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2:宇宙的な何か

勢い!

 慌てるな俺。

 こういうときは素数を数えて落ち着くんだと、どこかのプチ神父が言っていたはずだ……。


「1、2、3、4、5……」


「それは自然数だぞks」


「うっかり!!ってksks言うなよ!脳みそすかすかなんだから!」


「開きますか?」


「ノーセンキュー」


 ふ、流石に頭ぱっくりな銃夢は止めて欲しい。

 幾ら俺が不死身だったとしても頭ぱっくり開くのはないわー。

 いや不死身でもなんでもないですけど。


「あー、いい加減腹括るったほういいかなー……」


 ベッドに座りなおし、よれよれのシャツとトランクス姿で、異質な世界を思いながら呟く。

 幾らなんでも流石に柔軟で、見た目は子供、頭脳は大人の様な傍若無人な天才且つ素晴らしきオタクの才能をもつ俺も流石に現実を考えてしまうぜ。


 ……。


「なんか言えよ……なんなんだよお前は……」


 さっきまで某裏掲示板の住人の如くのりにのってたラブドールは上から真理子ばりにだまりこくる。うっわうめぇ駄洒落、メモしとこ。


「……取り合えず食肉を確保しておきますか?」


「何だよ急に、気もちわりぃ……。まあドラゴン肉って旨そうだからたべてみたいよなぁ。味的には牛なのかな?でも筋張ってるイメージもあるし、もっと硬いのかな?」


「ドラゴンの肉は非常に珍しく、その身は締まって程よく油の乗った肉は口の中で蕩けるようだと比喩されることもあります」


「霜降りじゃねえか……おっと涎がドゥフフ……、総員、確保!!」


 気分は武田信玄でベッドの上から指図する。


「それではまた少しユニットをお借りします」


 ラブドールな心臓はまたピッピのようにゆびをふると、ダンボールから、どう見ても業務用冷蔵庫です、本当に有難う御座いました。

 その小さな模型を浮かべあげたかと思うと、一瞬で消え、そしてほぼ同時に目の前の空間に高さ2M、幅も3Mはありそうな冷蔵庫が鎮座していた。

 そしてゆっくりと扉が開かれると、白い息を吐きながら、……ラブドールが!!


「てめえ!!びびるじゃねえか!何してんだよつか何時の間に」


「なに、ちょっとした冗談です。さて、こちらに完成がご用意してあります」


「冗談ばっか……おおう……三分クッキングより早い……」


 そこには出来立てほやほやのステーキ肉が!

 そしてほやほやのまま固まっている。

 まるで時間でも止めたかのように周囲の湯気ごと動かない。


「私の冷蔵庫の戦闘力は53万です……」


「なん……だと!?たけーのそれ?たけーの?わからねえよ!」


「さらに後二段階の変身を残している……この意味が解かるか?」


「コレからが本当の地獄か……てかもういいから説明と賠償を要求するにだ!」


「やれやれ、困↑ったもの↓です」


「マッガーレ!!イッキュンはいいから早よせい」


「つまり……地球は滅亡するんだよ!!」


「な、なんだってええええええ!!!本当なのかキバヤシ!……おい、殴るぞ」


「イェスマスター。用はただの冷蔵庫です。そしてコレはただのドラゴンステーキ。それ以上でも、それ以下でもねぇ」


「ぷっちゃん乙。で、旨いの?」


「至高の究極、または究極の至高とでも申しましょうか……」


「なんてことをしてはったんやラブドールはん……なんてことを……って心臓とかラブドールとか言うの恥かしいから、お前これからサチコな」


「なんでほたるすぐしんでしまうん?」


「それはセツコや!さちこや!てめえはサチコだ!箱にもそう書いてったんだ!オリエンティックな工業製なめんな高いんだぞ!けどあんまり気持ち悪いから足折ったまま押入れに入れてたのに、忘れて夜中に押し入れ開けたら死体かと思って死ぬほど吃驚した思い出!と言うかトラウマ!」


