第70話 冷徹なる王 マヌエル
ボリッドメント王城。
湾の内側にある城。巨大かつ堅牢な名城だ。城壁の高さは世界一。深い堀もある。海からの接続も可能。
ボリッドメントは世界最強の国家。故に、この城こそいわば世界の中心だ。
その城にパレット達は呼び出されていた。フェドとエレオノーラはありえないほど緊張している。
「どどどどどどうしましょう!? このままでは、私達は殺されることに……」
びびるエレオノーラ。
「おち、おちつけ妹よ。大丈夫だ。大丈夫。ダイジョブ」
ヤバい状態のフェド。
「もう面倒だし行きましょうよ」
パレットは言った。
「そうだぞ。グダグダしても仕方ないだろ」
グラシアは言った。
5人は城の中へ。重装備の兵士たちが並ぶ。その中をガラガラと一輪車を引いてフェドが、その他の4人が進む。
玉座の間に来た。玉座に居るのはドワーフだ。
「良く来たな」
ドワーフ王はそう言った。名はマヌエル。
「お初にお目にかかります。どうか命だけはお助けを……」
すっかり恐縮するフェド。
「ははは、殺すつもりはない。同じドワーフ、仲良くしてくれ」
笑うマヌエル。
「はっ」
フェドは頭を下げた。
「マヌエル陛下。それで、何用でしょうか」
パレットは聞いた。
「うむ。いや、お前たち中々面白そうなものを作っているようじゃないか。それで我が国を滅ぼそうとでも言うのか? ん?」
割と脅してくる王様。
「とんでもないです! とんでもないです! わ、私達はその、世界平和の為に!」
叫ぶエレオノーラ。
「はっはっはっ。世界平和のために銃や大砲を作る馬鹿が居るか!」
叫ぶ王。
重装備の兵士たちがたくさん構えている。普通に考えて戦ったら死ぬだろう。
「も、申し訳ございません……。命だけはお助けを!」
泣いて土下座するフェド。
「まあまあ陛下。そう脅されず。こちらの話も聞いていただけませんか?」
一方、余裕という感じのパレット。
王も少し驚いた。
「ふむ。小娘に見えるが、大した胆力だな。お前、名は?」
聞く王。
「パレットと申します」
パレットは言った。
「まあ、話を聞くために呼んだわけだしな。それで?」
王は聞いた。
「はい。今や、魔王パヴリナによって世界の滅びが近づいております。今こそ、様々な国の色んな力を合わせて立ち向かうべき時。銃も大砲もそのためのもの。何なら、陛下がお使いになっても構いませんよ」
パレットは言った。
「ほほう。銃も大砲も私に渡すと?」
王は聞いた。
「ええ。いずれにせよ、たくさん量を揃えて、兵を率いなければなりませんしね。あなたならそれにふさわしいかと思いますが」
パレットは言った。
「ふむ。口も上手いようだな。よし、フェドとエレオノーラとか言ったな。ワシに仕えるか?」
王は聞いた。
「は、はっ! よ、喜んで仕えさせていただきます!」
フェドは言った。
「な、何でもします! 命だけはお助けを!」
何でもしちゃうエレオノーラちゃん。
「よかろう。それでパレットとやら、お前もワシに仕えてくれぬか?」
王はそう聞いた。
「それは構いませんが、私達はもう少し仲間を集めたいし、兵も集めたいのです。自由に行動して構いませんか?」
パレットは聞いた。
「もちろんだ。何、お前の話がもう少し聞きたくなっただけさ。いや、お前たちのような部下ができて私は嬉しいぞ」
王はそう言って、喜んだ。




