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時間軸の守護神 2

スノウは手に何も持たず、


身一つで出掛けようとしていました。


いくら逞しいとはいえ、


さすがに身を案じたわたくしは


その時に髪の毛をまとめていた


(まじない)のかかっている


櫛をお守りに と


スノウに持たせたのでした。








スノウが出掛けた後も、


大地は揺れ マグマは噴き出し


ついには


大水も暴れ出すようになり、


いよいよこの星も終わりであると


覚悟を決めようとしたその時でした。





どーーーーーーん!!!!!!








凄まじい音が 轟いたのです。





星からは離れた


安全なところに居るとはいえ、


あまりの出来事に


震える身をかがめて、


両親と抱き合い


厳しい衝撃波に 耐えておりました。








やがて、


今までのことが嘘のように


大地が静まり返りましたわ。








これは・・








すべてが終焉したのだと


自身の心を無理やり納得させ、


星との別れを想い


祈りを捧げようと


手で印を結ぼうとした瞬間・・






ドシンドシン、、、








スノウが走って戻ってきたのです・・!


大地の荒ぶるエネルギーを収め、


帰ってきたのです!





そして


わたくし目掛けて走ってきたスノウは、


櫛を返却するように手を差し出しながら


開口一番





「名を何と申す?」





とおっしゃいましたの。









しばしの沈黙があって


それからわたくしは、


噴き出すように笑ってしまいました。





星一つが消えてしまう


壮絶な危機を救ったあとに、


一番におっしゃることがこれですのよ?


一瞬 息をするのも


忘れてしまいました。





時が止まるとは、正にこの事ですわね!


考えてみたら、


まだお互いに


名前も知らずにいたなんて


今の今まで気づきもしなくて。





それなのに、


縁談の話までしてしまっていたなんて


夢のおとぎ話のようでしょう?


ほーんと、大笑いよ!


あまりにおかしくて


淑女としてのプライドも忘れて、


涙を流すほどに笑ってしまったわ。


90億年以上


お澄ましして生きてきた


箱入り娘のわたくしには、


初めてのことでございました。








いつまでも


笑い転げているわたくしに、


両親もスノウも


ポカーンとしていましたけれど。


うふふ








それからスノウは改まって


両親に頭を下げ、





「セイア姫を我が妻として迎えたい」





そう言ってくださったの。


もちろん、


両親は二つ返事で了承してくれて。





その後で


出会った時には


お持ちでなかった(つるぎ)


スッ とわたくしに差し出し、


「我と共に星を治めよう」


そうプロポーズをしてくださいました。





わたくしはもちろん、


喜んでお受け致しましたわ。








後から知ったのですけれども、


スノウはオスカさんの


弟君で在らせられて


両親共々 恐縮してしまったのを


覚えているわ。





だってオスカさんは、


第7宇宙ソウラ王国の姫様ですもの!


宇宙の要となる姫様の


弟君にお嫁入りだなんて畏れ多くて。





そのことを


ナニソレ先生にお話ししたら、


ニコニコしながら


「じゃあソウラ王国の


お城に住んじゃえ」


ですって。


わたくしたちは あくまで神ですから、


例え夫婦となっても


お役目を果たすことが第一ですので


一緒に住まうことはありませんの。





わたくしの場合なら、


星の生育が落ち着いたら


元いた 第1宇宙の宇宙図書館での


司書 に戻るのが定説なのです。





なのにあの方ったら・・



大変なことを


サラッとおっしゃるんだから


侮れないわ!





偉いお方って、


どうしてああなのでしょう?





まあ、結果としては 正しくて・・





スノウの創造する空間に対し、


時間軸に関与できるわたくしは


能力の相性が最高でございました。





それまでは 司書の傍らで


時間軸の研究をしておりましたが、


以降は実践を交え


守護をすることとなりましたの。





これらは 急なお話ではありましたが、


オスカさんも快く


受け入れてくださいました。





そして


ナニソレ先生に仲人をしていただき


晴れてわたくしは、


ソウラ王国に嫁ぎ


スノウと永遠の共同作業を


することになったというわけですわ。








ちなみに。





プロポーズの際に差し出された剣は、


スノウのお姉様 オスカさんに


結納品として献上致しました。





スノウがなぜ


剣を持って帰ってきたのか?


どのように星を救ったのか?






実のところ


わたくしは何も問わず、


スノウも何も


おっしゃいませんでしたからね。


どのようなものなのかは


存じ上げないのです・・





ですが


この剣のエネルギーはとても強く、


そのままで置いておくことは


良くないと 感じたのです。





そのことをオスカさんに


お伝えしましたところ、





「ではこうしましょう!」





と、陰性と陽性 2つで対となる


勾玉が埋め込まれた杖に、


剣のエネルギーを分けて宿しました。





今のところ、


ソウラ王国の


守護シンボルとして信頼の厚い


《勾玉の騎士団》が


それらを 守護しておりますわ。





騎士団の皆さん、


とても筋肉がしなやかで美しくて


かっこいいのですよ!!





今度 ファンクラブを作ろうかと


思っているのですが、


宜しければ あなたもいかが?





とは言っても、


スノウが一番


かっこいいのですけれども♪








そうそう。


こちらも後から知ったのだけれども、


わたくしの方が


スノウより断然年上でしたの。





これにはさすがのスノウも


びっくりしていらしたけれども、


愛に 時間も重ねている年齢も


関係ございませんものね!


なんと言っても、


わたくしは時間軸の守護神!


わたくしの手にかかれば、


宇宙は如何様にもなりますもの。


自由自在ですわ♪





もちろん悪用なんて致しませんわよ?


ご安心なさって。


おほほほほ

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