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ブラッドおじさんに男の子が生まれた。うちの家系は女ばかりなので珍しい素直に喜んだ。
「野薔薇、メリーに話した」
「そう別れてないって事は受け入れてもらったのね」
「うん」
「秘密がどんどん増えていくね」
「そうでもないさ、息子には出来てしまったが、メリーにはなくなった。ショックは受けていたが、それによって僕を拒絶するっての無かった。誰が悪いってわけでもないしね」
「檸檬の事いつか話すの?」
「ああそれは檸檬自身の事があるからメリーにはそれまでは言う必要がない」
歌ってみるプロジェクトが過去とん挫したので、桃姉を並行してシンガーソングライターにする計画を発動する。楽器は?いやPC使っていわゆるDTM開始することにした。歌関係の動画で演奏と作曲はとにかく都合が良い。そして上手く行ったらミラシスの曲も全部じゃなくてほしいな。
余程じゃないと全部ってなると、似た感じがどうしても出るからな。シンガーソングはそれを売りにしてるが、アイドルの楽曲はそれはどうかなと思うから。こういうの専門学校あるけど、年が若すぎる。習い事みたいにピアノレッスン見たいの無いかな。
保護者の同意があれば問題ないようだ。うんこういうの紹介しておこう。受講費それなりに高いが、桃姉って社長令嬢なんだよな。絶対この事務所で役に立つから。うちだけファッションモデルって何か技術職じゃないなー。
ついに次の新曲が完成した。おお何か楽しい曲だ。色が特にない。敢えて言うならアイドルが歌うアニソンみたい。早速歌って踊って衣装来ての動画作った。うちってすごい伝手あるじゃないか…。いつもはとってもらって終わりって感じだけど、今日は本格的なものじゃなくて、ネットに軽く上げるような動画作るにはどれぐらいかかるの?とか話してた。
高い。うん人件費なんだよな。この人たちも何時間か拘束されるからね。やっぱプロ使ってSNS更新感覚で動画取るって難しいな。
「おじさん、人の伝手って最近よく考えるけど、クルミンズの他のメンバーって何か繋がり無いの?」
社長「ない事はないがどうする?」
「お子さんやお孫さんいるならうちらぐらいなんじゃないかな?って思うから」
「期待はするなよ?」
「うん、おばあちゃんとあまり仲良くなかったんでしょ?」
「さすがに葬式にはきたけど、見舞いはほとんどなかったな」
「でもブラッドおじさんの話だと発病までは元気だったんでしょ?」
「それでも、病気療養してたのはその通りなんだ。挨拶ぐらい来るだろ?それを踏まえた上でどう思う?」
「時間がたてば変わるかもしれないじゃない」
「胡桃の見た目見たら嫌がるかもな」
「おばあちゃん思い出すか、じゃ無理に誘わなくていいよ。ミラシスやってみたいって人いたら、親祖父母は反対するかもしれないけど、本人はどういう扱い受けたか知らないから来てくれるかも」
おかんと話す。
胡桃「ええ戦略があるよ。6番目の小夜子傑作やよね」
「胡桃ホラー嫌いじゃなかった?」
「だから傑作なん。怖くないからあかんとは言わん。そうじゃなくて他の部分が面白いんや。であそこで出てる二人声優経験あって、一人はかなり長く役者と声優やってるよ?」
「ああまつ〇とさんね」
「そそ、最近声優系の養成所上り以外厳しいんだよ」
「そういえば、さかなの名前の芸人さん、また聞きになるけど、あんたのトークほめてたよ」
「なんとあの大御所、うちのマイナーなトーク配信みてくれてはる」
「似非もいいところの関西弁も突っ込まんでいてくれてね」
「うちイントネーションまるで頑張ってないからな。単なるキャラ付けやねんマジで関西の人に怒られるのいややわ。もとはと言えば檸檬がやらんからうちがほなやったるわってなったんや」
「私は世代が違うけど、あっぱれ〇〇、あれは子役としては意識する。んでね、あれあんたのトーク似てるんかな?と思ってた」
「ああうちら台本無しの適当トークやからな。世代違うからあんまり見てないけど、似てる?」
「似てる似てる。またやってくれたら多分大御所さん使ってくれるよ?」
「いやーもう還暦でしょ。やれんわな本人がその気でもTV局がな。確かにうちと檸檬なら今あれがあればスターダムにのし上がるのも夢じゃない。母さん繋がりないならおばあちゃんじゃない?いくら大御所さん熱心でも、このドマイナートークまでアンテナ張ってたらびびるわ。芸能界諦めてしまいそうになる熱心さ」
「そうやねおばあちゃんかもね。あんた目指すじゃなくて、超えていけを待望されてるからね」
「主にママがねー」
うちのかあさん、おばあちゃんの事になると病んでるからな…。ただうちらの周りそこまで圧力ない。だって企画考えたブラッドおじさんが本業忙しくて普通にアイドル本人に丸投げしてるからな。うちらやらされてる感0の手作りアイドルだから。むしろ大人の頭脳欲しいのよ…。
「ママん不思議やけど普通に料理上手いよね」
「ええそう?」
「意識しないってレベルで慣れてるもん」
「母さんも事務所の事務員だし、普通に忙しいからね。んであんたら抱えてたら自然とならない?」
「そういうもん?」
「おばあちゃんはてんで駄目だったらしい、でもねこれには理由があるの。死ぬ死ぬ詐欺とかお兄ちゃん思ってたみたいだけど、一応病気療養だったからね母さんがお兄ちゃんの面倒いろいろ見てくれたからね」
胡桃「そっちがうちのなんか母さんのイメージって、生まれた時からこの環境で変だとも思うよ」
「私胡桃たち育てていた時特に仕事してないからな…、なんでそんなイメージになるのか私も分からないよ」
「さらに幼児の時はあまり記憶がないからな」
「うわー一番手のかかる時は覚えていてくれないのね」
「うちのせいじゃなーい、赤ん坊の一般的な事だー」