表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/91

50

 新曲が出来た。深刻な気持ちになってきた。多分問題はないだろう。だがブラッドおじさんから聞いてるんだ。ある日突然落ちていきそれが戻らなくなっていく。曲も人も変えてもどうにも戻らない。もちろん永遠に売れ続けるなんてない。だが避けられるものなら、トップアイドルが持つこの現象を避けたいのだ。


 これはトップアイドルの方が似た現象になる。通常トップアイドルぐらい売れた他のジャンルの音楽は基本何十年もある程度は落ちたとしても売れ続ける。


 1つの原因としては、歌っている人の加齢だ。これはかなり危険だ。うちらはこれは避けられる。もう1つが曲だろうなと思っている。だが原因が分からない。結果としては何の問題もなかった。客が喜ぶ誰もが知っているヒット曲が増える。だが、うちは冷めた視点で違和感をもって危惧している。


 ただでさえ曲に対して、モチベーションを保てなくなってる。さらに売れなくなると精神を保てない。まだ満足する高みに上ってないのに。そうだ一つだけ例外があった。結果論だがうちらはすでに消えた伝説のアイドルSM〇Pに近いんだ。男性なので完全には真似できない。顔もいろいろうちとしては男としての妥協したものがあるとみて下に見てる。


 だが曲だけはすごいんだ。その原因はがらっと作曲者も曲調を変える。男性ゆえに下手だが、可愛さはほぼない。それでも参考にできる部分もあるだろう。


 すぐに行動を開始した。社長と話し合って、失敗しても良いからがらっと違う曲調で作ってくれる作曲者を毎回違うぐらいに選ぶ事。妥協して間に今までのらしい曲もやる保険をかけてもいい。とにかくちらほらがらっとかえるような曲を入れる。


 次に桃姉に歌わせて可愛さを押さえて上手さを出して全体の歌唱を決める。もう1つはうちが歌って可愛さのでたうちの歌唱によってアレンジされた歌を使う。後者に変化がなさ過ぎたら没にすればいい。後は曲待ちだ。




胡桃「檸檬お前の気持ちがうちは分からない」


「唐突だな」


「うちはさアイドル活動の様々な事を考えている。ただし、これはパフォーマーとしてじゃない、うちの会社が特殊だが子供のころから放置してやってきたのでアイドルのプロデュースをうちが全部やってる。このことを考えていつも楽しいわけじゃない。それも重なって男の事を考えるのを邪魔だと思う気持ちが強く働くんだ。檸檬にそこまでの強い気持ちがあるか?分からないから聞いてた」


「私が申告もせずに隠すんじゃないかとか考えてる?」


「うん、檸檬うちがアイドルと恋愛について考えてるとき馬鹿にしたような感じだったからさ、軽く考えてるんじゃないか?って思ったんだ。隠すのに当然努力しないといけない。軽くないんだ」


「ああそういう事か、軽く考えてる私は安易に隠してしまうと思ってるんだね?」


「思ってる」


「参ったな実際違うけど、そういう時どうするか言ってほしい面もあるのか。面倒な姉だな」


「ごめん妹と恋バナして楽しもうなんてサラサラない…、ただただアイドル活動や役者業の邪魔になるのを恐れてる」


「分かった、私は今はそうじゃないけど、そうなったら打ち明けるよ。たださ言っておくよ、なんか姉に恋愛を詮索されるって妙な気持ちだよ」


「そうだなあまりに一般的な家庭じゃないからちょっと変だよな…、いろいろ考えていたらあいつはうちほど真剣に考えてるのかーって腹が立ってきて」


「分かってると思うけどさ、それ負担しろって言ったら、私役者業に専念しますって返してどう思う?」


「ごめんうちがやるから高校生の間だけは残って…」


「全く」


「うちが姉じゃなくて女でもなかったら。うちが付き合ってあげたい…。可愛いうちの妹ちゃん」


「てんで万事解決じゃないね」


「もしもしぐらいの仮定だからな」



 監督の所に来た。


「監督暇つぶしじゃないよ仕事の話」


「本当か口実にしてるだけじゃないか」


「うわこのオッサン好きとか言ったの本気にしてるー」


「辞めろよお前ー冗談にならないんだからへこむじゃないか」


「へへ、好きだよー、まあそれは置いておいて、これいけるんじゃない?って考えてきた」


「前もそんな事言ってたじゃないか」


「こんどこそまじ、ただ落ちは弱い…」


「またインパクト勝負か」


胡桃「ただな話題性メインなので演技素人タップリでやる」


「お前スポンサー主導の作品でも作品の面白さにこだわるじゃないか」


「うちの手腕で面白くしたるー。まあ聞いてよ」


「そうだな」


「監督が出演する」


「はー??」


「ラブストーリー」


「お前と?」


「違うー」


「からかってるんかー」


「まあ最後まで聞いてって、今売れてるバンドの子で真田君ってのがうちの知り合いなので彼主演でうちがヒロイン。ただうち監督にちょいちょいモーションかける。これだけだと閉まらないので唯一まともに演技できる妹ちゃんを持ってくる」


