第81話 小人の山国 アディレード
「『回収』」
パレットは、銃や大砲、ゴーレムを盗んだ。不思議空間にしまった。
そして港へ。船に乗り、カヤへと向かう。
「いずれはエルフィアの魔剣も欲しいですけどね」
パレットはそう言った。
「強力ではあるらしいが、エルフに殺されるだろうな」
タバサはそう言った。
ボリッドメントから出た船は、アイジール島北部、アディレードへと到着した。
「このまま船に乗っていても良いが、折角だし陸路を取るか?」
タバサは聞いた。
「アディレードは初めてだし、そうするよ」
パレットはそう言った。
アディレードはハーフリングの国。山の中に小人たちがたくさん住んでいる。
パレット達はその中に差し掛かった。
すると、ハーフリングたちが続々と出てきた。
「旅の方、ここは危険です。逃げた方が良い」
そういう老人。
「どうしたんです?」
パレットは聞いた。
「最近、ゴブリンやオーガがこの国を狙っているのです。既に麓の連中は皆殺しにされました……」
老人はそう言った。
「私達はもう終わりです。悪い事は言いません。お逃げください」
少女はそう言った。
「何を馬鹿な。お前たちこそ逃げるべきだろう」
タバサは言った。
「ここは我々の故郷。逃げる場所などありません」
長老は言った。
「うわーんわーん……」
男の子が泣いている。
「泣かないで。よしよし……」
母親が慰めていた。
「パレット。これは助けなければならないぞ」
タバサはそう言った。
「ですよね」
パレットもそう言った。
「お気持ちは有り難いですが、そのように小さな少女とお嬢様では、あいつらには到底勝てませぬ」
老人はそう言った。
「まあまあ。やってみなきゃわかんないさ」
タバサは言った。
その時、ゴブリンが一体襲い掛かってきた。タバサはまだ気づいていない。
「うかつだよ、タバサ!」
パレットは魔剣フレイヤを鞘から抜き、ゴブリンを斬りつけた。
まるでチーズのように切れるゴブリン。あっという間に死んだ。
「ああ、悪い悪い。油断してたな」
タバサは謝った。
「凄い! 強いんだね、君」
男の子が驚いた。
「まあね。ゴブリン如きどうってことないよ。任せといて」
パレットはそう言った。
ゴブリンたちは、その近くで酒盛りをしていた。
簡素な陣張りの中で酒を飲みまくり、油断しまくっている。
「ギャハハハハ! 小人どもを皆殺しにしてやるぜ!」
笑うゴブリン。
「へへへ。あいつら弱いからな。楽しいな!」
そう笑うゴブリン。
そこにとことこと現れるパレットとタバサ。
「あん? なんだあいつら」
「殺されに来たんじゃねえ?」
「あいつは小人じゃねえな。何もんだ?」
警戒するゴブリンたち。
「奇襲した方が良かったですかね?」
パレットは聞いた。
「まあな。でもいいじゃん。奇襲じゃ楽しめねえしさ」
タバサはそう言った。
「ああん? 楽しむ? へっ何をだよ?」
ゴブリンはそう言った。
「もちろん、戦いをさ」
タバサは剣を抜いた。
シーベルエンダに伝わる名剣、ボア。
巨大、切れ味抜群、頑強。純正なる強い剣だ。
「はあ!」
ズシャア! とゴブリンを真っ二つにした。
「ギャアアアアアアアアアア!」
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!」
叫びまくるゴブリンたち。
仲間を呼んでいるのだ。そして、その仲間たちが来る。数え切れないほどの物量。
「ギャハハハ! お前らもうおしまいだ!」
「俺たちはいくらでもいる! 死ね!」
「降参しろ! なら命だけは助けてやるぜ! ギャハハハ!」
笑うゴブリンたち。その数は多い。100以上は居る。
「《光と炎の精霊》よ!《レイ》!」
ビシイイイ! とレーザーがパレットから放たれ、なぎ倒していく。瞬く間に多くのゴブリンが焼かれ、絶命する。
「て、てめえ!」
叫びながら襲い掛かるゴブリン。
「《闇と水の精霊》よ…… 《デススワンプ》」
タバサの魔術で、おぞましい闇の沼が口を開け、ゴブリンたちを奈落の底へと落としていく。
「ひいいいい! こいつら魔術師だ!」
「た、助け、ぎゃあああああああ!」
「うああああああ……」
ゴブリンたちはあっという間に全滅した。
「やりますね、タバサ」「おまえもな」
パレットとタバサはお互いを称えた。
「てめえら、調子乗ってんじゃねえぞ」
そう言ったのは、巨大な緑色の怪物、オーガだ。
4メートルはあろうかという巨体。あのガーディアンよりもデカい。
巨大な棍棒を握りしめ、歯ぎしりをして二人を睨む。
「ボスの登場ってわけか」
タバサはそう言った。
「そういうことですね」
魔剣を構えるパレット。
「うがああああああああ!」
叫びながら棍棒を叩き落とすオーガ。しかしパレットとタバサは余裕でかわす。
「《炎と水の精霊よ》! 《ブラストウォーター》!」
タバサにより水蒸気爆発が起こり、オーガを吹き飛ばす。
「ぐあああああああ!」
叫ぶオーガ。苦しむ。
「《万色の精霊》よ、《イレイサー》!」
パレットから強烈な破壊光線が放たれ、オーガは現世より消し飛んだ。




