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 僕の名前は岸田血統ブラッドキラキラネームだなって、いやこれが実はそうでもない。ただうちの母親くるみブラピのファンなのは確か。やっぱりきらきらじゃないか。いやまじでうちの父親アメリカ人らしい。らしいって何?って世界中に僕の兄弟が100人以上はいるとか…。


 僕は精子バンクの子供たちの一人だ。まあ血統ってそういう意味もかけてあるのかな?ないだろうなうちの母親馬鹿なので、イケメンと頭脳優秀のスペックで選んだらしい。ここまでだとうわ毒親とか言われそうだが、実をいうとちゃんと背景があって、母親難病にかかっていて、後何年後に発症するかもって恐怖と戦っている。


 やけになった?まあ現実逃避だと思う。かかっていて?そうなんだよね、まだ元気死にそうにない。ただ僕は彼女が本気で難病なのは知っている。だから馬鹿だなとは思うが捻くれた親子関係ではない。そして彼女はまたとんでもない事を言い出した。


「社長、お金はいくらあってもいいよね?」


「そうだな」


「いい方法思いついた。私のファンに精子提供を願って闘病の寄付をまた募るのはどう?ちょっと高額」


 おいおい息子抱っこされて聞いてるんだぞ…。これ何か問題にならないか。幼児の僕でも問題だと感じてる。


「ブラッドも弟妹欲しいよね?」


 結婚しようとか普通の感覚はないのか?と思ったが言えなかった。多分死んでしまう事考えてるからだと思う。そもそも元々僕を生んだのも普通じゃないのを親子共々よくわかってる。


「出来たら妹が良い」


 僕も現実逃避して言ってしまった。ただ僕は母が死ぬことに現実感が全くない。再度妊娠出産を考えてるのはどうみても元気だからだ。発症しない限りは元気なんだ。だが闘病生活も事実なんだたまにだが抑える治療をしている。


 あ、この社長パトロンとかじゃない、本当に社長、うちの母売れっ子アイドルだった。社長の協力でこの非現実的な出産が出来る事になった。死んだあと社長夫婦が面倒見てくれると約束してるから。あほなのだが、それでも彼女が精神的に参ってるのは本当。


 兄弟を残そうってのも多分僕に気を使ってる。ただ社長に迷惑かけてるのも分かってるから。こんなすごいの出てきたのかと。正直言えばおかしいとは思うが、根底で僕は幼児であるのも関係してアイドルおたくの義理の父親たちになんとも思ってなかった。


 お金だけなら売春した方が良いと思うが、それは多分法律的に何か引っかかりそう。そしてそれは僕がすごく望まない。まあこういう形になったのは僕と言う前例があるからだと思う。母親に抵抗感がない。ただこれ軽い気持ちで言っただけじゃない。


 世間的には僕の存在は知られてない。それゆえにもし病気が治ったらアイドル復活を考えて僕の存在を軽くするためだ。ファンも自分の子供なら良いんじゃない?いや無いない…。当たったファンはファンでいてくれるよ。でもその他の外れたファンは絶対嫉妬するわ。


 ただ社長は本気で復活できると思ってないんだ…。だからこのハチャメチャな理屈に納得してしまった。この馬鹿なプロジェクトスタートして妹生まれてしまった…。またこの母親イケメンで高学歴高IQで選ぶから…。この条件言ってないんだよな。大半のアイドルおたくこれアウトじゃない?


 うん恐ろしく低い選抜メンバーをさらに選考して落としました。最初は母親も選んでたけど、頭脳スペックは書類選考で、ビジュアルは途中から社長夫婦に任せて最後に選ぶ形になりました。あれうちの母親みんな愛してるよって言ってなかった?いや途中から顔曇ってたな…。


 さすがに全部アウトにならなくてよかった…。落ちた人の寄付も無事うちの事務所に入りました。後で問題にならないように親権は当然求めない形になりました。父親不明で生んでしまえばいいから…。プロジェクトは公式では?


 極秘裏に行われて、追加の寄付だけが公式に発表されただけ。アイドルの恋愛ってファン煩いじゃん?自分が父親になれるかもだとすごい数集まるね…。もう終わったアイドルだと思ってたがそれがこれで払しょくされてアイドル活動復帰はそれなりに計画として良い事となりました。


 でも、出産後まもなく母は発症して死んでしまいました。淡々と話してるけど、昔の事思い出してる。ただ当時死ぬまでは悲しくなかったのは本当。だって本当に元気だったんだから。そのせいもあるのか、母親の遺言なのか、医者も踏まえた生物系研究者の道を僕は選択した。