「そんなの逆にまともな作品にならないぞ?」


「一流と比較されるからでしょ?この映画のツボはそこにあるんだよ。一流の役者に素人役者3人が勝つの」


「そんなの一流が3流として演じてくれないと無理だろ」


「八百長ね、いやがちだよ。監督だって知ってるでしょ?うちも見せたじゃん。3流素人が一流に勝つ方法を、同時に言うよ」


「「自分を演じる」」


「そ」


「脚本があるだろ」


「だから逆にそっちを合わせる。細部は任せていいけど大筋はうちらでつくる。今までやってきたでしょ?そもそもうちに指摘される程度の脚本力で、今まで脚本使ってなかったのは低予算映画のせいだけじゃないでしょ?」


「ああ確かに俺が当初の考えと変更して創る部分が多いからだ」


「細部は一級品に比べるとイマイチだけど大筋や基本的な設定で客をつかむセンスは高いと見てるんだよ。それに演者のうちが組めば出来る出来る。役者に脚本を合わせるんだよ」


「普通ならあり得ないが、俺とお前なら出来そうだな」


「基本的な部分は、これ作中劇、だから監督が出演するの若い二人の演技指導みたいな感じで学芸会っぽい劇を撮影する。主人公はバンド活動に不安を覚えて役者に手を出す、若いころ下手糞な主演映画をとった監督の知り合い。ヒロインがうちでバンドマンとこっそり付き合ってるアイドルね」

「生々しいな」


「うちらのリアルでの関係性で錯覚させるのも手だよ。これによって演技マジ?って分からなくさせて下手糞ごまかす。客の先入観を逆手に取る。そもそもこんな素人役者映画ファンを狙ってスポンサーが作ってくれるしか無理だよ」

「妹ちゃんがうちが連れてきた役者さんで劇の中のヒロインをやる。これで本物の演技ってやつを作中劇の中で主人公叩きのめされる。これは下手で良いの」


「なんだこれ役者が本当に作ってく物語だな」


「これを傍観者的にいろいろまとめていくのが監督だからね。あんたも重要な人だから。うちこれただのアイドル映画にせん、この監督こそが真のターゲットの代弁者だから。中年層が女子高生に翻弄されるのが隠れた部分」


「お前良いのか?」


「うん、徹底的に匂わせしかしない。ヒロインは本気で主人公好きそうに見えるようにする。オッサン妄想で勝手に俺に気があるのか?悶々とする」


「なんだこの恥ずかしい映画は」


「どーせ役者に自分をもっとさらけ出せって無責任に言ったこと一度ぐらいあるんでしょ。こんな姿見られて恥ずかしいな俺ぐらい頑張ってね。問題は落ちだよね。ヒロインと主人公が分かれて終わる。まあ原因がつぼね、何を考えてるか分からん女。まあ実際は本格的に演技をまなぶって事で、それに人気バンドVOってのが怪しくなって、ヒロイン側が落ち目主人公と別れるって感じで良いかな」


「俺笑わせてるのか?」


「しょうがないじゃない3人素人なんだから、そう簡単に思えるならリアルとかぶったほうが良い。じゃ何故恋人同士に見えるか?って言うとヒロイン顔は好きなんだよね。ただそれ以上になれないけど付き合っちゃたの、付き合ってないけど顔は好みの子…」

「妹ちゃんにさ顔が好みならキスシーン簡単にできるって言ってたらこれ使えないか?って思ってね。やるよキスシーン、濡れ場はなしで事後発覚ぐらい入れていいよ」


「それ無理だろ?」


「まあその程度おっぱい隠せばありじゃない?これ妹ちゃんへの演技指導も兼ねてるの、そうそうおまけで良いけど妹ちゃん、主人公の事好意をちょっと抱くぐらいにしておく。これは匂わせじゃなくて良いがっつり。まあ軽い3角関係。男の夢でしょ?姉妹丼」


「これ単純には面白くないな。演者次第?」


「うんそれが素人3人あほな映画でしょ」


「良いよやろう」


「妹ちゃんと真田君には話してあるから後はお金関係と監督だけだった」


 撮影は順調に進み取り終えた。試写会にて。


胡桃「くそ楽しみー、監督は当然編集したから知ってるんでしょ?」


「まーな期待していいぞ」


 大筋は構想通り、後はうちがどうやって見せるかがかなり重要になってる。それが出来てる。監督への匂わせは出来てる。これどうなの?でうちの心情は語られない。だが本気でやってる。所詮体だけの関係なので、撮影の間に監督悪くないなとちょっかいかける。


 これ何故ヒロインが作中劇やらないか?が多分うちの演技を見る時になる。そこで妹ちゃんが出てくる理由の絵を作る。うちががちで長い台詞であたふたして、じゃあ代わりの子でやろってなって始まるって形。監督がいろいろ不自然だとして考えてうちが細部を整えた。


 すべて見終えて満足した。うちには狙いがあった。うちなんか悲劇の主人公みたいな演技強烈に魅せてたからそんな役ばかりオファーが来るこれがめんどい。男たちを翻弄して本人は実に無邪気にふるまう。これがらっとイメージ変わらない?


