11:AA
Q:貧富差をなくすにはどうしたらいい?
A:よろしい。ならば戦争だ。
「どらえMOOOOOOOOOOOOOOOONN!!嘘だといってよバーニィ!!」
なんだか難しい事を考えるとネタに走ってしまう気持ち解かるでしょうか?
後楽園で僕と握手した君にも、あばよ涙、よろしく勇気!
そうだヒーローってのはきっと誰の此処の中にもいるんだ。
「となるとピンクは必須……っ!戦隊物でありながらそれはもう一つの恋愛物語……っ、つまりヒロインもいないとっ……ダメッ!だが、ダメッ!」
「ざわ……ざわ……」
「だって人間じゃないもの みつを」
「ラブドールの様な私よりも、ユリア百式の方がよかったですか?マスター?」
「秒速二十回で息子擦られたら発火してまうマジ勘弁」
「私なら更に8000/mで回転もお付けしますよ」
「まぁ、お買い得。でもそれじゃ愚息がもwげwるw」
「捻りなさい!捻りなさい!捻って捻って捻りなさい!」
「あー、玉がキュンって来た。ふわふわ時間だわ」
「断然ムギですよね?」
「いーやあずにゃンだにゃん」
「屋上だ……久々に切れちまったよ……」
「まあ冗談はさて置き物置」
「寒っ!」
「うっせ!取り合えずだな計画はこうだ!」
ダダーーン!もしくはどーん!もしくはドゥドゥッピドゥ!もしくはてーんててーん、ててててーん。
取り出しましたるは『空間に聳え立つ白壁』
読み仮名はホワイトボード!
そこにはこう書いてあるのだ。
俺→神
この町→ダメ
市長→パパス→ぬわー
俺→ゲマ
俺→TUEEE!!!
サチコ→ゲレゲレ→(消された後がある)→ビアンカ
俺→市長に君臨
町→貧富の佐賀無くなる
町→YATTA!葉っぱ一枚有ればいい!
サチコ→ルドマン
コナン→ブオーン
「と、言うわけだ!!」
「とーちゃん!それでそれで!」某よつばと
「いや、これで終わりだけど……」
「ほうほう!それでそれで!」某AA
「いや……あの終わり……」
「でっていう!?」某恐竜
「ウワァァァァン!モウコネーヨ!!」
「具体案が何もない……だめだこいつ……早く何とかしないと……」
「ぅっ、ぐすっ……だってなんかもっと上手くやったらえーやん?素敵ヤン?なんて思っただけなんだもの……シムシティみてーにさ」
「それにしても児戯に等しい……」
「どこの世界最強生物だよサチコ」
「鞭打とかやれますよ?食らってみます?」
「~~~~ッッッ!!!とかなるから勘弁」
「ああ、マスターがでっかい昆虫に見える……お久しぶりです師匠……」
「それGや!黒の悪魔や!俺やないでサチコ!」
とまあこんな感じでホワイトボードの上は文字が踊る。
え?踊るようには見えないって?
ソレはソレ、これはこれだ。
「つまり俺が、この町の天辺を取りつつ、サチコが参謀として改革すると言うわけか……つまり……挟み撃ちの形になるな……」
「実際そうなったら、全く持って上方からの殲滅作戦になりますです」
「兎に角だ、俺がもてる力を駆使して、この町を支配してしまえば良いんだな?」
「くっくっく、お主も悪よのぉ……」
「なあに、サチコには敵いませんよ、くっくっく……って俺下の立場やん!?これじゃ越後屋じゃん!?」
「この紋所が目に入らぬかああ!!」
「うお、まぶしって肩をめくった先にあるソレは桜吹雪の刺青……あの有名な遊び人のゴールドさんでありながら悪代官だったっていうのか!?」
「いえ、シールのです」
「そっか」
「暇をもてあました」俺
「神々の」俺
「遊び」俺
「さて、段取りですが、先ずは地道な所から市民の信頼と信用をそのミニマム脳みそをぐずぐずになるまで煮て焼いて使ってから、コツコツとポイントを勝ち取っていき、マスター後援会、及びパトロンを募集、設置した後に選挙に出馬し、市民の過半数を得れば名実共に市長になれますが、どうなされますか?」
「シカト!てかめっちゃ誠実な正攻法過ぎて言葉も出ません!てかいきなり選挙戦目指してどうすんのよ!?」
「むぅ、それがダメだとすると、市長を暗殺するしか……」
「怖っ!サチコ怖っ!正攻法がダメなら一気に外道だよこの人!でも実際俺が何かやれるかっていうと、とくにないわけで。しかもコッチの世界じゃ右も左もわからないかわいそうな男の子であるからして、でもあっちのリアルでも政治事には全然というかさっぱりと言うか、興味すらなかったし正攻法とかマジ無理っぽくね?」
「マスターにはもともと期待してません。大丈夫です」
「あはは、マジ泣ける。でもさーどうしようぜ?実際。何にも思い浮かばないんだよ。まずはこの世界もしらねーし、日本と同じような政治してるのかも知らないし」
脱線に脱線を繰り返した無意味に近いサチコとの会議は、結局時間を無駄にボケと戯言に費やしただけになった。だがそれはある意味で現状を改めて振り返るいい機会になったのかも知れない。
俺の見たこの町の現状。ざっくりとした感じだけだが、商売の町だけに、貧富差が激しい。それは確実だ。
