冒険者ギルドー7
「血・・・・てすか?」
「はい。血をこのオーブに垂らして下さい。なぜ血を垂らすかというとですね、このオーブには血を垂らすことでその血を垂らした相手の犯罪経歴と相手のだいたいの強さがわかります。なので冒険者ギルドに登録するときに血を垂らしてもらってるんです。ギルドランクも決めなければいけないので。」
「へぇー、そうなんですか。便利ですね。」
だいたいの強さがわかるってヤバくないか?私が"虹龍"ユキナだとバレなければいいんだけど・・・。こんなことなら隠蔽スキル取っとけばよかった。隠蔽スキルは自分のステータスの一部のパラメーター、つまりヒットポイント(HP)とかを非表示にできるスキルなんだけど、基本的にFROⅢではステータスはパーティを組んだ仲間、もしくはギルドメンバーにしか表示されなかった。だからほとんどの人は隠蔽スキルを取ってなかったのだ。ちなみにここで言っているギルドはこの世界の冒険者ギルドとは違う。ここでいっているギルドはゲームのツールみたいなもので、仲のいいひとと大人数で楽しむために作ったりするグループだ。だけど、この世界の冒険者ギルドは傭兵斡旋所みたいなもので全然違う。
「じゃあ俺はその辺をぶらぶらしてるから終わったら声をかけてくれ」
「わかりました、ショウ。」
あー、よかった。これで私が強いとショウに思われずに済む。しかし、オーブはやばいな。なんとかして強さを隠せないか。面倒なことに巻き込まれたくないし。