイヤーたちの背後にこっそりと回り込み、頭部へと銃弾を撃ち抜き、ポリゴンへと変えていきます。


 そうしてちまちまと倒していると、私のすぐ横をプレイヤーが飛んでいきました。驚いてそちらに視線を向けると、とんでもない光景が広がっていました。


「うわぁ…」


 それは、手当たり次第に暴れている、無数の人形たちの魔法や武器で、プレイヤーたちが枯れ葉の如く吹き飛ばされて失格となっていっている光景でした。


「ふっふっふ、人形さんたち、行進なのです!」


 そう言って無数の人形を短杖を振って操っている女の子のプレイヤーが、周りにいた殆どのプレイヤーたちを薙ぎ倒していきます。その女の子は肩まである漆のように黒い髪にくりくりとした同じく黒い瞳で、白色のワンピースを着ている身長150cm前半くらいの人間の見た目をしています。


「可愛い見た目をしてますが、やっていることがえげつないですね…」


 まさに、数の暴力を表したような光景です。


『Bグループの予選が終了します。プレイヤー名レア、プレイヤー名アリスの本戦出場が決定しました』


 そうして観察をしていると、私とその女の子のプレイヤー以外はいなくなっていたようで、そんなシステムアナウンスの声が聞こえてきました。私はもう試合も終わったので、フードを上げてクロークを開きます。


「あなたも予選を突破したのですね!」


 私が見た目を整えていると、先程の黒髪の女の子が話しかけてきました。


「はい。そういうあなたも、今の試合凄かったですね」

「ふふん、ありがとうなのです!」

「今のはもしかしてユニークスキルですか?」

「なのです!詳細は言えませんが、なかなか強いので助かっているのです!」


 私たちが会話をしていると、転移の光が足元に現れました。もう時間のようですね。


「私はレアと申します。もし本戦で出会ったら、勝たせてもらいますね」


 私がそう言うと、その女の子はキョトンとした後、ニッコリ笑って答えてくれました。


「私はアリスというのです!ではまた本戦で!」


 そして転移が完了し、最初にイベントエリアに入ってきた辺りに転移しました。


「っと、クオンたちは……観戦エリアですね」


 届いていたフレンドメッセージを確認すると、そこにいると書いてありました。私は転移ポイントまで移動して、観戦エリアに向かいます。


「レアちゃん、本戦出場おめでとう!」

「レアちゃんも行けたんだね!」

「おめでとう、レアちゃん!」


 転移を完了するやいなや、マーシャさんとサレナさん、メアさんが駆け寄ってきて祝いの言葉を送ってくれました。女性陣たちはこの少しの間だけでも、もう仲良くなっているようですね。


「ありがとうございます。まあ予選では隠れていただけですけどね」


 私は苦笑しつつ答えます。


「それでも、です。百人近くもいるのに隠れるだけでも凄いのですよ!」

「そうだな、参加してない身からすると、それだけ凄いことなんだぜ」


 珍しくライトさんが興奮して、そう声を上げます。そしてそれに同意するかのように、ヴァンさんも続けます。


「レアも勝てたんだな」


 クオンもそう手を上げながら、こちらへ声をかけてきました。


「クオン!見てましたよ、クオンも本戦にいけたのですね!」

「ああ。けど、レアと同じグループにいたあの人形遣いのようなユニークスキル持ちには勝てるビジョンがまったく見られないがな」


 少し自嘲気味に答えるクオン。確かに、あれは倒すのが大変そうでしたね……もし私が戦うのなら、私のユニークスキルでは自身の速度を上げて一気に倒す、という方法でしか勝てなさそうです。


「次の試合が始まるようだぞ」


 そんな風に話していると、ジンさんのその言葉に皆モニターへ注目します。


 Cグループの予選が始まったと思ったら、急に白い霧がバトルフィールド内を包み込みます。その霧は魔法や武技などでも消すことが出来ないようで、どんどんプレイヤーたちが倒されてされていきます。しかもその霧を起こしたらしいプレイヤーは、殆ど姿を見せずに手に持つ短剣でプレイヤーたちの喉を切り裂いていってるようです。


 なぜわかるのかというと、モニターにはフィールド全域を写すカメラだけではなく、プレイヤーを追いかけるカメラのようなものもあるので、少しだけならわかるというわけです。


「これは……ヤバそうだな」

「まさしく暗殺者といった感じですね」


 クオンの思わずと言った言葉に、私もそう続けます。こちらのプレイヤーも先程の黒髪の女の子と同じく、ユニークスキル持ちな気がしますね。


 そう思考しているうちに、殆どのプレイヤーたちがいなくなっていました。霧が晴れてバトルフィールドが見えてくると、そこには黒いボロ切れのようなものを羽織り白い仮面を着け、灰色の髪をした人間の男性と、赤い宝石のついた杖を持ったローブ姿の狐獣人の女性が立っていました。

 本戦に上がったプレイヤーの名前は、シアとジェーンですか。

 こちらも、相手にするとなかなか苦戦しそうですね。

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