「話が進みません」


「誰のせいだよ」


「オリエンティックな工業です」


「製造元じゃねえよ!……はぁよーしパパもう悟り開いちゃうぞー。お父さんスイッチ・さ!我、悟りを得たり」


「賢者TIMEとも言う」


「小足見てから全裸待機余裕でした。あああああああああ!!もうそうじゃないんだよ、いい加減進めていい?」


「じゃあ私が」


「じゃあ俺が」


「「どうぞどうぞ」」


「一人で副音声ってホーミーってレベルじゃねーぞ、超気味悪いサチコ……」


「それほどでも……」


「ほめてねぇから!どこぞの幼稚園児みてえなことしやがって!」


「お尻だけ成人」


「それだと響きがエロイな……アウア……セフト!」


「――と言うお話だったのさ……」


「ちゃんちゃん……ってあ、そのステーキ食っていいの?」


「勿論ご主人様のために心を込めて作ったのですから」


「呼び方とか統一しろks」


「それでは呼び方はカスと言うことで宜しゅうございますな?」


「よくねえ」


「ではオニイチャンで」


「サチコ……それはおはじきや……どろっぷやないで……俺がドロップアウトしてしまいそうだから止めてくれ」


「それではこの小切手は破り捨てます、後戻りできません」


「ごくり……みのさん、俺やってやるよミリオネアになってやるよ」


「さあ残りのライフラインは一つ。オーディエンスかテレフォンもしくは50:50です!」


「観客なんかいねえし、なにを半分にするのか分からないから、実質一択だとそういうことか?じゃあテレフォンで」


「さあ電話の先には何が待ち受けるのでしょうか」


「……糸電話。先が無い。と言うかひももない。これ紙コップやん?」


「お飲み物です。どうぞ。そしてステーキは熱いのでお気をつけください」


「おう有難うサチコ……ってあっつ!鉄板が大変熱くなっておりますのでお気をつけ下さいといいながら店員さんが触ってアチュイって言っちゃうくらい熱い!めっちゃ熱い!けどうめぇ……なにこれ……」


「一輝はレベルが上がった!力が3上がった!賢さが1下がった!満腹になった!」


「食いモンでレベル上がるてどんなローグライクだよ!しかも頭悪くなっとる!」


「これガチステータスなんで結構大事」


「さらっと言っちゃうサチコさんまじサチコ。……え?まじ?」


「内緒なんですけどね……マジです。ちょっと知り合いにスーパァハカーがいまして」


「おいダル。そこにマッドサイエンティストはいるのか?」


「フゥーハハハ!!」


「お前だったのか……気付かなかった……」


「暇をもてあました」


「神々の」


「「遊び」」


「サチコはなんで俺についてこれるの?」


「それはご主人様に作られたからでうs」


「モチツケ。あ、ご馳走様すげー旨かった肉。力上がるだけあってすっげえ噛み応えあったわ」


「それはよかった頭は悪くなるんですけどね。そしてスジ肉だったんですけどね」


「てめぇ、普通は良い所見繕うモンだろうが。でもまあ美味しかったよ!」


「それではお腹も膨れました所、色々ご説明いたしますか?」


「その一言を待っていた。俺はその一言の為に生きてきたのかもしれない」


「全てはマスターの御心のままに」


「何それ?俺が死ねって言えば死ぬの?ばかなの?」


「ああ、いい所にナイフが……」


「それ俺のクラフトナイフって……おま、おい、もって、首当てて、何を……って止めろ!!」


「イェース、マイマスター」


「幾らラブドールたってやりすぎだぞ」


「MK5でしたね。マジでキルする5秒前。私が破壊されますとマスターも死にますよ」


「何それ怖い……」


「マジ話ですけど、私はパンデモニウムの核となる心臓ですから、破壊されると全ての建築および建設したものが掻き消えます」


「ほうほうそれで?」


「そうしますと、いまこの近くを覆っている壁面全ても崩壊します。そしてそうしますと、周りを囲んでいる100匹を超えるドラゴンの群れにマスターは哀れ、なすすべも無く無様に哀れに惨めに抵抗すら出来ず虫けらの如く一瞬で葬り去られてしまいます」


「それを早く言えエエエエえ!!!!」


 そういやなんだか外が騒がしかったと思うし、実はこっそり壁にあいた穴から覗いてる何かが見えてたんですよねー!!

