8:終結の園へ
「つまり俺たちはハルカ遠くからきたばっかりのこの辺の事は何も知らない魔法使い(注:妖精という意味ではない)だったんだよ!」
な、なんだってー!とは言わず、神妙な面持ちでポコタンとロックは静かに唸る。
やばい……この空気。
スベッタ。
「マスターの言葉に補足するならば、我々は貴方達に、それもこの国や土地などには危害を加える気はありません。此処に居たのもとりあえずの処置なのです。そして龍達を殲滅したのも身を守るためにした事です」
サチコのナイスアシスト、追加点により、更なる唸りを上げてロックは神妙な面持ちから汗ダラダラな面持ちになった。
龍とか殲滅とか身を守るだとかの言葉に反応している事から、先ほどの自分の行動と照らし合わせて、下手したら理解不能な攻撃によって龍のように消し去られていたかもしれないと危惧したのかもしれない、のかもしれない。
明らかに常軌を逸した存在に、改めて気付かされたような顔をするポコタンとロック。
とりあえず此方から何も知らない事をアピールし(ココ大事!テストに出るよ!)尚且つ敵対しないと明言し、ついでに敵対したりしたら龍みたいにヤっちゃうよYOU!YOUやっちゃいなよ!見たいなジャニってるノリだ。
「分かりました。『ココ』へ小屋を建てたのも、知らずとしてのもの。罪には問いません」
え!?普通は罪なのこれwww
つか普通無理だろ龍の巣に家建てるとかマジで。前科あるんか?先生怒らないから言ってみんしゃい?
なんていう事もできずにただ飲み込んで。
どうでもいいからだけどね。
「しかしこの辺りは国としても警戒区域となっております。宜しければ此方で安全な所をご用意しますので、速やかに移住をお願いしたい」
キリッ!なんて擬音が見えるくらい真剣に、まあ普通にしてるんだろうけどロックが言い放つ。
さてこれを吉と見るか凶と見るか。安全な所、言うなれば自国の安全な地を提供するから駒になれとも聞こえる。逆に安全な地とやらが有ると言うことは、ここのように安全ではないという地域も周囲にはあるということ。それがロックの言う国に対して危ないのか、周辺住民に対して危ないのか。それとも人間という存在に対して危ないと言うのかでその意味は変わってくるのだけれども。
「まあ、特に断る必要はないよな」
急に飛ばされた、言いたいことも言えないこんな世の中でポイズってる場合じゃないし。
盗んだバイクで走り出したらそこは龍の国でした、なんてことも堪ったものではないから、素直に従うと言うか提供してもらおう。
もともと住みたくてすんでるわけじゃないし。ちげーし!怖くなんてねーし!バッチバリアはってるし!いきなりココだったんだし!自衛の為の権利の行使だったんだから文句なんかいわせねーし!
なんて今来た産業なんて言う状況ではないからまたも飲み込んで、ついでに立場的な有利さを利用して吹っかける。
「で?俺になにしろって?場所だけ貰ったら勝手にして言いわけ?」
「ふ、相変わらず抜け目のない方ですね。貴方にはそれなりの労働をお願いしますよ。当然ですね、安全を保障するのです。なぁに簡単なお仕事です」
「できることなら刺身にたんぽぽを載せる仕事をしたい!」
「マスター……」
「シーナさん……」
「……くっ、哀れな……」
なんだこの哀れみの目達は!
何か変な事言ったのか俺は!
「そう言った仕事があるかどうかは、少し、時間が掛かるかもしれませんが……いえ、きっとどうにか!どうしてもというなら何とか!必ずどうにかして見せます!安心してください!」
ポコタンが涙目で頑張れといっている。
ロックはポコタンのその様子を目に涙をためうんうんと頷いて納得したように頷いている。
サチコはアリと遊んでいる。
どうやら俺は世間の目と言う物に回り込まれてしまったようだ。
かというわけでなぜか俺という変な魔法使いはポコタンを救った英雄として(自称)、安全な場所に住処を提供してもらう事を条件に、刺身にタンポポを乗せる仕事をもらえるかもしれないという事態に至ったわけである。
ちゃんちゃん。
FIN
END
ラスト
最終
おわり
というお話だったのさ……。
なんておわらせねーよ!?