 母がこだわっていたスペックから、顔を生かせる芸能人か?頭を生かせる学者さんになってほしかったようだ。


 妹はその希望を兼ねた義理の両親の事務所で子役のスタートしてる。子役が頭脳労働?すべての子役がそうではない、ただ子役ってちょくちょく高IQだなとか異常な記憶力だなとか感じさせる子がいる。多分大人として何かを見せる部分と、台本などの記憶力が生きるのじゃないか?と見ている。


 天才?子役と呼ばれている。多くの人にとっては天才子役なのだが、僕から言わせると天才が子役やってるとみている。妹は多分他の頭脳労働でも活躍できる。自称天才の僕が言うのだから間違いない。


 そうだ妹は野薔薇ローズって名前になった。おいおい父親外国人じゃないだろ?野薔薇って呼んでもらってもいいからって茶目っ気たっぷりに母親は笑っていた。僕がくるみはバラに近いんだってとか生物の知識を話してたら思いついたそうだ。


 よくよく考えるとちゃんと自分の名前から繋げてるし植物と絡めて合って、ブラッドよりかなりマシだと思った…。


 ただ良いかと思った、母親のノリでつけてしまうセンスが僕に出て、うちの妹はかなりかわいい。この名前なら悪くないだろう。悔しいが僕より母親に似てる。娘は父親に似るとあるが、人種の壁は越えられないか。この子は女優としても大成できると思う。


 演技力もあるが、一番重要なのは子役って子供の可愛さで選ばれる部分がある。子役の大半が何故売れない?となるが、成長した顔見てまずそこがアウトだよと思う人気子役が大半なんだ。将来どうなるか?分からないが、命をかけて遺伝子を選んだ母親の執念なめるなよと世間に言っておく。


 落ち込んだ気持ちをごまかすのと、僕と妹の事がばれてもいいようにすべてを美談にするためお涙頂戴の闘病記として社長夫妻と話し合って出版した。ただオタクから金を巻き上げたのはかなりごまかした。悲しみはあるが、死と言うのは時に便利だ。多分否定的な人が出てもおかしくないがそれをすべて封殺する空気が出来た。


 だって、死ぬ前に子供が欲しいって養育の負担を担ってくれる社長夫妻がいればこれ非難できるか?僕は知ってるけどな、母が馬鹿なのは後先あんまり考えないからな残される子供は?とか非難があってもおかしくない。僕が否定的な気持ちさらさらないんだけどな。なんかあったら僕が言ってやるぞ、僕の代わりにお前が言うなと。


 そんなこんなで数年が過ぎてある時秘密にしてきたことが妹にばれてしまった。


「お兄ちゃんどういう事?」


「言い訳しない、駄目?」


「良いよ」


 えええ良いのー、実は僕は生物系の道を志してからDNAに特に絞ることにした。その理由は、僕は難病の人を救いたいのじゃなくて、母だけを救いたかったエゴイストなんだ。死んでしまった人を救うことは出来ない。僕の生まれの特殊さがかなり関係してると思う。


 母親のクローン作れないかなと…。母親のDNAを大量に保存してる。死体?さすがにそれはない、ただいろいろ腐らないように保存してある。それを妹に見つかってしまった。思い切り否定されると思った妹は母親の記憶がほとんどない。それゆえ何故?と思った。


 だが、天才だから早熟でしたとかじゃない、同じ芸能人として母親のアイドル時代の映像を大量に見てた。妹は社長夫婦になついてる。むしろ母親との距離が近かった僕より本当の親子の様だ。だが、映像を通して彼女は母親を強く意識していた。


 ちょっとノー天気な母親が生んだ残された子供は案の定母親とファンが入り混じった変な愛情をこじらせていた。まあ僕もおかしさで言えば妹の事は言えないけど…。


 ある意味母親に似てるんだと思う。社長にまた変な事言い出した。


「私、子役から女優へってすぐには進まない。いったん引退する」


「ええ何故だ?野薔薇なら成功するよ」


 社長も僕が野薔薇野薔薇と言うからローズと言わない…。


「お母さんみたいに子供ほしい」


 あ、これ僕しっかり話したわけじゃないがクローン私が生むって言ったようなものだ…。社長も母親を持ち出されたらうんと言わざるえなかった。僕もそれでいいと思う、野薔薇は大人になったほうが多分綺麗になる。子役からの連続性で慣れによって落ち目になるとちょっとまずい。


 多分あの子誰だって驚きになる。戦略的にもこれで良いと思う。さて後は僕か、実はある程度目途が立っている。アメリカで今クローンで問題になる早死の問題を解決しそうになってる学者がいる。僕はアメリカに留学して飛び級でここに入るつもりだ。


 僕は、母親の趣味なのか?無理やり英会話教室に通されていた…。ほんとうちの母親一つ間違えば絶対毒親だよ。大好きだけどね…。母親は留学を想定していた?なら顔から英語話せないと変でしょ?ってすごい馬鹿なノリだったけど。


