第90話 紫色部隊
パレットは、ハーフエルフを20人ばかり雇った。
みんな少年少女達。力も弱い。
「それで、どうするんだ? 風俗街にでも売り飛ばすのかい?」
ハンナはそう聞いた。
「そんなことはしませんよ。とりあえず、これを」
パレットは、ハーフエルフたちに銃を渡す。
「あの的に向けて撃ってみてください」
パレットはそう言った。
みんな不思議そうにしている。
「おいおい、なんだそりゃ? 意味が分からないぞ」
ハンナはそう聞いた。
「ま、見ていてくださいね」
パレットはひとまず、自分で銃を撃った。
ズギューン! と音が鳴り、的に穴が開いた。
驚くハーフエルフたち。
「これは……? 弓矢なのか?」
驚くハンナ。
「まあ、そうですね。でも破壊力は段違いですよ」
パレットはそう言った。
「こいつらに銃を持たすのか? 危なくないか?」
アルカディアは聞いた。
「危険は百も承知ですよ。信頼しないと」
パレットは言った。
ハーフエルフたちは次々と銃を放った。
ズギューン! ドーン! ズギューン!
ハーフエルフたちの器用さは素晴らしい。あっという間に、的に次々と命中させられるようになった。
「へえ、みんなやるなあ。よし、私もやらせてくれよ」
ハンナは言った。
「どうぞどうぞ」
パレットは銃を渡した。
ハンナは果たして銃を放ち、的に命中させた。
「凄いもんだな、これは。射程も滅茶苦茶長くないか?」
ハンナは聞いた。
「まあ、ライフルですからね。一キロぐらいは飛びますよ」
パレットは言った。
「マジかよ。でもさ、これで撃たれたらお前死ぬんじゃないか?」
ハンナは言った。
「まあね。でもまあ、それは良いんですよ。皆さんを信頼し、魔王を倒すために全力を尽くすだけです」
パレットは言った。
「欲の無い事だ。ま、正義の味方ごっこも嫌いじゃないけどさ」
そう言ってハンナは銃を更に放つ。全弾命中だ。
「よっと!」
「これなら!」
「もう一発!」
ドーン! ズギューン! ドーン!
ほとんど百発百中になってきたハーフエルフ銃兵。
「お見事です、皆さん。ところで、魔術を使える人は?」
パレットが聞くと、ほとんどが手をあげた。
「へえ、こんなに魔術使えるの?」
タバサは驚いた。
「ハーフエルフは魔術の素養がある奴が多いんだよ。それで?」
ハンナは聞いた。
「それなら『魔力銃』も使えますね。これは文句なしの精鋭部隊ですよ」
パレットは言った。
「何だそれは?」
ハンナは聞く。
「更に強力な銃だ。比べ物にならないほどにな」
アルカディアは言った。
「……おまえらちょっとおかしくないか? 本当にそれでいいのか? 逆に不安になってきたんだが」
不安なハンナ。
「いいんですよ。生きている限り、不安なくらいでちょうどいいんです」
パレットは言った。
「そういうもんかねえ。そうかもしれんけどさ」
ハンナは呆れて言った。
パレットは、ハーフエルフたちに魔力銃を装備させ、紫色の服を着せた。
最強の部隊、「紫色部隊」が誕生した。




