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5:ばいせこー

 さて、その一言に考え込んでいる様子のロック。

 後ろの団体は汗をたらりとたらしている者もいる。緊張が辺りを包む。


「分かりました。またきます。それでは皆!引きかえすぞ!」


 深々と俺に頭を下げたロックは、颯爽と身を翻すと、団員達に号令をかけて、一斉にきたと思われる道を引き返して言った。


「……いったか……はっ!コレはフラグ!?」


「取りあえずは、本当にいかれたようですね」


 ふうと息を吐いた俺にサチコがあわせて言う。悪意はない、今はまだ友好的、ただしどんな奴かは分からない。ドラゴンを何かしらの手段をもって掃討した、得体の知れない人物だと、今の俺はそんな状態に見えるのだ。だからこそ現状を悪くするような言動は控え、一旦引いて、今度は何か土産を持って尋ねてくるだろう。

 だなんて難しい事は勝手に考えてくれるだろう。あほらし。


「ふえー!とりあえず害はなさそうだなー。てか竜の巣って、ドラゴンの巣ってワロス。ATフイ

ールドも使わなかったし」


「それで、マスターは如何なさるのですか?」


「ん?特に何もせんよ。それよりも先ずは情報収集かな。あと俺の能力を解明しなければ。サチコは手伝ってくれると助かる」


「御意」


「たまーに硬いのはなんでかなー?」


「その辺はマスターの影響で情緒不安定なんですよ」


「つまりは俺が情緒不安定だって?」


「他意は有りませんが?」


「あーもう畜生!そのとおりだよ!ばーかばーか!」


「あたいばかじゃないもん!!」


「お前なんか⑨で十分だばーか!」


「むきーあたいry」


 さてばかはほっといて帰ろう。

 そして情報収集と言えばなんだろうか?

 近代であるならばインターネット、原始的であるならば口コミから井戸端会議、風の噂から虫の知らせまで。

 メンドクサイノデ未来を生きる。

 てれてれっててー!青い狸のスパイカメラー。

 コイツは超高性能レンズを搭載した、周りと同化する事ができる保護色可能の、空を自在に動かせるカメラ付き携帯、ではなく、探査用ロボットだ!

 ラジコンよりも素直に実直に動き、遥か彼方まで索敵してくれる素敵なベンリな機械だ。


「さあコイツをばら撒いてっと、さぁ森へお帰りっ!」


 両手を思い切り空へ振り上げると、そこからぶわああっと大量のハエの様にスパイカメラたちが飛び立つ。キモッ。


「後はこうしてモニターを見ているだけで周辺の状況から映像からを集めてくれると言う」


「引きこもりニートには最適ですねマスター!」


「うるせー⑨!デブでも食ってろぴーざ!」


「だが断る!」


「まぁ現状は兎に角動けないからな!意味不明な世界で生きるためには引きこもりだって何だってやるさ!けど情報さえあれば俺の天下やでしかし!」


「見たところ特に普段の生活と変わりませんね」


「ああそうだよヒッキーだよ悪いかよ!つーかうるせーよ黙ってろ!あ、うんごめん言い過ぎた座ってていいよ?うん」


 いやいや泣きそうにうつむいてグググってしてると思ったら、泣いてるんじゃなくて指弾準備してんじゃん。命がいくつあっても足りねーよマジサチコさんサチコなんだから。


「それはともかく、おっポップアップがでたな、何か見つけたのか?」


『ぴんぽーん!あっ、ぽこたんINしたお!』


「おいすー。やかましいわ懐かしいわで突っ込みきれん!でもマジバナ?」


 モニターにはポコという名札を首にかけた少女が、亀裂とも言うべき穴に嵌っている姿があった。

 周りは岩山だし、この近くなのだろうか。


「まぁ見事にINしちゃってるな……ぽこたんINしてるわー。……助けるか」


 暫く観察していたのだが、少女は動かない。

 スパイカメラで周りを観察させると、近くにはバスケットらしきものと、靴の片方と思わしきサンダルが。

 そして少女は擦り傷等傷を幾つか負っており、そこらが痛々しく赤く血が出ていた。

 出血は止まっているようだが、顔色も若干悪く、身動き取れないことも相まって恐らく衰弱していると思われる。

 暫く観察してたのは、警戒からと言うかこの世界の事も分からないので様子見だったのだが、おい鬼畜とか言うな。


「サチコ、とりあえず直ぐ使える移動手段のようなものはないか?」


 幾らでも作製はできるとしても、先ずは媒体を作らなければならない。

 そしてそれは俺の持っているフィギアでも良いのだと言うが、車とかそういうのは作っていない。あってもモビルスーツとかいうのが精精だ。

 明らかに救出に向かうのに適した物ではない。


「一輪車ならすぐに」


「一輪車とかまじで!よーしひとっ走りいってくらああって無理だろおおお!!状況を見ろよおお!」


「マスターこそよくごらんになってからにしてくださいよ」


 そういってサチコが用意してくれたのは、確かに一輪車だったが。


「タイヤの内円に座席ってガンツってれべるじゃねーぞ……」


 それは大きなタイヤがあり、その内側にバイクの操作する部分や座席がある、未来的な高性能バイクだった。


「操作法は特に変わりません、ただし――」


「まあいいやとりあえずいってくるわサチ――ゴお゛お゛お゛オオォォォォォォ……」


 漫画的表現なら跨ってハンドルを捻ったところで一気に加速、顔から溢れる液体を置き去りに、線だけ残してビュンと一気に消え去った。

 消え去ると思えるほど早く、超加速だったのだ。あっと言う間にバイクは音よりも早く走り去っていったのだ。


「――数千馬力で……って居ませんね。まぁなんとかなるでしょう」


 サチコは見えない俺を見ながらそっとその場に佇むのだった。



「りちちんっ!」


 ATフイールドのお陰で痛くないモン!転んだけど痛くないモン!

