第86話 戦う事が必要ならば
水の街、カヤ。
河や運河が網目のように張り巡らされた街。
その街を、庭のように泳いでいくクリスの舟。
「やあ、クリス」
街の人が挨拶してくれた。
「どうも、おじさん」
クリスは答えた。
「クリスはこの街に詳しそうだね」
パレットはそう言った。
「そりゃあね。この街で暮らしているようなもんだしさ」
クリスは言った。
舟は街を泳いでいき、城へと辿り着いた。城の裏手には、船着場がある。
そこにクリスは舟を付け、上陸した。
「やあ、クリスか。どうした?」
舟に対する門番が居る。
「どうも。お客さんだよ。アルカディアに会いたいんだってさ」
クリスは言った。
「そうか。ま、良いぜ。お前の事は信用してるしな」
門番はそう言った。
この城の防御はそんなに堅くない。そのままパレット達は城へと入った。
城の中も弛緩した空気が流れている。基本的に政治組織であって、軍事組織ではないのだろう。
その地下に、アルカディアの部屋はあった。銀髪赤眼の小さな少女が、白衣を着て、色々な道具を使って何かを作っている。
「やあ、アルカディア」
クリスは言った。アルカディアは振り向いた。
「クリスか。後ろの人たちは?」
アルカディアは聞いた。
「久し振りだな、アルカディア」
タバサはそう言った。
「ジェルメーヌさんじゃん。何で女王様がここに?」
アルカディアは言った。
「ま、良いじゃん。みんな私の友達さ」
タバサはそう言った。
「パレットです」
パレットは言った。
「アマリアです。仲良くしてね、アルカディアちゃん」
アマリアはそう言った。
「良いけど私は忙しいんだ。何か面白い物でもあるのか?」
アルカディアは聞いた。
「ありますよ」
そう言ってパレットは、能力を使った。
『取り出し』(アイテムボックスからアイテムを出す)
パレットは、銃、大砲、ゴーレムを取り出した。
「へえ、武器か。誰が作ったんだ?」
アルカディアは聞いた。
「ボリッドメントのドワーフですね。アルカディアさんも、武器を作ってくれませんか?」
パレットは言った。
「私は武器はあまり好きじゃないんだけどな。その必要があるのか?」
アルカディアは聞いた。
「ありますよ。エンドポイントのゴーレム、いや、ガーディアンでしたか。あれを倒すためにね」
パレットは言った。
「古代エルフのガーディアンか。魔剣を取らなければ、あれは遺跡を動かないはずなんだが……」
アルカディアは言った。
「残念ながら、魔剣を取った人が居たみたいですよ」
パレットは言った。
「愚かな……」
アルカディアはうめいた。
「まあこいつも魔剣は持ってるけどな」
タバサはそう言った。
「魔剣を手にしたものは世界を滅ぼすって、色んな人やエルフが何度も警告してるんだけどな。まあ、それでも魔剣を手にするものは必ず居るとも言ってたが」
アルカディアは言った。
「まあ、便利だし強いですからね」
パレットは言った。
「私は便利だし強いぞ」
フレイヤはそう言った。少し笑っている。
「そういうことなら、武器を開発しよう。人間の力を高めなければ……」
アルカディアはそう言って、紙に何やら書き始めた。
「この銃や大砲の問題点についてはわかりますか?」
パレットは聞いた。
「話してくれれば、理解するさ。そして一つずつ問題を解決しよう」
アルカディアは言った。