それは俺が今いるスラム街なんてものがある事自体、まさにソレを証明している。
実はめんどくさくなって、町の探索や地図の政策はスパイカメラとコンピーターに任せてあった。
そこに映し出された映像には、富裕層が暮らす貴族街。 一般市民や、商人たちが暮らす市民街。
そしてここ、貧乏人たちや蔑まれるような人たちの集まるスラム街など、俺にとって不愉快な政治の現状を伝えてきた。
貴族だろうとスラムの住人だろうと、それなりには幸せを感じることも有るかもしれないが、日本で暮らしてきた俺には譲れない矜持がある。
人類皆兄弟、とまではいかないが、それでもこの有様、差が激しすぎるこの町は、安寧には程遠い。
もっと皆が、安定して、安全でいて、文化的で最低限度の生活をするべきであると、具体案もないまま、漠然と幼稚に思う。
金持ちがいても別にいいが、貧困でいる人を見たくない。特に女子供が笑って、健全に全うに生きれていない姿を見るのは、嫌だと思う。
そして俺達の出した結論は。
『なんでもします、やります』
「なんでも屋、シーナさん屋開店でゴザル」
「どうしてこうなった……?」
口をポカンとあけて、そう口にするのはロックだ。ついでにコナンも頭にはてなを浮かべている。
「コツコツ下から金持ちどもの足元すくってやんよ!」
シュッシュとシャドーをしながら、俺はロックに明言する。
「折角だからな、有効活用しようと思ったわけだ。この腐った世界を改革するのだ!」
どどーんと、家の玄関に掲げた看板を見上げながら、胸を張る。
「それはいい事だとは思うのだが……サチコさん、シーナさんはどこか頭を打たれたのかな?」
「おぉい聞きづてならねえな。全く持ってボクチンは正常、正しくもって正常位でっせ?」
「普段から可哀想と思っていましたが、マスター。いつの間にか頭をやられてしまっていたんですね!気付かないでスイマセンでした」
「なんかもっと酷いこと言われた!いーもんね別に今に限ったことじゃないし」
なんてロックがサチコと俺を可哀想な目で見てきたものだから、気にしないようにと目を背けて、さぁこれから何をしようかな!と一人わくわくしている自分がいるのだった。
*
「コナン君、君はこの町に不満があるのかな?」
「いえ、別にそんなに不満なんて……。まぁ確かにスラムの僕らは貧乏ですけど、捻くれてる人も居ますけどこの町が嫌いじゃないですよ?順番を守れば、僕らでも大通りで商売をさせてもらえますし。貴族の人たちもいい人ばかりですから。政治に関してはあんまり解かりませんけど、周りの人もそんな反抗とかしてる様子は有りません。それに皆いつかお金を貯めて貴族街に行きたいと言ってます。僕もしっかりとした大人になって、この町に貢献したいと思っています」
「ふぅむ。君は実に将来有望だな。どうだ?今度ウチに体験入隊でもしてみないか?っと、まぁそれは置いておいてシーナさんはこの町を腐っていると評した。しかし君達はそうでもないと。実際私もこの町には誇りを持っているし、パパス殿にまた次期市長をして貰いたい。きな臭い政治家も居ない事はないが、それは私たちに任せて欲しい。……だがそれにしてはきゅうにおかし過ぎる。もしかしたら昨日今日でシーナさんは私たちの知らない所を見てきたのかもしれないのか……」
「うーん。でもシーナさんも悪い人ではありませんから。きっとそのうち解かってくれると思います。言動とか、考えとかちょっとオカシイかもしれませんが、おもしろい人ですから」
「危ない事をしようとしたら私が止めますから、安心してください。マスターもきっと勘違いしてるだけなので、そのうちにこの町を分かってくるでしょう。一つ提案というか、お願いですが、マスターが面白いのでこのままにしておいてください」
「サチコさんもまた難儀な性格をしてらっしゃる……ははは……」
「うーん、心配しちゃいますけど、サチコさんが居ますから大丈夫だと、僕は皆さんに言っておきますね」
「後処理は不肖サチコに任せて、ま、お茶でも飲んでごゆっくりとなさってください。バカはほっといて」
「ははっ、少しシーナさんに話があったのですが、まぁ代わりにサチコさんに伝えておきますので、今はご馳走になります」
「わーい、僕も混ざっていいんですか?あ、僕いいお茶請け有るんですよ?焼いたクッキーなんですけど、すぐ隣ですから持ってきますね」
「お気をつけて、何かあったらなんでも屋サチコが承りますからね?」
「お、中々の策士ですなサチコさん。宣伝も兼ねるとはやりますね」
「それにしてもお店の名前がちょっと違うような気がしないでも無いですけど……あは、じゃあいって来ますね!すぐ来ますから!」
「えぇ、いってらっしゃいませ」
「本当に勿体無い子だ。子供は無邪気で結構なのだがね……」
駆けるコナンを見つめる大人の瞳は少し寂しげだった。
そして、ずれた俺と彼らの物語がかみ合うのは少しだけ先になりそうだった。
あれ?