表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

27A列車 小柄な女の子

 東京(とうきょう)駅に入線してくるJR東日本の新幹線はバライティーにとむ。全車2階建てのE4系(イーフォーけい)。ミニ新幹線と呼ばれるE3系(イースリーけい)。「あさま」、もしくは「はやて」として、長野(ながの)新青森(しんあおもり)に行くE2系(イーツーけい)。そして、「グランクラス」を備えたE5系(イーゴけい)だ。今回乗るのは後ろにくっついてるE5系(イーゴけい)ではなく、E3系(イースリーけい)E5系(イーゴけい)と比べると一回り位小柄な身体をしている。

「「こまち」かぁ。ミニ新幹線に乗ることも初めてなんだよねぇ・・・。」

他の新幹線と違って、安全柵から車体までの距離は結構ある。さらに、傘を抱えている腕を思うように延ばすことができない。なかなか届かないという感じで(もえ)が手を伸ばす。

「ふぅん・・・。」

「そっけない返事。ナガシィだって「こまち」に乗るのは初めてなんだから、もうちょっと喜んでもいいんじゃないの。」

「・・・。」

それよりも、相変わらずすごいと思う。まず、切符を買ったのは1月8日だ。それでよく窓側の席が取れたものである。しかも、僕の隣の席は空席だったみたいで、往復とも萌は僕の隣の席にいる。「はやて19号」の時も「はやて28号」の時も、それは変わらなかった。さらに、それだけならまだ驚かなかった。今回も座る席が往路がA席、復路はD席なのだ。つまり、また反対の車窓を見ながら、帰ることができるのである。

 「こまち・はやて19号」は車内清掃を終える。そして、業務放送として、乗客の乗降許可が出る。

ようやく「こまち」のドアが解放され、並んでいた人が一斉にE3系(イースリーけい)E5系(イーゴけい)の中に入っていく。「こまち号・はやて号」は全列車指定席。自由席という考えがないため、席は予約すれば必ずある。また、「こまち」はさっきも言ったとおり、小柄な身体。乗車するにはステップを必ず踏む必要がある。これを踏まないと、ホームと車両の隙間に必ず落ちる。

「えーっと。15号車、3番A席とB席。」

車内に入って、その席を探る。今回は秋田方面に向かっていくであろう、ご年配の方の8人ぐらいの集団がいた。そのために、車内はにぎやかだ。

 まず、席に腰掛けたら、リクライニングだ。しかし、黒いボタンを押しても、何にもならない。

「ナガシィ。ここに何か書いてあるよ。」

前の席のテーブルを見てみると車両案内ではなく、ボタンのことしか書いていなかった。どうやら、僕が押していた黒いボタンはただ、座席の座面を前後させるためのもので、リクライニングはないようだ。しかし、近くについている白いボタンでリクライニングができる。さらに、前座席の下にはフットレストがついているし、雑誌もささっている。ここまでのサービスを見ると、どうも普通車指定席に乗っている感じがしない。後で調べてみたが、このような設備を整えているE3系(イースリーけい)「こまち」は「こまち」の中で結構後に製造されたグループのようだ。編成番号はR23となっていた。

 8時56分。「こまち19号」秋田(あきた)行き、「はやて19号」新青森(しんあおもり)行きが定刻で発車する。東北新幹線(とうほくしんかんせん)は一度上野(うえの)の手前でトンネルに入り、地下駅である上野(うえの)に停車。また発車し、今度は20分かけて、上野(うえの)から大宮(おおみや)までをゆっくりと走る。大宮(おおみや)を発車すると、E3系(イースリーけい)の本領発揮である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