1/10
目次 「冬はひとり。」
今回、参加表明をさせていただいた冬の童話祭2017で出させて頂こうと思っている作品です。
童話は初めて書くので、楽しんで書いていこうと思います。
楽しんで読んで頂けたら幸いです!
『冬』はひとり。
いつもひとり。
『春』のように、動物たちが彼女のために歌って、踊ってくれるわけでもない。
『夏』のように、植物たちが彼女を一目でも見ようと背丈や枝を伸ばしてくれるわけでもない。
『秋』のように、穏やかな時間が長く続いてほしいと願ってもらえるわけでもない。
『冬』はいつだってひとりぼっちだ。
街のみんなに早く、季節の塔から出て、次の街へ行ってしまってほしいと思われてる。
『冬』ひとり。
いつもひとり。
だれも本当の彼女を見ようとはしなかった。