第51話 世界最大の街 セプテッタ
次の日、ドワーフ達とパレット達は、船に乗り、セプテッタへと渡った。
セプテッタは港湾都市。湾に突き出す岬のような場所に都市があり、城壁で囲われている。極めて防御力の高い都市だ。
そして、世界最大の都市でもある。人口はとても多く、商店もとてつもなく多い。文化、文明、技術も発展しており、情報もどんどん入って来る。まさに世界の首都、中心地だ。
王制をとってはいるが、商人の力も強い。政治制度のバランスも良く、この世界でも最も重要かつ最強の国だろう。
ドワーフの艦隊はセプテッタの港に船を付け、次々と上陸。ドワーフたちが、中央大陸へと降り立った。もちろん、パレット達も。
「よく来てくれたな、ドワーフたちよ」
その時、壮年の立派な男が迎えに来た。
「クイント王、わざわざ出迎えとはな」
ドワーフの王が言った。
「フェルナンド殿。来てくれてうれしゅうございます」
セプテッタ王は言った。
「あなたがセプテッタの王、クイント陛下でしたか。私はブラック。べアール王国第二王子でございます」
ブラックは言った。
「ほほう。これは珍しい。……して、べアールの王子が何用で?」
王は聞いた。
「我々はまだ事態を把握してはおりませぬ。ただ、軍事同盟を各国と結んでおります。すでに南方の国家と、シーベルエンダ、エルフィア、カヤ、アイジールと同盟をいたしました。どうか、セプテッタも加わっていただきたい」
ブラックは言った。
「壮大な話だな。しかし、今はそんなことを言っている場合ではないのだ」
王はそう言った。
「……と、もうしますと?」
訝しがるブラック。
「いや、同盟とあればありがたいがな。ミングスは今、ゴーレムに包囲され危機的状況にある。しかも、セラの王女が未だにミングス城の中に居るのだ。即刻助けに行かねばならないのだが……」
王は言った。
「クイント殿。気持ちはわからないではないが、今や王女一人に構っている暇はありますまい」
ドワーフの王、フェルナンドは言った。
「本来ならばそうだ。しかし、セラの王女は今回の事態の真相を知っているらしい。ここで死なれては困るのだ」
クイントは言った。
「そうなのですか。まあ、今回はゴーレムどもと戦うつもりで来ました。その戦いに命を賭けても構いませぬが……」
フェルナンドはそう言った。
「それでしたらば、この私にやらせてくれませんか」
パレットは言った。
「何だこの小娘は?」
クイントは言った。
「ああ、我が国の魔術師です。手練れですよ」
ブラックは言った。
「ふむ。しかしあのゴーレムに魔術は通じんぞ」
クイントは言った。
「私は飛行魔術も使えます。王女を救出してまいりましょう」
パレットは言った。
「ふむ……。まあ今は猫の手も借りたいところではあるが……」
クイントは言った。
「いずれにしても、あのゴーレム共の好きにさせておくのは癪でしょう。セラの王女が救えれば幸運というものではありませんか」
フェルナンド王は言った。
「そうだな。……すまないが、お願いいたす、フェルナンド殿」
クイント王はそう言った。
「お任せあれ。ドワーフの力、見せつけてやりましょう」
フェルナンド王はそう言った。




