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第八廻「みんなでステータスの確認です」


「へ~、なるほどね。本当にRPGみたいね」


そう言って麻実さんは自分のステータスを眺めていた。


ーーーーーー


name:アミ・ハイザワ

性別:女

種族:妖怪

Level:8146

職業:這い寄る者(Lv.9)バックブリッジ走法始祖(Lv.限界突破)

属性:闇・霊

称号:学校の怪談

学校の階段

バックブリッジ走法の伝道師


ーーーーーー


「おい、ちょっと待てよ。あたい達が見た時とステータス画面が違うくないか?」


よし子さんの言葉に僕も首を傾げた。


「あれ? 本当だ。僕たちが見た時より詳しい内容になってる」


種族とか称号とかが増えてるみたいだ。

僕も気になってステータス画面を確認してみた。


ーーーーーー


name:コウタ・ヒラサワ

性別:男

種族:純人族パシリ

Level:05

職業:舎弟(Lv.4)料理人(Lv.6)

属性:火・聖

称号:悪霊さんの舎弟(パシリ)くん

焼きそばパンとコーヒー牛乳(至急)

勇者候補(笑)


ーーーーーー


「どーゆーことぉっ!?」


なんでステータス画面にすらパシリとして認知されてるんだあぁっ!?

なんで種族のルビがパシリなんだぁっ!?


焼きそばパンとコーヒー牛乳、買って来いってか!?

至急って、走って買って来いってか!?


しかも、『勇者候補(笑)』ってなんだぁぁぁっ!?

(笑)ってなんだ!? 何に対しての(笑)だ!? アレか? 鼻で笑われてるのか!?


「お~っほっほっほっ! なんて貧相なステータスなのかしら? 私様のステータスを見てひれ伏すが良いですわ愚民よ!」


打ち拉がれる僕を尻目に鏡子ちゃんが高笑いしつつステータス画面を開いた。


ーーーーーー


name:キョウコ・サダ

性別:女

種族:妖怪(中の下)

Level:(鏡よ鏡よ鏡)3

職業:鏡の怪(Lv.9)なんちゃってドッペルゲンガー(Lv.限界突破)

属性:闇・霊・物理

称号:学校の怪談

鏡の中のドッペルゲンガー


ーーーーーー


「なんでですのおぉぉ!?」


村長さん宅にもう一つの絶叫が響きました。


「悪かったですわね妖怪として中の下で! しかも、レベルがおかしいでしょう!? 3ってあなた! そこの役立たずパシリ以下じゃありません事!?」


「好きでパシリになってる訳じゃないやい!!」


「なにを騒いでんだか。そんなステータスぐらいで大げさじゃね?」


「なら、あなたのステータス見せてくれませんこと? 伝説クラスのスケ番ならスゴいんでしょう?」


鏡子ちゃんの言葉によし子さんは渋々と言った感じでステータス画面を開いた。


ーーーーーー


name:ヨシコ・イガラシ

性別:女

種族:神(邪)

Level:ヲイ

職業:トイレの祟り神(Lv.9)喧嘩女神(Lv.限界突破)

属性:闇・神・トイレ

称号:学校の怪談

トイレ番長

魔王最速撃退者(00:00:03)


ーーーーーー


「誰が邪神だコラァ!?」


「よし子さん落ち着いて! 落ち着いて! どうどう」


「ウ~~~っ……」


僕は慌ててよし子さんをなだめる。

本当に野良犬みたいだよ、よし子さん。


「ほ~っほっほっほっ! 便所女はステータスまで便所まみれですのね!」


「あぁん!? んだコラァ! のかコラァ!」


「だから落ち着いてってば!」


鏡子ちゃんが煽るからまたよし子さんが爆発しそう。


「しかし、この大盗賊時代にステータスを知らずに旅をしているとは……」


「大盗賊時代ってなんだコラ。ひとつなぎの大秘宝でもあんのかコラ」


「ありったけの夢をかき集めて山に登るのかしら」


「二人ともストップ、ストップ」


村長さんがそんなことを言ってきた。

ステータスの内容は見なかった事になってるみたいだ。


「じゃあ、姫さんのステータスはどーなってんだよ」


「……えっ!? わ、私ですか!?」


どうやらマリアさんはステータス画面を見てフリーズしてたみたいだ。


ーーーーーー


name:マリアージュ・アリアラス

性別:女

種族:純人族(王族)

Level:15

職業:王女

属性:聖・慈愛

称号:攫われし者


ーーーーーー


「これが一般的なステータスですな」


「いや、あの、村長さん? 王族とか王女とか書いてありますけど?」


「私は何も見ておりませんな。ええ、見ておりませんとも?」


「いや、そんな全力で現実の受け入れ拒否しなくても……」


「だいたいコイツのステータスがおかしいんじゃない? 何よ『神』って」


麻実さんはよし子さんを指差して言います。


「あん? あぁ、アレのせいだろ、多分」


「よし子さん、心当たりあるの!?」


言うとよし子さんは後頭部を掻きながら語り始めた。


「ああ、あたいって結構な人数の舎弟が居てな。そいつらがちょくちょく墓参り感覚で便所に線香立てに来てたワケよ。


そいつらがいつの間にか喧嘩の必勝祈願するようになってな。

あたいも始めは呆れてほっといたんだがよ、あるバカが便所に賽銭投げ出したワケよ。

したらもう、全員が真似しだして。

便器は詰まるわ、小銭ばっかり貯まっていくわでイライラしてたんだわ。


してたら、見るからに喧嘩弱そうなもやしが来てよ。

カツアゲされるくらいならって便所に諭吉さんぶち込んで行ったワケよ。

あたいもさすがに諭吉さんぶち込まれちゃあ、不憫でなぁ。

ちょちょいともやしの身体借りてカツアゲしてた不良どもタコったワケよ。


そいつがきっかけで噂が噂を呼んでバカどもが本気になってさ。

便所に神棚作るわ、鳥居構えるわ、賽銭箱作るわで、もう神社かっつー様になったのよ。

まぁ、すぐに教師に見つかって撤去されたけどな」


「じゃあ、よし子さん一時期本気で神格化されてたんだ……」


「まぁな」


そう言って気が付いた。

ここは異世界、しかもマリアさんを見る限り西洋風な世界のようだ。

とすれば、もしや、一神教が主流なのではと。

やばい、ステータスから邪神扱いなのに問題になる予感しかしない。


「あ、いや、マリアさん、これは……」


僕は言い訳を考えつつ慌てて振り返った。

そこには……。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


顔面蒼白でガタガタ震えるマリアさんが居ました。



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