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「どうも兄がノーベル賞候補になったみたいです。って便乗してる野薔薇ローズです」
あかん、すべったか、野薔薇とはよく言ってたしローズもたまに使ってけど、お兄ちゃんが言ってたの見てちょっと受けたのでやってみたが反応うすー。と言うか私そんなキャラじゃないよね?
「ローズさん」
まあ私なんか基本ローズって呼ばれてる。野薔薇は自称と親しい仲での愛称なので。子供の時はそう思わなかったけど、これ大人になるときらきらネームちょっとハズイ…。ママごめん。
「今回はどういう会見でしょうか?」
普通事前にあらかた言っておくものだけど、ちょっとインパクト強いから兄に便乗してごまかしたところある。
「以前から言われていた何故一度引退したの?ですが、それに関係します。ただ前もって話しますが、すべては答えられません。お兄ちゃんに話したらそのノーベル賞候補利用していいからと言われて、それぐらい言いにくい事がいろいろあります」
「お兄ちゃん?」
「ああいえその家ではなんかそんな感じで」
うはーてんぱちゃった。あかん今日キャラ崩壊してる。両親は置いてきた。それはあの子たちと一緒にやろうかなと。だってあの子たちに質問が行ったらやばいしょー。
「まあ兄の事はそれぐらいにして、私子育てしてました」
「結婚していたのですか?」
「ああいやそのシングルマザー?」
「離婚したのでしょうか?」
「いえ未婚の母です。と言うか子育てしてたと言ったじゃないですか、出産したとは言ってません」
「では養子で?」
「そのあたりまだ内緒じゃ駄目ですかね?とにかく娘がいます」
これ次上手く売り出せるかな…。強引に打ち切って退出した。
次の日兄が夜になって来た。あんた新婚でしょ?ってまあメリーさんも来たけどさ。
「グダグダやったね」
「だってー」
「うちの母親みたいなものって感じで流すのが良いかな…、しかし何これ、ノーベル賞候補の岸田血統の妹ローズ子育てしてた」
「そのまんまやね」
「野薔薇詳しい事言わないからな」
「まあうちらってややこしよね」
「ええメリーさんも?」
「あれ言っただろ?彼女も似た境遇だって」
バカバカーー兄貴ー分かってるからそらしてたんだよー。ってなるほどそういう事か、その父親が同じ人が秘密なんだな…。境遇自体は前から互いに知ってるのか。
「義姉さんもいろいろ苦労してます?」
「メリーでいいよ」
「んじゃメリーさんも父親がいないけど離婚したわけじゃない家庭上手く説明できません?」
「うん」
私たち家族さすがに父さん母さんは違うけど、娘たちや桃子ちゃんは兄の教育で英語かなり話せる。ただメリーさんさらっと日本語話すからそのまんま日本語で話してる。目指せハリウッドとか言って妙に熱心なんだよなお兄ちゃん。
「野薔薇、こうなったらもうデビューしてしまって子供に言わせるのなんかヤダって感じにする?」
「あそれ採用、胡桃はまずいから檸檬にいずれ上手く言わせようかな…、あんまりしつこく根掘り葉掘りしたら泣いてやれば多分なんとかなる」
「檸檬はそれで良いのか?」
「うんあの子胡桃に話させるより良いと思うと思う」
「胡桃のほうが前に出ると思ってたけどな」
「使い分けじゃない?胡桃カンは悪くないからね、檸檬が出てくれば何か不味い事言ってる?って分かるでしょ」
私が思い切り失敗したのと、お兄ちゃんのインパクトが足りずに、デビューは地味にうちの事務所のHPから動画配信になった…。ただ前めんどくさそうだったインタビューの人使った。一杯来るとてんぱるが、一人で子供を使うならいけるだろう。
檸檬が父親知らないって流れでしつこく絡むインタビューアに涙ながらにグダグダ話して乗り切った。詳細はママの本があるからあれと似てると言う事で勝手にまとめてくれた。
ただ私じゃないからって、そやつ、私男嫌いなの?とか檸檬に言いやがって。私も見てたからオタオタしてしまった。ああ確かにそういう話あるな…。いや私〇〇君とか噂になったでしょ?あれマジなんだよ?
「お兄ちゃんママってそうだったの?」
「いや普通に男好きだと思うよ、お前なー本ちゃんと読みこめよ死の恐怖による精神的錯乱だー」
「ええ私達ママの錯乱で生まれたの?」
「まあ否定はしない、僕はそれでも感謝してるからね。うちのケースは特殊なのでメリーはどうなの?」
「ママがレズビアンって事?」
「うん」
「違うと思うよ。だって私妹普通に両親から生まれてるし」
「すみませんうちが特殊で、あれ僕何度か尋ねたよね?」
「たまたまだよ、たまたまパパいなかっただけ」
「言ってよー」
「いや自分の家の尺度で勝手に考えるから」
「ちょっと難しい日本語使うね…」
全く詳細に言うと困るんだよ。メリーさんにも飛び火しかねん…。