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「母さん私コンプレックスがある」
「何うちやめたの?」
「違うたまに出るのは良いの、何か真剣って感じが伝わるじゃない」
「コンプレックス知ってるの?」
「しらいでかー」
「いやほんとあなたの年なら難しい言葉だよ」
「ああ確かに檸檬から聞いた。あいつ何者だ」
「私も同年代にそうみられたんだな」
「二人で似てるアピール、それだコンプレックス」
「ごめんごめん、でも認めてよ、似てるから好き好き贔屓は絶対しないから。しかも本心から大好きだよ?違うの嫌?」
「事あるごとにおばあちゃんにはものすごく似てると言うのに、自分は檸檬ばっかり似てると言うから。ただこの家族誰でもそう思ってるよね」
「うん気を遣うのは使うけど、嘘は言えないよ。でどうだった?」
「ブーブーでした、あの歳のおばあちゃんの演技はさすがに出来ないよ」
「あ確かに、げごり押し出来ない…」
「一部何とかなりそうだったよ」
「使いにくい子ね…」
「酷いよ母さん」
「うーん、あなたが大人の世界に口出すからだよ。試してあげる。その一部とそれ以外もおばあちゃん以外も演じてみて」
母さんの反応は一目瞭然だった。
「いじめだー」
「あのね、もし現場でそれやったらごり押しで2度と使ってもらえないよ。まあ分かってたけど落差が酷いね、言うだけあって一部は光ってるわね。あなた端的に言うと不器用なのね」
「親が言ってはいけないベスト10入るね」
「ごめん、言い過ぎた。あのね、檸檬に比べて不器用ね」
「ああそれベスト10で1位取った兄弟と比べるー」
「間違ってはないけど、確かに私間違ったかも。どういえばいいの?私も新米ママなのよ」
「ああ2回目は分かってるよ。ちょっとむっとしたから」
「もうーーー、私は難しい家庭環境だから気にしてるんだからね。檸檬はその点楽なのは認めるけど、めんどくさい普通のガキな胡桃本当に大好きだからね」
「もっと優しくー」
「うん、確かにそうね、檸檬が異常に器用すぎるのよ。胡桃普通にできる子だと思うよ」
「ほめてはないよね?」
「けなしてはないよね?」
「うん、やっぱり答えはコンプレックスだった」
「適当に使ったと思ったけど、ほんとそうなるね。ごめんね私に似て優秀すぎる妹をもってしまって」
「桃姉も歌上手い…」
「ほんとそれ計算外…メンバーとしては良い誤算だと思って。多分胡桃がだめなな子だからって解散には絶対ならないから」
「姉妹だから?」
「いやほんと外見の可愛さをまず突出した武器にできるのって女優や歌手もとても重要だけど、それよりもアイドルだから。あなた親子の目線無しにでもすごい可愛いの忘れていた。お兄ちゃんにね、桃子ちゃんの話されたとき、うーんって言っちゃった」
「うわママ酷い」
「何それー陰口じゃないよ。桃子ちゃんが可愛くないとは思ってないの。私は外見の可愛さなんて女優や歌手じゃ限界があると思ってる。十分すぎるってレベルからあんまりおもしろい勝負にならないのよ。あなたはなるよ。檸檬はね自分でも分かってるけど、王道の日本人の美少女じゃないからね」
「あなたすっかり忘れていたけど、アイドルに重要な部分で外見がすごい可愛いからね」
「檸檬はマニアックですかー」
「いやその言葉は違うと思うけど…、あなたって通常マイナスになる馬鹿っぽい言動がプラスにしかならないのがすごいよね」
「ええ男は馬鹿な女が好きだと聞きました」
「あなたまたネット知識で…、間違ってはないけど、馬鹿すぎる女は口さえ開かなければって言われるのよ。あなたって可愛いって言われるちょっとお馬鹿じゃないから…」
「母親が馬鹿と言いましたー、もううち自信持てない…」
「ほめてるのよ、変なほめ方なのは認めるけど」
母さんそんな高度な誉め言葉うち全然分かりません…。檸檬に鍛えられてないとぐれちゃってるぞー。まあほんとこの二人似てるわ。
「あなた定番の拾った子扱いはこのうちじゃ禁止だからね」
「うち大きくなったら普通の家庭築きます」
「あなたにそっくりなママが元凶なんですけどね」
「ああもうまた見てもない脳内母親と同一視する」
「ごめん」
あまり気にしてはないけど、ちょいちょい母さんってここ変だよな。檸檬と全く似てない。別に怒ってないけど変なの。