 それに対して、うちの妹は遺伝子から母親大好きが刷り込まれてるからな筋金入りだ。なんだろう、父親が違うからなのか、ここだけは僕は複雑な感情がある。僕はちゃんと母親と接してマザコンになってるんだ。それに対してうちの妹は先天的お母さん大好き子なんだ変すぎ…。


 ドルオタの娘はドルオタになるか?まあそんなの分からんけどさ…。機嫌悪くなりそうで言わんが、遺伝子なのか?と考えてしまうと妹の父親の事考えてしまってちょっとキモイわ…。


 数年経ちアメリカに留学して飛び級で無事狙いの学者の下につけた。そこでまだ成功してない技術を確立できた、だが僕はその業績を捨てた。こんなの後からで良いんだ。今発表すれば妹の娘はクローンだとばれる可能性がある。数年の猶予が別の研究者に奪われる可能性がある。


 それが狙いだ。絶対ではないが疑惑をそらすことは可能だ。そこまでするか?するんだよ!まあ姪が生まれて数年したら発表するけどね、それをしなければすごい根性だが、それはさすがに無理だ。妹に社長夫妻に負担かけるからお金稼いでと言われてる…。


 無事に妊娠に成功する。


「お兄ちゃんどういう事?」


「何が?」


「双子だって」


「そうか双子か」


「そうしたの?」


「うん」


「ママが二人生まれるの?」


「いいや2卵生だ」


「へ???」


「お前と僕の子だ」


 ああ怒ったかな?


「聞いてくれる?」


「混乱してるけどいいよ」


「お前の卵子に僕の精子で人工授精した。近親相姦じゃないから良いよね?」


「そういう問題じゃないよ」


「僕らの遺伝子って優性劣性によって生じる遺伝病がほぼないんだよ。多分父親が違うのが大きいんだろうね」


「そういう事じゃないの」


「いや僕は一番これが大事、僕は母親を早くなくしてるから遺伝的病気抱える子供を作るのが可愛そうだ。でお前の聞きたいのも言うよ。アリバイ作りだよ。母親そっくりの子供が将来育ったら疑われるじゃん。だからその目をそらすためにね」


「ああ、そうだね、クローンの母親生むのですでに私達いろいろ罪があるよね」


「うん、医学的なじゃなくて社会的なって言いたいんでしょ?今更だよ」


「でもお兄ちゃんばれない?」


「どうみても日本人となんか混じってるなって双子か…、あんまり僕に似ない事を祈ろう」


 生まれた子供は、母親と多分似てる女の子と、もろ僕と同じ金髪の女の子の双子だった。でも顔は明らかに妹似のちょっと目鼻立ちくっきりの濃い日本人っぽい。この辺り日本人って東アジア人の中で便利だよな。どことなく濃いのが生まれてもそういう人もいるで押し通せるから。


 妹には言わなかったが、僕は妹によこしまな気持ちがある…。毒を食らわば皿までとはこの事だ。さあ僕たちのママのアイドルプロジェクトの幕開けだ。ただものすごくかわいいもう1人の妹もアイドルにしたい…。と言うか僕のアイドル。


 ただ僕は忙しいのでそれはすべて義理の父母と妹にお任せだ。ただ、もうアメリカに戻るつもりはないこっちで研究するつもりだ。数年してあの結果を発表すれば多分それなりの地位で雇ってもらえるだろう。僕が軌道に乗るまで3人を支えるんだ。


 姉は胡桃にした。これは悩んだ。だが母はひらがなだったが漢字にした、隔世遺伝と言い切るつもりだ。妹はごめん姉に合うようにした。髪の色と姉に合わせて植物の実と言う事で檸檬だ。


 ただ姉妹はかなり違う。多分姉は馬鹿だ…。野薔薇は知らないが、生前の母は馬鹿だ…。僕はそれも好きだっただけで。それに対して僕と妹のDNAを持った妹の檸檬は多分天才的になるかもしれない。アイドルで良いのかな?って思いはある。なるべくそのあたり野薔薇に考えてもらうしかない。


 僕はそこまで関われない。僕はあくまで一緒に住んでる親戚のおじさんだ。さすがに檸檬にお父さんと言い出せない…。僕は死んでしまった母の先が見たいんだ。間違いなく胡桃はアイドル向きだ。アイドルってバカ?って言いたいわけじゃない。彼女はアイドル以外大成しない馬鹿なんだ。


 彼女は僕らが敷いたレールに多分無理なく乗れる。意思も絡んでだ。だが檸檬はと考えると。ただこの二人の姉妹が軸となったアイドルユニット見たくて仕方ない。二人は良い意味で顔が似てない。これはグループとしての武器になる。問題があるとするとこの二人に加われるメンバーの子いるのかな…。


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