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時間軸の守護神 1

あなたにとって、


時間って何かしら?





わたくしは、


時間軸を守護しております


女神のセイアですわ。





ナニソレ先生のご勅命で、


現在はオスカさんのお城に


住んでおりましてよ。





ソウラ王国にございます庭園


『トワイライトガーデン』では、


全宇宙の情報が集中するため


こちらにて頻繁に


宇宙会議を行いますの。


お茶をお出ししたり


優雅な音楽を奏でたりして、


皆さまを 心地良く


おもてなしするのも


わたくしの大切な


お役目でしてよ。








そんなわたくしは以前、


第一宇宙にお住いの


ナニソレ先生が館長を務めておられる


《宇宙図書館》にて


司書をしておりました。





ですが


あることをきっかけに


時間軸を守護することとなり、


それ以降はずっと


空間の創造神スノウ と寄り添ながら


全宇宙の空間秩序のバランス維持に


尽力しておりますの。





何を隠しましょうか?


スノウの創造する空間と


わたくしの守護する


時間が掛け合わさって、


物質世界は 成り立っておりますのよ。


おほほ








スノウは


わたくしの愛しい旦那様ですの。


あれは 運命的な出会いでしたわ。














当時 わたくしは、


ナニソレ先生のご勅命を受け


まだ星々のバランスが安定しない


混沌とした全宇宙の下界にて


星々の育成に関与しておりました。





この頃はわたくしは未熟で、


時間軸についても研究中でしたわ。









幼い頃は大変過保護な両親に


毎日毎日撫でまわされるように


たっぷりと愛情を受けまして、


お陰様で 瑞々しく育ったわたくしは


"大和撫子" という


名誉ある称号をいただいて


宇宙中から求愛を受けたものです。








8人姉妹の末娘として


生を受けたわたくしは、


いずれ嫁いで行かねばなりません。


それはそれは、厳しい


躾と花嫁修業の日々でございました。





そんな日々の中で、


ある日 とある星を脅かす


大災害が起こるようになったのです。





大地は頻繁に大きく揺れ、


山頂からはマグマが噴き出し、


その星の崩壊が迫っておりました。





そこへ


彗星の如く現れたのがスノウですわ!








わたくしが


惨事を鎮めるために


その星に降り立って


お祈りをしていた頃、


スノウも たまたま


その星の視察に いらしていたのです。






ここで 初めて出会いました。











日に日に悪化していく・・


あまりに荒れた星の状況に


祈りも届かず


愕然としていたところでしたので、


お声をかけられたことで


張り詰めた想いが溢れてしまい


見ず知らずの相手にも関わらず


駆け寄り


この星を救ってほしい、と


嘆願してしまいましたの。





我を忘れて取り乱し


なんとも はしたない事を


してしまったと


今では大いに反省しておりますが・・


やはり


胸中穏やかではなかったのです。


あまりの酷い状況に、


藁にもすがるような


想いでございました。





見ず知らずのわたくしに、


スノウはとても勇敢でした。





何も聞かず ただうなずいて、


すぐさま


わたくしの両親の元へと付き添い


送り届けてくださいました。





安全な場所にて待機していた両親も


大層に安堵し、


一緒になってスノウに


お礼を申し上げましたわ。








すると、


娘命の あのお父様が


驚きの行動に出たのです。





「この大地の荒ぶりを収めた暁には、


我が愛娘をやる」





ですって。





今までどのお見合いのお話も


わたくしには何も知らせずに


すべてお父様が


突っぱねていましたのに、


どうしたことでしょう?





会って間もないスノウに


しかも上から目線で


お父様ったら


なんて失礼なことを


申し上げているのか、と


驚きで顔面蒼白になりましたわ。





なぜかって?





だって、


スノウはこのわたくしに


動じなかったのですよ?


宇宙一美しい大和撫子のわたくしに


触れようとも口説こうともしない・・


一見野蛮で


大きな体をしていらしたのに、


誠実で勇敢な心を


持っていらしたのよ。





紳士なご様子は、


大変 好印象でございました。








ですが





わたくしに見向きもしないこのお方に


縁談なんて・・・





その時ばかりは、


このわたくしでもさすがに


自信を無くしそうになりましたわ。





しかし それをよそに、


スノウはキリッとしたお顔で一言





「今すぐ出かけよう」





そうはっきりと


申し出てくださいました。








感動しましたわ。








わたくしはこのとき既に、


恋に落ちていたのだと思います。

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