第79話 意外な仲間
「フレイヤ、どうすれば魔王倒せるかなあ?」
パレットはとりあえず魔剣に聞いてみた。
「魔王か。我の力を引き出せば倒せるかもしれんが」
フレイヤは言った。
「そうなの?」
パレットは聞いた。
「魔王というのは、要するに魔剣に魂を乗っ取られたもののことだ。魔剣に魂を奪われれば奪われるほど、その力は増す。お前も私に乗っ取られればいいぞ」
フレイヤはそう言った。
「それはちょっと……。他にいい方法は無いの?」
パレットは聞いた。
「そんなこと言われてもな。まあ、相手がどんな奴かにもよるが」
フレイヤはそう言った。
「何か妹キャラみたいだね。こじらせ系の」
パレットは言った。
「そうなのか? まあ、しかし魔王は強いぞ。やはり私の力を存分に引き出すことだな」
フレイヤは言った。
パレットは考える。まあ、そうなんだろう。しかしフレイヤの言う事も信用はできないが。
「ちなみに魔剣を二本同時に使う事はできる?」
パレットは聞いた。
「不可能だ。そんなことをすれば即死する。そもそも、一本でも扱えるものは限られているんだ。そこら辺の人間が手にすれば即死するぞ」
フレイヤは言った。
「そうすると、魔剣を二本以上使う場合は仲間が必要なんだね」
パレットはそう言った。
「そりゃまあ、そうだな」
フレイヤはそう言った。
パレットは飛行能力を使い、空へと舞い上がった。そのまま北へと向かう。
グァーサを越え、海峡を越えてシーベルエンダへと入った。
「とりあえずシーベルライスを食べようっと」
すっかりハマってしまったパレット。
また以前とは違う店に入り、シーベルライスを頼んだ。パレットはちょっと小さすぎるため不審がられたが、まあちゃんと食べ物は出てきた。
「おお、美味しい!」
喜ぶパレット。スパイスが少し違うと、味もまた違う。
「ふむ、そうだな」
フレイヤも言った。
「え? わかんないでしょ」
パレットはそう言った。
「わかるぞ。私とお前は魂で繋がっているからな」
フレイヤはそう言った。
「へえ、そうなんだ。文字通り一蓮托生ってわけだね」
パレットはそう言った。
食べ終わると、パレットは料金を払った。その時、見覚えのある人が入ってきた。
他ならぬ女王陛下だ。ちょっとフードを被って変装してるみたいだけどバレバレだ。
「女王陛下、ここで何を?」
聞いてみるパレット。
「なななな何を言うか! 私は女王などではない! ただの一般人だ!」
そんなことを言うジェルメーヌ。
「そうなんですか。まあそれでも良いですけどね……」
呆れるパレット。
「ていうか良いじゃん! たまには美味しいシーベルライスを食べたいの!」
ぶっちゃける女王様。
ジェルメーヌは席に座った。特等席だ。店員もわかっている。
「お前、ちょっとこっちに来いよ。ジュースを奢ってやるぞ」
そういう女王様。
「本当ですか? ありがとうございます!」
断る理由はない。パレットは対面に座った。
「それにしてもみない顔だが、何故私に気付いたんだ?」
ジェルメーヌは聞いた。
「いや、前に会ったことがありますよ。まあ、前世ですけどね」
パレットはそう言った。
「前世、となると、転生者か」
女王はそう言った。
「まあ、そういうことです」
パレットは言った。
「お前は困難にぶち当たっているのか?」
ジェルメーヌはそう聞いた。
「まあ、そうですね。ボリッドメントを頼った時は、陛下にも随分嫌われましたし」
パレットはそう言った。
「まあそりゃな。どうだ、ここは一つ、私を頼ってみないか」
女王はそう言った。
「そりゃ嬉しいですけど、どうしてです?」
パレットは聞いた。
「私は暇なんだよ。こんな国で女王とかやってられないし」
身も蓋もない女王様。
「あはは、まあわからないではないですね。それじゃ私と旅に出ませんか?」
パレットは聞いた。
「それも良いな。よし、私は今日からタバサと名乗ろう」
女王は言った。
「別に良いですけど、何故そんな名前を?」
パレットは聞いた。
「私のメイドの名前さ。影武者をやってもらってるしな」
笑うタバサ。
「良いんですか? タバサさん可哀想ですけど」
そう言ってパレットは笑った。




