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 腫れものを触るように、それでいて逃げないように。子供たちと触れ合う時間を大切にしていた。うちはこの子たちが怖い…。


さや「ええーと胡桃さん」


「うん」


「前そのやらせ?」


「映像撮ってないよね?」


かよ「うん」


「どきっとするよさやちゃん。ほんと気を付けてね。ああーただ撮影してないといじめてるとかなんか言われそうだな」


 なんか間が


「んん??なんか一人でつっぱしてるね。それで?」


「私は胡桃さんの映画見てミラシスの映像とか見てて憧れて大ファンなんです」


「あれなんかそれ最初に言わない?」


「そんな雰囲気じゃなかったから。でもたしか私歌や踊りって」


「ああ言ってたね。もうお姉ちゃん大失敗。思い切り全否定したね。ファンは想定してたけど、ガチファンは全く考えてなかった。さやちゃんうちみたいになりたいの?」


「はい」


「改めていろいろごめん、うちはねアイドルの大半のファンは男だって思っててあんまり女性ファン大切にしてない。ただ例外としてうちみたいになりたいって女性がごく一部いるとは思ってたんだけど。ごく一部だと思いこんでるから会うと思わなかったよ」

「改めてかよちゃんは業種が違うけど、瞳ちゃんはどういう動機?」


瞳「私は漠然とミラシス全体のファンって感じです」


「ああうちが一番意識してたファンだ。自分とさやちゃんの違い分かる?」


「なんとなく分かります」


「そういうのは覚えておいて今度から君たちがファンを意識する側になるから」


かよ「私も動機ありますよー」


「そういえばそうだね」


「ママが乗る気だったし、面白そうだったから」


「いやいやそれ大事、うちがかよちゃんに面白いって思わせないとね。今面白い?」


「面白いですよ。ただ」


「ただ??」


「今回いろいろあったけど、モデルと比べると遊んでる感が強い」


「やっぱりね、うち名言だなと思うのに金メダリストがね、練習は楽しくやれる方が長くやれるってのがあるの。これね裏を返せば金メダル取るような長い修練は楽しめる工夫をしろって意味なの。これとうちの方針が同じなの分かる?」


「分かります。ただママが不安なんも分かります」


「うちあの時なんか錯乱してたけど言ったことは覚えてるのよ、皆の親の不満ぶちまけてごめんね。弱音吐きたくないけど、うちまだ高校一年生なんだよね…、大人の人にあれで大丈夫なの?って思われるとこれで良いのか不安になるんだよね。ただ言えるのはうちは自分の考えでミラシスをトップアイドルまでしたって自負はあるけどね」

「あれさやちゃん話とめてる?」


「多分…」


「ごめんね、なんだったかな?」


「あれ私としては本心で、映画の演技に憧れていたので、怖くないから見ても問題ないですよって意味です」


「実際見せられないけどね…」


「それはなんとなく分かりました」


「正直やっと打ち解けれたかなって思う。ハムスター飼ってないけど、可愛いと思う。触ろうとしたら怖がって逃げちゃう。皆がうち怖がって逃げたらもう倒れそうだった…」


さや「大丈夫ですよー」


 にっこりしてくれた。この子のために仕事なんとかせんとな。



「桃姉ー」


「何胡桃ちゃん?」


「なでなでしてー」


「はて?」


「もうお姉ちゃんに甘えたい。そういえばうち妹以外にもお姉ちゃんいたなと」


「多分檸檬ちゃん以外では私が一番仕事の話してるからあまり妹っぽく感じてないんだよね」


「言われてみるとそうかも。子供たちすごい気を疲れてぐったり。多分次からもっと気楽にやれそう。もっと早く打ち解けていれば、最近いろいろ行き詰まって一人で悩んでいて。彼女たちも行き詰まりの原因の1つだからね。かなり先の事で今はどうにもならんと思ってて、それなのに親はせっつくから。許されたからあんまり言ったら駄目なんだけど、今でもだからこそ結果出さないとって焦りが」


