第76話 エルフの森で
海を貫く岬。
パレットは、またここにやって来た。パレットは繰り返す。何度も。
その事実を思い出す。パレットは繰り返す。勝つまでだ。
漁村を抜け、エルフの森へ。警戒するパレットとエステル。
「良く来たな、転生者よ」
その時、剣を構えたエルフがそこに居た。
巨大な剣と強力な肉体。いかにも熟練の兵士という感じのエルフだ。
「始めまして、パレットです。しかし、私が来ることはご存じでしたか」
パレットは言った。
「エルフを騙せると思うな。我々は真実を見抜く」
エルフは言った。
「では、私達の目的もご存じですか」
エステルは言った。
「もちろんだ。王と奥方様が会われる。来い」
エルフは言った。
歩いていく三人。
「ちなみにあなたの名前は?」
パレットが聞いた。
「ジュレンダーだ」
ジュレンダーはそう言った。
パレットは思い出す。その名前、聞いたことがあった。
美しい森を抜けると、静かに佇む巨大な湖。世界の全てが静止したかのような全き美がそこにある。
そこに二人のエルフが居た。王と王妃だろう。
「良く来ましたね、転生者パレットよ」
王妃はそう言った。
「はい、奥方様、お元気で」
パレットは言った。
「その口ぶり、初めてでは無いという事ですね」
王妃は言った。
「はい」
パレットは言った。
「私を殺しに来ましたか」
王妃は言った。
「必要と……あらば」
パレットはそう言った。
「無礼な!」
ジュレンダーが怒り、剣を抜いた。
「……」
エステルは動かない。
「落ち着けジュレンダー」
王は言った。
「いや、しかし……」
ジュレンダーは警戒を続ける。
「理由を聞きましょうか」
王妃は聞いた。
「魔剣が欲しいのです」
パレットはそう言った。
「魔剣を手にしたものは魔王となり、世界を滅ぼす」
ジュレンダーは言った。
「魔王を倒すためです」
パレットは言った。
「論外だ」「論外です」「論外だな」
王、王妃、ジュレンダーは言った。
「ならば、力づくでも」
パレットは剣を抜いた。
「はあ!」
ジュレンダーが斬りかかる。それを受けるパレット。
「《万色の精霊》よ! 《ブラストチェイサー》!」
パレットは魔術を使い、ジュレンダーを攻撃する。
「うぐ!」
ドドドド! と連撃を食らい、ジュレンダーは後退した。
「すまないが、死んでもらおう」
王は剣を構えた。
「さようなら、転生者よ」
王妃は弓矢を構え、放った。
キイン! と矢を弾くパレット。
「パレット、逃げよう」
エステルは言った。
「逃げるわけにはいかない!」
パレットはそう言った。
「ならば、死ね!」
剣を突き出す王。それをかわすパレット。
「《森の精霊》よ、《ルートスピア》」
王妃が魔術を使った。鋭い根っこの槍がそこかしこから襲い掛かる。
ドスドス! とパレットに突き刺さった。
「うぎゃあああああああ!」
パレットは叫んだ。
「死ね」
ジュレンダーは、パレットに近づき、その首を刎ねた。