とりあえず此処に居てもなんだしって事でポコタンを丁寧に連れ添ったロックに乱雑に荷馬車に積み込まれて俺たち、サチコと俺はドナドナとロックの言うシンバ国?っていう所にとりあえず厄介になることになった。
ついでのついでに『それっぽい服製造機』をつくり、この国っぽい服をサチコ共々に着ている。
やはり現代の洋服というものは異質であり、古代とは言わずとも、中世っぽい古い格好になってしまった。あつい。ださい。古いの三拍子。
一般的な格好であるということで、そのうちに現代風にアグレッシヴに一世風靡してやろうと心に決めた。うわ俺そうしたらカリスマファッションデザイナーじゃないかとほくそ笑んだのは内緒(はぁと
岩山を小さい馬車が駆ける。
ガタガタとお世辞にも平らとはいえない獣道を荒ぶるように跳ね回るように馬車が走りまくりまクリスティ。
まさかスペアポケットを作り出し、あの家ごと仕舞ってしまったのは少し笑えた。
ついでに子牛の如き俺たちは、低反発クッションを大量に作製したので、あんまりガタコトゆれるのは関係なかった。
ポコタンがうらやましそうに見てたので一個上げたらめっさ喜んでた。
ついでだからロックにもあげようかと思ったが、うるさいから静かにしろって言うのでサチコに指弾を打ってもらって知らん振りした。
寝た。
起きたら着いてた。
「ここが我らポコタン・アイリスフィールド皇女の父上イヨカン・アイリスフィールド様の統治するシンバ王国内一の商業都市、市長パパスの統制するエルスだ!」
「ぬわーーーーー」byサチコ
「イヨカンとかうまそう」byおれ
「もう少し簡潔にお願いします。ロック」byぽこたん
ぶしつけな素直な感想共にロックさんはぶわっとか言って泣いてるけどしーらね。
そこには人の身を遥かに超える、巨大な門を開放しながら、人が、動物が引っ切り無しに行き来する巨大な都市へと馬車を進めていく。
人ごみの中を進んで進んで、大きな建物、エルスの市長の家だという所まで辿りついて、ポコタンを保護した上で、俺たちを保護したというか仲間に引き入れた的な適当な話をロックが必死こいて説明している中で、ポコタンと一緒にバレーボールで遊んでいたり、あいつはマジでヤヴァイていうロックの説明をきかないパパスをただし魔法はシリからでる様なケツからベギラゴンで黙らせたりしているうちに、なにか話は終わって、ポコタンはその余りにも優しい心根から、病に伏せているパパスの奥さんのために滋養に聞くと言う万病の霊薬ともいえる竜の巣へ生えているキノコを取りに単独抜け出していったと言う事も、それについてロックが心労を抱えたことも、それでいてその心優しさに心を打たれて感涙したと言うパパスの話も話半分に聞き流しつつも、目的の安全な場所というのが、パパスの家とか言う豪邸から結構離れて大通りからも少しというか結構離れて、町の外壁が見えてくるんじゃないかないかって言う感じの偏狭の周りには明らかに貧民達がという感じのスラムっていう感じで危なっかしい場所にひとつの建物、小さなビルとでも言うべき、まあレンガ造りで頑丈なだけがとりえです!って言っても間違いじゃないような明らかに貧民街の一室にあてがわれた。俺コレ滅ぼしていいの?町滅ぼしていいの?眠いからまだしないけどさ。ポコタンが可哀想だからしないけどさ。なんもなかったらまじコロニー落とすくらいの質だよ?けどロックがまじ申し訳なさそうに此処しかなかったと、どうしてもというならこの命もつけようと白装束に短刀とか持ち出してそれを止めるので変に疲れたっていうのもあって、とりあえず寝ることにする。
サチコに防衛線は任せとけば安心だし、四次元の様なポケットから必要な分だけ取り出して、ベッドとパソコンと机と椅子と座布団とクッションとシーツとカーペットを配置したら、いつのまにか疲れからかぐっすりと寝てしまった。
起きたらサチコが戦利品とか言ってそこらへんの新入りを歓迎しようとしていたスラムの住人を如何しますかとか言ってきたので、放っておけとだけ伝え、俺は俺のやりたいことをしてみることにした。
そんでもってこの世界の通貨とういうか金貨とか銀貨とかそんな非効率もへったくれもない貨幣についてなんだけども、なんとなく思って鋳造機的なモノを探して硬貨を作ってみたけど、出来た。めっちゃできる。わんさかできたそれは見分けも着かない。本物同然というか本物よりも綺麗で精密。んでもって安価。ちゅうかそこらへんの石が原料。
流石にそれは流石に、酷いというかなんというか、相場というか市場が混乱するから使うのは止めたけども。
あれ?俺コレ普通にニートできるんじゃね?なんて考えが浮かんだんだけど、せっかくの能力だから面白おかしく生きてしまおう。
もともとが趣味に生きてたわけだけど、せっかく知らない世界があるんだから、楽しまなければ。新しい趣味でもみつけられたら万々歳だ。
そんなこんなて俺の新しい生活はここ、シンバ王国イヨカンアイリスフィールドの統治する、エルス商業都市で新たな一歩を踏み出したのだった。まじ長い。シエでいいわ!シエ!
次回!俺のシンバ王国、エルスでの自由奔放生活!乞うご期待!
もうちっとだけ続くんじゃ。なんて。
これからどうしよう!