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6.女騎士と盗賊団

6.女騎士と盗賊団

 三人で空からの風景を堪能している。

 「ミッシェル、国境まで行きましょう。貴方見たがってたじゃない。」

 先日、エリザベスが6才になったのを機会に、父上に領内の視察に同行している。その時、ミッシェルが自分も行きたいと駄々をこねていた。特に国境沿いは未知の世界の入り口でもあり、興味津々だったのだ。

 「いいですな、行きましょう、楽しみです」

 「じゃあ、東側の高い山の谷間になっている部分に向かいなさい」

 「私ですか?」

 「当たり前でしょ、あなたしかこの鳥を操作できないでしょ」

 「ああ、そうなんですね、分かりました」

 鳥の視界が東側に向け国境に向かって飛んでいく。すると、国境から延びる道をこちら側に向かって走っている馬車が見える。御者には騎士風の制服をきた女性がしきりに馬に鞭を入れている。とても急いでいるようだ。その後方には馬に乗った6人の盗賊の姿をした男たちが追いかけている。


 「追われているようね、助けましょう」

 エリザベスはそういうと

 「騎士団長、こっちに来てください」

 と近くで訓練をしている騎士団長を呼ぶ

 「お嬢様、何でしょう、というか、仲良く手をつないで何をしているんですか?」

 「国境からの街道に賊のような男たちに追われている馬車があります、賊の数は6人、馬に乗っています。馬車を助けに行ってください。」

 「はい?突然どうしました」

 「訳はあとで話します、大事なことです、お父様にはあとで私が説明します、すぐに行ってください」

 「分かりました、向かわせます」

 騎士団長は、兵曹長を呼び、部下10人を連れて国境に続く街道に向かわせた。


 そうこうしているうちに、馬車は6人の盗賊に追いつかれ囲まれてしまった。御者をしていた女騎士は馬を崖沿いに寄せ反対側の入り口に立ち中を守る形で賊たちと対峙している。何かを言い合っているようだが内容までは分からない。


 「まずいわね、何とかしないと。ケントやっておしまいなさい」

 「え?なにをするんでしょう」

 「殺しちゃだめよ、もしかしたら盗賊じゃなくて他国の兵士かもしれないから。肘と膝を狙いなさい、関節の部分よ。そこを痛めれば動けなくなるから。いつもやってるでしょ」

 ばれてる。何か言うと余計に立場が悪くなりそうなので黙って従う。

 「姉上、馬車の屋根に降りてください」

 「分かった」

 鳥が馬車の上に舞い降りる。賊が驚いてこちらを見る。女騎士はこちらには気が付いていないようだ。


 まず、視界に入った男たちの方をレーザーで貫く。3人の男たちがうめき声を上げながら膝まづく。動けなくなった3人の両ひざも貫くとそのまま倒れてしまった。肘もやるんだっけと意識を向けると

 「そっちはもういいわ、残りの3人をやりなさい。ミッシェルそっちを見なさい」

 「え?」

 「貴方がやらないとケントは何もできないのよ」

 「あ、はい」

 視界が残りの3人の方に向けられる。何が起こったのか理解できず戸惑っている。3人の両ひざを同じようにレーザーで貫くと、そのままうずくまってしまった。


 女騎士は戸惑いながら周りを見渡している。そしてこちらと目が合う。すうと視界が下を向きまたもとにもどる

 「ミッシェル、挨拶はあとにしなさい」

 「でも礼儀は大事だと母上が」

 「いいから余計なことをしない」

 「わ、分かりました」


 しかし、女騎士もつられて頭を下げたように見えた。お互い律儀な二人。そこへ、派遣された兵曹長たちが到着する。女騎士と話をしたのち兵曹長の部下2人が馬車と一緒に移動を始めた。我々は馬車の屋根に乗ったままであるが、だれも気にしている様子はない。

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