第65話 湖に輝く月 アンダーパペット
翌朝。セラ城広場。
「それでは、行ってまいります!」
叫ぶエステル。
「姫様~!」「頑張ってね~」「お元気で~」
そういう人々。
パレットはエステルを掴み、飛んだ。
ぐんぐん上空に上がっていく。エステルもパレットを掴んだ。
「行きますよ」
パレットはそう言って、高速で飛び、セラを離れていく。
凄い風が吹いている。髪の毛が凄いことになる。
「うえっぷ、何とかならないの、これ!?」
混乱するエステル。
「別にいいじゃないですか」
そういうパレット。
「パレットちゃんは良いのかもしれないけどさ。私にとってこの髪は誇りなんだよね」
エステルは言った。
そんなエステルを無視し、高速で飛びまくるパレット。
スカイクラウド上空を通過し、そのままアンダーパペットへと入った。
アンダーパペットには巨大な湖がある。というか、海ともちょっとだけ繋がっている湖なので厳密には湖と言えるかすら怪しい。もちろんでかい。
この湖にはたくさんの魚や貝が居て、それらを捕って生活している人がたくさん居る。
この湖の南には巨大な城がある。この世界でもトップクラスに巨大な城。夜には湖に反射した月の光に照らされることから、月光城と言われる。
パレット、エステルの二人はその城の近くに降り立った。
「とりあえず、城に行きますか」
パレットは言った。
「おや、パレットちゃん。てっきりあの城の中に降りるのかと思ったよ」
エステルは言った。
「いや、そんなことしたら犯罪じゃないですか。ありえないですよ」
パレットは言った。
「おっと? 私が城の中でのんびりしてたらパレットちゃんが降りてきたんだけど……」
ツッコむエステル。
そんなエステルを無視し、パレットは城門に行った。
「ごめんください」
パレットはそう言った。
「おや、お嬢ちゃん。何かな?」
門番が聞いた。
「そういや、何でここに来たんだっけ」
もはやボケているとしか思えないパレット。
「私の師匠がここに居るんですよ」
エステルは言った。
「え、そうなんだ。知らなかったよ」
パレットは言った。
「言ってなかった気もするしね。聞かれなかった気もするし」
段々バカバカしくなってきたエステル。
「師匠ですか。ちなみにその方の名前は?」
門番が聞いた。
「グラシア」
エステルは言った。
「グラシア様ですか。ちなみにあなたは?」
聞く門番。
「エステル。セラの王女よ」
エステルは言った。
「まさか! ……少々お待ちを」
門番は走って行った。
しばらくすると、門番は戻ってきた。横にはやる気の無さそうな女性が居た。
「なんだ、エステルか」
グラシアはそう言った。
「師匠、お久しぶりです」
エステルは言った。




