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万色のパレット  作者: 秀一
二周目 家出少女パレット
18/99

第17話 バランス部

 それから、三年の月日が流れた。

 

 パレットも6歳になった。その豊富な知識と絶大な魔力、多彩な魔術で、パレットは魔法学園のみならず、べアール帝国でも一目置かれる存在になっていた。

 

「こ、こんにちは! パレットちゃん!」

 そんなパレットを気に入ったのが彼、ターヴィ。

 パレットの3つ上の少年だ。パレットを一目見た時から気に入っていた。一目惚れだ。

「どうも、ターヴィ君。何か用?」

 COOLに聞くパレット。

「きょ、今日もいい天気だね! なんて…… えへへ」

 そんなことを言うターヴィ君。

 

「やあ、ターヴィ君にパレット」

 話しかけてきたのはシオーネ。彼女はエルフだ。何歳だろう? しかし聞くわけにもいかないだろう。

 

「シオーネさんですか。如何なさいました?」

 そう聞くパレット。

「別に用とかないけどさ。パレットは、何か部活とか入らないわけ?」

 そう聞くシオーネ。

 

 パレットは考える。部活?

 

「そんなものありましたっけ?」

 パレットは聞いた。

「あるよ! 知らないの? 魔法学園には、魔法関連の部活があるんだよ」

 シオーネは言った。

「僕は『大地魔法部』だけどね。パレットちゃんの精霊は?」

 そう聞くターヴィ。

 

「私は全精霊使えるし。クラブとか必要ないね」

 パレットは言った。

「天才少女様は違いますなあ。しかしそれなら、オリジナルのクラブでも作ってみたら? 何ならあたしが入ってやっても良いよ。私帰宅部だしさ」

 割とぼっちなエルフ。

 

「ぼ、僕も、パレットちゃんのクラブなら入っても良いかなって」

 ターヴィは言った。

 

「良いかもね。んじゃこう、『バランス部』みたいな感じで」

 そういうパレット。

「ん? 何それ」

 そう聞くシオーネ。

 

「いや、人生にはバランスが必要だと思うんだよね。何事も中道が一番だよ。やり過ぎずやらなすぎずね」

 パレットは言った。

 

「いや、そうかもしれないけどさ。パレットちゃんって、割と人生を達観してるんだね」

 ターヴィは言った。

「エルフだとそういう事言う奴も多いけどな。ま、あたしはそれでも良いよ。何するかよくわかんないけどさ」

 シオーネは言った。

 

「んじゃ決定ね。それじゃ今日は、べアールで何か美味しいものでも食べに行こうか」

 遊ぶ気満々のパレット。

「よし! 行こう!」

 大賛成のシオーネ。

「やった! パレットちゃんとデートだ!」

 楽しそうなターヴィ。

 

 こうして、『バランス部』が誕生した。

 


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