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万色のパレット  作者: 秀一
二周目 家出少女パレット
16/99

第15話 密談

 パレットは、指定された部屋へと向かった。

 

「入れ」

 中から声が聞こえた。

「失礼します」

 パレットは中に入った。

 

 中にはテーブルと椅子。椅子に座るブラック王子。

 そして横に立つ不気味な少女。

 

「座りたまえ」

「失礼します」

 パレットは座った。

 

「ウィーネ、下がれ」

 ブラックは命令した。

「危険です、王子」

 ウィーネは言った。

「命令だ」

 ブラックは重ねて言った。

「……。了解、しました」

 ウィーネは外へ出た。ドアが閉められた。

 

「すまんな、パレットちゃん。頭の固い奴が多くてな」

 王子はそう言った。

「いえ。ちなみに、どういう話を?」

 パレットは聞いた。

 

「とりあえず、知っていることを全て話してもらおうか」

 王子は言った。

 

「……それは流石に、承服できかねます」

 パレットは言った。

「何故だね?」

 聞く王子。

「他意はありませんが、信じてもらえないと思いますし」

 パレットは言った。

 

「お前は『転生者』ではないのか」

 王子はそう言った。

 

 流石に驚くパレット。

 

「……」

 パレットは、黙った。

 

「沈黙は肯定と受け止めようか。女神によってこの世界に?」

 聞く王子。

「ええ、そうです。あなたは女神についてご存じで?」

 聞くパレット。

「いや、あまり詳しくは無いぞ。ただ、そういう情報もあるというわけだ」

 王子は言った。

 

「先の周回では女神も現界してましたけどね」

 パレットは言った。

「ん、そうか。ていうか、繰り返しているのか?」

 聞く王子。

「ええ。私が20歳になった頃に、世界滅びるみたいなんで」

 パレットは言った。

 

「そりゃまたどうして?」

 聞く王子。

「知りませんよ。何かデカイゴーレムみたいなのが大量に襲ってきましたけど」

 パレットは言った。

「やはり、『エンドポイントのゴーレム』」

 王子は言った。

「何ですかそれは?」

 聞くパレット。

 

「エンドポイントは、ここから遥か北にある国だ。ここからあふれ出したゴーレムが、周辺の国を破壊しているらしい」

 王子は言った。

「そうなんですか。ならば、戦わないと」

 パレットは言った。

「ちなみに、お前がゴーレムにあったのはどこだ?」

 聞く王子。

「前回の話ですよね? ラックですが」

 パレットは言った。

 

「この国の南か。もうそこまで来たら、完全に終わりじゃないか」

 王子は言った。

「この国って、世界のどの辺にあるのですか?」

 パレットは聞く。

「お前そんなことも知らないのか? この辺りは世界の南端だ」

 王子は言った。

 

「……私が20歳になった頃、つまりこれから17年後には、既に完全に手遅れ、だと」

 パレットは言った。

「……そういうことだな」

 王子は言った。

 

「どうすればいいでしょうか?」

 パレットは聞いた。

 

「わからん。ただ、お前は魔術はどれぐらい使えるんだ?」

 聞く王子。

「わかりません。そもそも、魔術の全体像がわかりません」

 パレットは言った。

 

「それは良くない。まあ、ゴーレムにはあまり魔術は効かないがな……。とにかく、この周回を潰しても構わないから、ひたすら魔術を極めた方が良い」

 王子は言った。

「良いんですか? 王子はこの世界を守りたいのでは?」

 そう聞くパレット。

「そりゃまあな。でも俺の力はわずかだ。この国さえ俺はあまり動かせん。権力を持っているのは親父と兄貴だしな」

 王子は言った。

 

「そういえば第二王子でしたか。できることは少ないので?」

 聞くパレット。

「ああ。まあ、この魔法学園の経営も俺の仕事だがな。お前の事は最大限支援してやろう。この学園には、ありとあらゆる魔術の本が固めてある。とにかく本を読め。その上で、今後の事を考えよう」

 王子は言った。

「ありがとうございます。全力を尽くします」

 パレットは言った。

「ありがとう。頑張ってくれ」

 王子は言った。

 



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