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万色のパレット  作者: 秀一
三周目 空飛ぶパレット
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第59話 飛んでるパレット

 パレットは、また生を受けた。

 

 3歳まで育つパレット。三歳にならないと何もできない仕様らしい。

 

 前世や周回を思い出すパレット。

 

「さて、どうしようかな……」


 前回の周回は色々と上手く行った感があった。しかしまあ結果的には失敗したわけで、まあそういうこともあるだろう。

 パレットについても研究の余地はあるだろうが、それだけでは完璧とは言えないようだ。

 確かに万能とも言える能力だが、制限もあり、無敵というわけではない。

 

「とりあえず、この家でのんびりしていても駄目なのは確かだ。となれば……」

 パレットはそう言って、外に飛び出した。

 

『飛行』

 空を飛ぶパレット。

 

『高速飛行』

 せっかくなので加速するパレット。

 

 とりあえず上空に舞い上がると、方向を考えた。

 東か北か。まあ、アイジール島には行ったから、北へと行くか。

 

 またラックを越え、べアールを越え、グァーサからシーベルエンダへ。

 シーベルライスを食べたいとも思ったが、そんな暇は無いだろう。

 

 そこからは未知の領域。山が多く、人が住むのは厳しそうだ。

 

 しかし更に進むと、巨大な湖が見えてきた。その周りに街が点在している。

 

「へえ、こんな国もあるんだね」

 パレットは言った。

 

 湖の近くには巨大な城もある。かなり巨大な城だ。

 

「アレも興味はあるけど、更に進むか……」

 パレットは独り言を言った。

 

 パレットは更に飛ぶと、ますます山が険しくなってきた。もう山しかない。山、山、山。ただひたすらに山。人はその中で細々と暮らしている。

 

 だがその山の中に、突如現れる天空の都市。

 山の頂上にある城。その城下町。

 

「こんなところにも国が……」

 パレットはそう言った。

 

「ちょっと寄ってくか」

 パレットは、城下町に降り立った。

 

 街ゆく人たち。数は多くないが、確かに街だ。

 

「すいません」

 パレットはその辺の人に話しかけた。

「ん? どうしたの、お嬢ちゃん」

 女性が答えた。

 

「ここは何という国ですか?」

 パレットは聞いた。

「スカイクラウド。天空の都市よ。お嬢ちゃんは旅の人?」

 女性は聞いた。

 

「そうです。ちなみにセラは?」

 パレットはそう聞いた。

「この北にあるわよ。セラに行くの?」

 女性は聞いた。

「ええ。セラは元気な国ですか?」

 そう聞くパレット。

「当たり前じゃない。何を聞くの? 面白い子ね」

 笑う女性。

「そうですか。では、失礼」

 パレットはそう言って、去って行った。

 


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