第87話 アルカディアの発明
アルカディアは、やはり天才だった。
パレットが思うに、天才というのは二種類居る。孤高の天才、そして本物の天才。
どちらも天才だが、孤高の天才では意味が無い。誰も理解できないからだ。
アルカディアは本物の天才だった。パレットの言う事をスポンジのように吸収し、すぐに実際の実験に活かしていく。
「ライフリングか。理論はわかるが、実際に可能なのか?」
アルカディアは聞く。
「可能ですよ。別に難しくはありません」
パレットはそう言った。
前の周回でドワーフたちが苦労して成し遂げたことを、あっという間に理解し、実行していくアルカディア。強力な銃や大砲が完成していく。
「ゴーレムには様々なパターンが考えられるな。何を重視するか」
アルカディアは言った。
「色んなパターンというと?」
タバサは聞いた。
「単純に防御を重視するか、もしくは攻撃的なゴーレムを開発するか、とかかな。飛行能力を付けたりするのも面白いかもな」
アルカディアは言った。
「面白いですが、やりたい放題ですね。まあ、そんな派手な事はしなくていいので、壁として扱えるのが良いですね」
パレットは言った。
「夢の無い奴め。まあ、現実主義と言うべきか」
アルカディアはそう言って、ゴーレムを設計していく。結局、ゴーレムは様々なパターンが作られた。
まず防御重視のⅠ型。そして攻撃力重視のⅡ型。飛行能力付きのⅢ型だ。
「私も気付いて来たんですが、アルカディアさんマジでヤバくないですか? こんなゴーレムがあったら世界支配できちゃうでしょう」
パレットは言った。
「仕方ないじゃん。世界滅ぼす奴らと戦うんでしょ?」
アルカディアは言った。
銃や大砲の進化型も開発された。一つは魔力ライフル。魔力が無いと使えないが、絶大な破壊力を誇る。
「これはパレットに渡そう。有効に使ってくれ」
アルカディアは言った。
「ふむ。試してみるか」
パレットはそう言って、魔力銃を構えた。
的に向け、魔力を込める。キイン! と光を放ち、銃弾が飛ぶ。
ドーーーーーーーーーン……
凶悪な破壊音と共に、的どころか部屋の壁すら抜け、海の彼方へと飛んでいく。
「これは凄いですね。射程無限じゃないですか?」
呆れるパレット。
「良い感じだな」
アルカディアは言った。
「いやおかしくないか? 何と戦うんだよ……」
呆れるタバサ。
「魔王と戦うんだから、これぐらいは必要だよ。ていうか、軍隊もどうしても必要だな」
アルカディアは言った。
「ゴーレムだけでは厳しい?」
パレットは聞いた。
「流石にそれだけだとちょっとね。せめて魔力爆弾の投擲役は欲しいし。魔力銃を揃えて魔術師を集めるというのもありかな」
アルカディアはそう言った。
そして魔力砲。広範囲を破壊できる超兵器だ。
「これさえあればガーディアンなんぞ恐れることは無いぞ。良かったな、パレット」
アルカディアは笑った。
「はあ、そうなのか……」
パレットはそれを見た。青色に光る巨大な大砲。膨大な魔力を消費するが、恐るべき破壊力を誇るだろう。