 どっちも自分なのは自分でもすごいとは思うけどね…。


「どう監督うち可愛い?監督の層が一番のターゲットなのですごい感想聞きたい」


「ああ可愛いよ嫌になるぐらいな」


「真田君、うちら恋人同士に見える?」


真田「ああ見えてると思うよ。内面は語られないし、演技の邪魔だからって教えてくれなかったけどこれ実際何考えてるの?」


「まあそれを引き出すため黙ってたからね。キスとか事後さえ本気だよ?」


 ちょっと間があるのに気が付く。


「今回ね演技派の妹ちゃんにこういうの出来るの?って教えたかったから大胆にやったんだよね。ファンの反応はちょっと過激にね」


「俺いっぱいいっぱいだったのに、そんな余裕だったのか」


「本人でやってっていっても初めてだと難しいよね。でもうちは上手かったと思う」


「お前が暗示かけていたから。あれ効いたよ。バンドの将来が暗いってイメージで演じるって」


 まああの時言われたの利用したんだよね。


「うちはさ全くの素人なら演じれないと思ってる。監督でさえ、不特定多数を相手に見せないといけない場面の経験がある。これがあるから今回の話考えたんだよ。全くの一般人つれてきてやってくれだと無理無理。うちが出来ると見込んだから皆出来た」


監督「俺はお前の全容知ってるからどこからその演技の自信が来るのか?って思う面もあるが実際何とかなったな。自画自賛じゃないが俺そこらにいる中年出来てる」


「そのターゲット狙いだからね。妹ちゃんはどうなの?過激なシーンがこれから来るかもしれないけどうちみたいに出来そうかい?」


「なんとか、ってまさか私に覚えさせるため?」


「うん、演技指導なんてどう考えてどう演じるよりさおぼこい妹ちゃんの場合、今回の場合絵を覚えたほうが早い。ただそれなら他の作品から出来るでしょ?だからうちが妹ちゃん向けにポイントを指導したんだよ。困ったら使えるスキル講座。根本的には真田君って顔の良いマネキン程度の扱いで良いからー、あれ人口呼吸の人形と変わらん」


真田「ほんと何考えてるんだか」


 ファンにとってはかなり過激だったみたい。いやベットシーンあったわけじゃないのよ?アイドル映画って気を遣うんだろうな。ただまあそれはそれだ。問題は最も重要なターゲットだ。ネットは年齢が分からない場所も多々ある。身元のはっきりした映画評論家の意見を見る。


(話は面白くないとは思う。ただ画面の中を動き回る岸田胡桃の魅力に翻弄される本作の出演も兼ねた監督さんの心情に中年男性はシンパシーを抱かざる得ない。多くのこの作品を見た中年男性は俺を誘っているのか?って感想を持ったはずだ。主人公の恋人なのに終始何か意味深な行動を送る彼女の内面が知りたくなってしまう。ストーリーはあるのだが、そのストーリー展開はあまり覚えてない。終わってみればただただ岸田胡桃は可愛いという事しか残ってない。

 自分は彼女のファンではないが、これを見たファンは主人公とヒロインに対してやきもきするシーンが多かったと思う。でも画面を通して感じたのは本当に彼女が好きだったのは中年のおじさんの方だったんじゃないか?ここが最後まで分からずに終わるもやもや感が今でも残ってる)


 ふふー中年層の反応は狙い通り。この作品檸檬の層だけ薄い。うちが演技指導の意味があったのが大きくて経験になれば以外あまり考えてない。見事に3人の層に刺さっただけの作品となった。面白い面白くないが極端な作品となった。


 ただ駄作だと言われるのはほぼなかった、いかにも役者以外お金掛かってない作品らしく大ヒットはしなかったが興行的にも成功した。今回うちの演技イメージを変える目的なので、うちは監督の友達料金で参加したけどね。もう1つの狙いのうちのイメージは完全に世間からこの映画で変わった。


 ただうれしくない誤算が増えた。なんかつまらんなーって内容の恋愛もののオファーがやたらと増えた。うちが中身見てつまらんのは受けないでと事務所には伝えておく。役者に関しては計算通り仕事が増えない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