エピソード19
森子の探索に隠れてついていく事にしたオズ。そこにシルクも駆けつけ、合流した。シルクは銀髪碧眼でツンデレで大人しそうな性格の持ち主だ。
私は上級者向けダンジョンに潜り込もうとしていた。
「待つんだ!木林さん!」とオズが叫んだ。
「そこは行っちゃダメ!」とシルクが言う。
だが、私は聞く耳も持とうとしない。そのまま突き進んでいった。
「あー。行っちゃったよ、どうすんの」
「待つしかないよ」
私は暗闇の中をただ突き進んでいった。周りに人はいない。
しばらく歩くとコウモリのような敵に遭遇した。
(どうしよう……)と思ってると敵の攻撃がきた。
すんでのところで敵の攻撃を避けた。
Qキーでヘルプを確認した。そんな時間も無いのだが。
Zキーを押し、攻撃をした。のではなく、読んだのだ。
黙読だった。“ウィンドブレイブ”という技を《《唱え》》と書いてあったのだが、口に出し、技を発動するのではなく、もっての外読んでしまったのだ。これじゃあ敵に攻撃を与えられない。
(あれ?なんで?攻撃が当たらない!この敵、強いの?)
そしてまた敵の攻撃がきた。だが、Zキーで防御をするが今の森子の防御力じゃ防御しきれない。
(あわあぁぁ!!私、死ぬの?)
そして儚く、散るのだった。意識を完全に失った。
目を開けると草の生い茂る場所にきていた。眠らされていたのか――いや、癒物に癒されて復活したのだ。そう、助けられた。
横を見るとコリーナ、ルラ、モナフィカ、クックルーなどの癒物がいた。
「ありがとう。助けてくれて」
「キュウゥゥ」
「クー」
「ユムゥ」
「キュルッキュー」
癒物は可愛く返事した。
この草の生い茂る場所は懐かしのあの場所だった。そう、ここは最初に現実世界からこの国に送られてきた時の場所だった。そして目の前には大きな宮殿がある。