最終頁 『ストーリー・オブ・ウィンター』
最終話です。
前話までのお話が、後々、こういう形の童話として語り継がれていく、みたいにまとめてみました。
楽しんで読んで頂けたら幸いです!
冬の女王様は、いつも一人ぼっちでした。
本当は優しい、でも、どの街でも嫌われ者の冬の女王様は、いつも季節の塔の中に引きこもっていました。
「女王様、女王様。」
雪ん子たちに遊びに誘われても、出てきません。
ずっと暗い部屋で、外を眺めていました。
雪ん子たちはこのままではいけないと、女王様を外へ連れ出します。
しかし、街のある男の子が言いました。
「女王様は、嫌われ者なの?」
その言葉に女王様はまた、塔の中に引きこもってしまいました。
これにはみんな、困ってしまいました。
男の子は女王様に謝ります。
しかし、女王様は出てきません。
「どうせ私は、嫌われ者なんだわ。」
男の子は、なんとか仲直りしようと、街の人たちに声をかけました。
「女王様と、仲直りしたいんだ!」
その言葉を聞いた街の人たちは、男の子に力を貸します。
そして女王様に言いました。
「嫌っていて、ごめんなさい、女王様!冬が寒いからと、あなたが冷たい人だなんて言ってしまって!」
その言葉に、優しい女王様は言いました。
「いいのです。分かってくれたならば、それでいいのです。」
ようやく、塔から出てきてくれた女王様に、街の人たちはお祭り騒ぎです。
「本当だ!女王様はとてもお優しい方だ!」
それ以来、嫌われ者だった冬の女王様は、人々(ひとびと)に慕われ、愛される女王様になったのでした。
~END~