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エピソード15


 みすぼらしい小屋に入って、部屋の事をカインに案内されていた。何とも狭い小屋だった。


「無料なの?」と聞いたら、

「ここは空き家だから」と言われた。


 夕食は私が作った。クリームシチューとフランスパンにしようと考えた。


クリームシチューを煮込んでいると、「美味しそー」とカインと他の癒物達が寄って集まってきた。


材料は小屋にあったので苦労することはなかった。

そして、集まってきた癒物達の親愛度が上がった。


(こんなので親愛度って上がるものなんだ……)と思った。


 出来上がってテーブルに持ってくとカインも他の癒物も座ってなかった。席が三席あって、食べるのかと思ってた。が、「僕の分はいらないよ」とカインは言った。そして、それに続くようにして、他の癒物達も頷いた。


(えーっ。作った分、勿体無いじゃん)


「私、一人で食べるんですか?」


「明日の朝に持ち越すか、村の人々に分けてあげるかだよね」


「そんな……」


そして、一人で食べることとなった。


夕食を食べ終え、風呂はあるかと聞くと無いと言われた。


 そういえばこの帝国に来てから数日は風呂に入っていない。聞いた話によると洗浄魔法というのがあるらしい。トリクロニティの噴水に触ると魔法がかかるらしい。それ以外でも洗浄魔法が使える人に会えれば風呂に入ったも同然となる。


 寝る場所はというと木製のベッドがあった。だが、布団も枕も硬い。


「ここでスペシャルな魔法をかけてあげるよ。今宵、僕と夜を共にしよう」


「え?」


カインが取り出したのはクックルーだった。


“フェザーサークル”


そう唱えた途端、羽が空を舞っていた。そこら一面羽だらけだ。


ベッドには羽がいっぱい。積もっている。


クックルーの羽はだいぶ減っている。


私はベッドに飛び乗った。ダイブだ。


もふもふ~


寝返りして右を向くと肌触りが良い羽毛だった。触ると本当にもふもふだ。さっきまで硬かった布団だとは思えない。クックルーを撫でてやった。


「それ、逆だよ」とカインに言われた。


どうやら私は居心地が良すぎて逆に寝転んでいたようだ。


 ベッドは一つしかない。カインはどこで寝るんだと思った。


そしたら体を小さくさせて私の隣に横になっていた。


「ねえ、僕たち結婚しない?」

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