 予期せぬ速度に俺はあっと言う間に転んだ。そして死ぬかと思った。

 バイクは頑丈で、岩にぶつかっても何とも無いくらいだ。そんでもって岩は砕けている。

 俺はなんとか危機回避を行って、心の壁を発生させたので助かった。それでももしも上手くいかなかったらあの岩のようになっていたかと思うと吐き気が込み上げてくる。


「臓物をブチマケルことにならなくて、本当によかったと心から思います、エイメン。っとそれよりも」


 まあなんとなく分かってたけど、ATフイールドなんて形を持たない物まで創れて、しかも効果を発揮して、確信した。

 結構なんでもいける!!

 そう思うと、無双状態なので気が大きくなる。


「さぁってぽこたんはどこっかなー。居るかなー」


 岩山なんて言っていたけど、以外に回りは森林もある。

 拠点を立てたところ意外にはあんまり岩だけって所はない。

 つまりこの周辺はその条件に当てはまるので、可能性は高い。


「うーむ、何か個人で使えるような探査機器を持ってきたほうがよかったな。音波ソナーとか……できれば魔力的なもんでピキーン見っけた!ってやりたいんだけど。今度そういうのができるか探ってみよう」


 とにかく今は何もないから、己の目と耳だけだ。

 ATフイールドはそういうのでは役に立たない。最強に近いけど、一応化学兵器でも破れるからなぁ、もっとなんか他の最強防御思いつかんとだめだな。今は十分すぎるけど。


「デビルイヤーはじごくみ……むっ、デビルアイに何か発見したぞ、段差になってんのか」


 周りを注意深く探していたら、おくが深くなっており、段差になっている部分を見つけた。そしてその段差の間には亀裂があり、地割れのようになっている。


「ぺろっ……コレは青酸カリ……あ、ぽこたんいたお」


 地割れを見ていたら崖部分に小さな木が生えていて、見た目にもおいしそうな果物がなっていた。

 それをつい一口かじってみたらすごく美味しいのだ。そしてボケてるウチに気付いたらぽこたんを発見した。

 首からかけたポコの文字。短めの金髪に、オーバーオールの様な上下一体型の作業着に身を包んだ、如何見ても12-3歳程度の少女だ。

 女子の扱いなど分からぬが……ほっとけないよな……とりあえず声をかけてみようか

 ぽこたんの居る崖の上から軽くもしもーしはいってますかー?と声をかけてみたが、反応はない。

 げんきですかー?1.2.3.だー?


 反応はない。


「どうしたもんか、よし、ATフイールドを応用して……」


 心の力を利用して、足場にして崖を降りる。そして下から展開して、少女を押し上げていき、引き上げる。


「兎に角運んで……医療系もなんかあるだろうし、戻るか」


 俺はバイクの再度部分に少女を乗せ、たぶん来た道をおっかなびっくり操作しながら戻っていったのだ。



「お帰りくださいませご主人様」


「おいちょっと間違ってるぞサチコ」


「いいえ、あってますご主人様」


「まあいいや、お医者さんカバンみたいなのあったら宜しく」


「畏まりましたかしこ。テクマクマヤコンテクマク……」


「急になんだよ」


「これでいいのだ!」


「いや、確かに、赤塚作品だけどさ!てか早く手当てをしなければ!……サチコ女の子だったよな?まかせた」


「へたれか」


「何とでも言え。流石に少女趣味はないが誤解を生む事はできない」


「まあオートでやってくれるのでいいんですけどね。ふむ切り傷と擦り傷、そして若干の栄養不足なだけですね」


 新たに創造した簡易ベッドに少女を乗せ、サチコにお医者さんかばんを使わせて容態を見ると、其れほど大事ではないようだ。


「ん……、んん……」


「危ない!目をさますぞ!俺には構うな!サチコ逃げろ」


「おはようございますお嬢さん。どこか痛い所はまだ有りますか?」


「んん、おねえちゃん……だれ?」


 手持ち無沙汰というか居心地悪い最悪自己責任なんだけど。


「私はサチコと言います。それ以上でもそれ以下でもねぇ」


「ぷっちゃん乙」


「?」


「ああ、あのバカはほっといて良いですよ。それよりも体は大丈夫でしょうか?」


「バカとは何だよサチコ……くすん、もういいよ、まかせたよ……くすん」


 俺は離れて体育座りする。


「私竜の巣にキノコを採りに……そして穴に嵌っちゃって……怖くて……痛くて……」


 ジンワリと涙を浮かべて回想するぽこたんを慰めるように優しく抱きしめるサチコ。まるで姉妹のように和む光景だ。いやそれよりもどちらも12歳前後に見えるから兄弟というか友達な感じか。


「治療は施しましたが、内部までは分かりません。貴女はまだ痛むところはありますか?」


「あ、そういえば……どこも……痛くない。お姉ちゃんが治してくれたの?」


「私が、と言えばそうなります」


「すごい!お姉ちゃん魔法使いなんだね!ありがとうございます!」


「いえいえ、それよりも無事でよかった」


 なんか俺がいないところですごく話が進んでいますがどうしましょうか。

 あ、おとなしく黙ってろってことですね。そうですね、そうですか、分かりました。すいませんでした。

 とりあえず治って元気な様子を傍目に、俺はどこか冷静に、サチコと少女の会話の内容について、思考に入っていたのだ。


ネタが減ってきた

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