「私達最初はほんと売れなかったからね。最初のころからすれば今の位置にあるの絶対に想像できない。そしていろいろ聞いてると胡桃ちゃん想像してたんでしょ?」


「うん。なるほどそこまで話したかうち。改めて誰にも話さず進めてきたな。じゃ驚いていたの?」


「当然だよ」


「当たり前だと思ってるから、うちはあの子達も似たように当たり前にしてあげたいと思ってるんだろうな。まあアイドルの天才とかいろいろ言われてるけど、うちが初期もがいて大人のブレーンが欲しいって言ってたの知ってるよね?」


「うん」


「目標はずっと変わってない。ただ方法をすべて子供のころから考えていたわけじゃないよ。何が天才だったか?なら目標をすでにスタート地点で見定めていた点だろね。こんな子供確かにいないね」


「なんとなくいう子は日本中にいるよ。ミラシスみたいになるもNO1に近づくと受け取れるでしょ?でもさ本気?これが全く違う」


「なるほど本気度が稀有だったんだ」



 いろいろ考えていてひらめきがおりた。監督と相談して新しい映画を作ることにした。


「うちさ今までつまらん映画とりすぎた」


「一応さお前が考えたのも大きいが俺の作品だからな」


「うちさ低予算で上手く作れる監督って視点で高く買ってるけど、コスパ以外特に見どころのない監督って思ってる」


「すごいショックだ長くやってきてこんなこと思ってたのか」


「うちさ、監督とお金の動きが違う世界で生きてるからね。金と芸能って事では拘りがあるん。ワクワクドキドキするような展開や世界観を感じさせるようなワールドがない。結局漫画なんだけどね、世界でどっちが認められると思う?鳥山さん尊敬する外国のクリエイターならわんさかいるけど、なんちゃら武?誰それだよ」


「怒ってはないぞ間違ってない。ただ気を遣えよ。ちなみにいるよ。お前のおばあちゃんの自伝映画ほめてた外国の監督」


「うちの力じゃない?」


「お前酷いなー」


「ああ現実を知ってきちんと前に踏み出そうってのそのしょぼい監督エンタメ巨匠にしてあげるって言ってるの」


「聞こうか」


「脱線ついでに漫画を直接実写化しても意味ないよ。その点はエッセンスを読み取れってのと、重要なエッセンスでしのぎを削った蟲毒こそ漫画ってエンタメなんだよ。実写邦画にそれがあるか?って話なのよ」


「で、その偉そうな自称エンタメの巨匠さんどういう話なんだよ。しょぼかったらくそみそにけなすぞ」


「良いだろうー」


 概案を話した。ある売れない作家が、売れない事に絶望して、計画的な殺人を起こす。この殺人が作家のストーリー通りに展開されていく。最終的にその存在に気が付いて逮捕されて終わり。


「面白いが、なんかこれ変だぞ?なんでこいつこんなすぐばれる犯罪犯すんだ?」


「それがわからきゃクリエイターやめてしまえと思うよ。皆が必死に事件解決のため読んでくれたじゃん」


「これやばいな、お前これ共感する部分あるのか?」


「無いよ、でも理解できるこの線引きでうちの側が監督だと思ってる。だから好きなんだよ」


「そうだな、共感は安易な言葉だった。ただこれライト層に受けるか?」


「ああライト層は捕まえる側の視点で良いよ。ただこれ犯人側の視点で描く主人公犯人だからね。こいつ次第、うちやれば良いけど、これ男にやらしたい。別に悪い顔じゃないけど、演技にはまると気持ち悪くなるサイコやろーこんな役者知らない?」


「一人知ってる…、おそろしくとんがった役者である理由でお前には避けていた」


「聞くの怖いがなんとなくわかる。なんで?」


「重度のお前のオタクで、あの自伝映画で役者を志して俺とつながりが出来た」


「うちこれ会わんとあかんの?」


「作品の成功こいつ次第だろ?」


「いいよ会うよ…、でさ気持ち悪さとインパクト出すため、殺されるの子供にしたいうちの3人使いたい」


「コネコネだが、狙いは良い」


「もっとある例の騒動で良い演技するかも?って思って…」


「それやばいぞ凄惨なシーンで子役って心のケアがいるんだよ。親とかもちゃんと言えよ」


「そっちより、こいつが本当にうちに事件起こさんだろうね…」


「意外と芸歴は短いのに演技には真剣だよ。じゃないと押さない。ただ癖の強さは半端ない。売れるか売れないか?なら演技以前の問題で売れにくい」


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