 まあそれがさっき食べたドラゴンの死んでいた姿にも似ていた気がするけど心の中で何かの間違いだとおもってみないように死ながら、目を逸らしていたんです。


「あの、その、スイマセンでした。なんとかしてサチコ……オネガイ!テヘペロ」


「チッ……ご命令と在らば喜んで!!」


「おい今舌打ちしただろ?どうして?なんで?パパそんな子に育てた覚えは無いぞ!」


「もうお母さん!!パパの服と一緒に洗わないでって言ったでしょ!!」


「臭いとか言われるとパパ、ショックだよ。ってかなんとかしてよおおおお!サチコお゛お゛お゛お゛!!」


「あまり私に任せるのも今後の為になりませんが、まぁ良いでしょう。見せてやろうドラゴン共、なぜラブドールの姿でパンデモニウムと呼ばれているか、いや、パンデモニウムでありながらなぜラブドールなのであるかを!!」


「それなんてマク○ロス?」


「幾つかお使いしますね。そしてついでに付属品では在りませんが、マスターの所持品から使えそうな物をいただきます」


「お、おう……。なんでもいいからなんとかして」


 そういったサチコはラブドールのはずの作られた顔を顰めて、ダンボールの中から良く分からない兵器類と、俺のフィギアのから某宇宙空間での居住空間『コロニー』を浮かび上がらせる。


「え、ちょ……まああんまりガンダム○とか詳しくないから良いけど……宇宙から落とすとか無しだからな!!国家滅ぶから!マジ止めろよ!」


「チッ……畏まりました。3割、畏まりました」


「もうその態度どうにかならないの?僕心折れちゃうよ。もうゴールしても良いかな……?」


「サチコ、いっきまああああああああす!」


「いけいけ、もうどうにでもなれアッハッハ!!」


 もうねドラゴンみたいなのが穴からこんにちわしてたんだけど、どうやらそこから壁がそんなに硬くないってことが分かったのか、壊しかかってるんですよね。

 そんでもって、穴が開いてるモンで、そっからぶっとい腕らしきものを突っ込んでガッツンガッツンしてるんです。

 ええ、巧みも吃驚ビフォーアフター。

 なんとそこには、穴から玄関になった開けた空間が。

 空間作りが一番大切と匠は語る。

 こんにちわしてたドラゴンさんたちがもう揃いも揃ってかーずきくん!遊びましょ体勢に突入しているところで、世界がまばゆい世界に包まれた。


「うおっまぶしっ!!ってええ……まーじーでー?」


 其処には一面真っ黒焦げ、且つ壁の周辺にが空中に浮かぶ鏡が沢山。


「素晴らしいですね。このレーザーとやらは」


「それ地表に打つモンじゃないから。コロニーレーザーとか宇宙だけかと思ったよ。トカゲさんたら欠片すら残ってないじゃない……」


「ふん、どんな技かも見切れんのか!こわっぱが!」


「また野菜人の王子みたいな事言う。てかまじでコロニーレーザー?」


「イエスマスター。レーザーのしゅちゅりょ……、出力を0,2%に押さえ、尚且つ、赤い髪の人の封絶を展開。そして鏡面世界を張り巡らせ、此方に被害が無いよう、尚且つ反射を利用して複数回の同時多面攻撃を行いました。尚且つ肉のいっぺんも残さないように完璧に仕上げました」


「可愛く噛んだけど突っ込んだほういい?あ、だめ?うん、あと尚且つ多いよ、あ、触れないで?ああそう、あと何ていうかあの、日本語でおk」


「あんなー、めっちゃなー、レーザーってのでなー、バババーってなー、やってん」


「おーけーおーけー、大阪よ。良く分かった、スモチやるから落ち着け、な?」


「にょろーん……」


 なんかもう常識ってなんだろうって思えるよね。

 てかもうやりたい放題ですよねこのサチコ。

 というか俺はその主人的なマスター的な存在を扱えるわけで、それってまさか。


「俺ってまじチートじゃね?」


「マスターはこの世界では、ほぼ全てのことに対処できるほどの材料をお持ちです。特に私ことなどもっと褒めて!もとい、パンデモニウムの建設者様、説明書にありましたとおり、どうぞ『お好きになさって』下さい」


 サチコが今までに無いほど恭しく頭を垂れる。


 何とか、どころか如何にでもできる。


 そんなリアルが実感できたホンの数時間の出来事だった。


 俺たちはまだ、あの果てしない男坂を上り始めたばかりなんだからな! 


 続く

全てのねたがわかる人

もしもいたら、マジで連絡待ってます

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