表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

繰り返す

作者: 檜尾 眞司

あの事故いや事件……

私は涙が止まらなくなりました!


 俺は人生を繰り返している。

 

 繰り返すこと4回だ!


 1度目は蝉だ、何年も地中にいて出て来ると7日間であったが……意外と充実していた。


 2度目は犬であり、15年は人間に飼われこれも充実した毎日を過ごした。


 3度目は人間だ。

 しかし、人間の人生は充実には程遠く死んだあとは……怨みしかのこらなかった。



 それでは、人間だった頃の話しをしよう!

 

 俺の名前は駿太、2歳!

 今日は母と買い物に行くため、俺はベビーカーに乗っている。

 父はサラリーマンであり、母は専業主婦であった。

 俺は待望の子供で、父方、母方の両家にとっても初孫として誕生した。

 その日は天気も良く、近くのスーパーで買い物をし家路へと向かってた。

 母は俺に愛情を注ぎ、いろいろと遊んでくれた。


 公園とかで良く遊んでくれたのが、かくれんぼである。 

 かくれんぼと言っても2歳児相手であるため軽く隠れる程度であったが、なぜか俺はキャッキャと笑って機嫌良くなってしまうのだった。

 「駿太、どーこだ…!」と言いながら、ベビーカーの後ろに隠れ、俺がキョロキョロしている姿が愛おしいと感じている母がいた。


 だが、その幸せも一瞬だった!


 母はベビーカーを押し、交差点で信号待ちをしていた。

 その瞬間、母と俺は宙を舞った!

 ガシャーンという激しい音と共に。


 俺はベビーカーごと車に跳ねられて地面に叩きつけられ、30m離れた所に母も倒れていた。

 ブレーキとアクセルを踏み違えた車が、猛スピードで突っ込んできたのだ!

 俺はその場で息を引きとった。


 運転していたのは、足の悪い杖を付いた高齢男性であった。

 その事故は、死傷者十数名を出した大惨事であった!

 母は何とか一命を取り止めたが、重症で自力で歩けなくなっていた。

 そして、父や親族は悲しみのどん底に突き落とされたのだ。

 それに拍車をかけたのが、加害者の高齢男性がブレーキを踏んでも止まらなかったと、車の不具合だと主張し続けていたからだ。

 それが、5年以上続いている。

 俺の人間での人生は、わずか2年で終えてしまった。 

 怨みだけをのこしてーー


 

 そして、4度目はカラスだ。 


 大空に羽ばたき、そして下降する。

 北からやって来た車の行手を阻む様に、フロントガラスに向かって大きく翼を広げた!

 車は、ハンドルを右に切り勢いよく崖から転落をし大破した。

 「これでも、車の不具合と主張するのか!」

 車を運転していたのはあの高齢男性である。

 

 俺には分かっていた。

 あの高齢男性がパニックになるとブレーキとアクセルを踏み違う事を!

 

 だが、それだけでは怨みは消えず、崖に落ちた車に落ち葉や木々を仲間と大量に運んだ。

 俺の大好きだった母との「かくれんぼ」のように……


 「どーこだ!」と、聞いても返答は永遠に無いと思うのだが!



 そして、俺は大空に飛びたった!

 

 

 

 

 

              ………おわり


 

 

 

 

 


 

 



 

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] スピード感が凄い [気になる点] カラスはそんなこと考えるだろうか?二歳児はそんな感情や細事を知っているだろうか? 作者さんのプロパガンダに見えるところ、もしくはそのものなのでしょうか? …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