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話し合い

「ちょっと待ってくれ、どうして俺なんだ?」


 おかしい、流石に岬がやるべきだとは思わないけれども、修介がやったほうがいいと俺は思う。


「アン? ハッ、そりゃお前、お前が男だからだろう?」


 ニヤニヤと笑っていう修介。


「ふざけるなよ修介――小隊長が倒された時点で勝敗が決まる勝負で、どうして俺を小隊長にする」


 この言葉に何人もの生徒が頷いた。

 やはり修介もしくは岬が小隊長をしたほうがいいと思っている人のほうがおおいようだ。


 俺が魔術障壁を使えない以上、魔術に対する抵抗値ははっきりいって俺が一番低い。

 捌くにしろ避けるにしろ限界がある。

 限界がおとずれると俺は強化魔術をかけてあるとはいえ生身の肉体で受けるしかない。

 一対一なら致命的なハンデではない――今までのように対処できる。

 だが多対一なら話しは別だ。

 捌ける数の攻撃ではない、避けきれるだけの攻撃でもない。

 両方を同時に実行しても肉体に魔術が突き刺さるだろう。


 こちらの雰囲気を察してか、修介は笑みをとめて言う。


「アー、真面目に答えると、だな。

 軍祭っていうのはクラス単位で行われるトーナメント戦、だろう?

 ま、例年なら俺か霧島が小隊長ってのが妥当だろうけどよォ?

 違うだろう今年は?

 優勝を狙うなら俺か霧島が小隊長じゃ無理なんだよ」


「何がだよ、魔術障壁の硬いやつが小隊長っていうのが妥当だろ」


 どれだけ小隊長が耐えられるかが肝なのだ。

 だからそう返すも、次の言葉に言葉が詰まった。


「ダァラ、優勝目指すならつってんだろうが。

 魔術障壁?それがどうしたよ。

 忘れたのか――全学年が参加する以上、生徒会長殿も参加するんだよ。

 魔術障壁があろうがなかろうが関係ねえだろうが」


――斬魔刀


「……ああ、なるほど、な。

 けど、だからって何で俺が?」


 この前戦った通り相性は最悪だ。

 勝てる算段はついたけれども、それでも相性が悪いことにはかわりがない。


「いいたかねえが、俺たちじゃ耐え切れないんだよ。

 普通の勝負だってんなら勝つ自信はあるけどよォ?

 アア、タイマンで、尚且つ場所に制限がなければよ。

 距離とって捌けきれない量の魔術をぶつけりゃそれで勝てるぜ?

 けどよ、あくまでこれは団体戦――しかも限られた場所で戦う。

 はっきり言っちまえば正面きって倒せるだけの魔力を使えねえんだよ。

 魔力は有限、しかもそれを皆で分けて戦う。

 それだけならまだしも魔力が枯渇したら打つ手が本当にねえ。

 移動する場所がないんだからな」


「一瞬で勝負を決めようにも、例え辺りの魔力全部をつかっても志木作の刀があるなら無駄でしょうしね。

 どれだけ強力な魔術を放とうとも無効化されてはいおしまい……だものね」


 二人の言葉を受けて、考える。

 確かにその通りかもしれない。

 相性が悪いというよりも、斉藤先輩がこのルールに相性が良すぎるだけで、なるほどそれならば俺が小隊長をしたほうがいいだろう。

 相性がいくら悪いとはいえ、単純に防御に徹すればそうそう負けはしない。

 だけど、だけどもだ。


「それは分かった――けどどうやって勝つんだ?

 それだけだとジリ貧だろう?」


 俺がそう訊ねると修介はそれが問題なんだよなと言い。


「今ざっと考えてみたけどよ、どうにもいい手がねえ。

 妥当なとこでいやァ、周りをぶっ潰してから数の暴力で沈めるのが一番だろうけどよ」


 そういう修介自信の眉がひそめられている。

 それがいかに厳しいか、だ。

 こちらは一年生。あちらは二年生。

 魔術に携わった時間というなの明確な差がそこにはある。

 便りの修介や岬も魔力の制限がある以上は限界がある。

 勝てるか?と考えるとどう考えても厳しいものがある。


 思考する――何かいい手はないか?


 魔力の制限がなければ簡単に答えはでるだろうけども、ここにおいて魔力は有限である。

 有限である以上取れる戦略の幅は――待て。

 一つだけ妙案を思いついた。


「分かった、小隊長をやらせてもらうよ」


 区切り、そしてもう一つ続ける。


「それと提案がある」


――その提案を切り出すと大多数のクラスメイトの驚きもしくは落胆のざわめきが聞こえ、しかし理由を説明するとそれはなくなった。


「俺はかまわねえけどよ、勝てんのか?」


 訊ねる修介に大きく頷いた。

 

誤字脱字報告、感想お待ちしております。

1章が全部おわったらこの作品の文字数を修正したものを新規に連載(こちらの更新もつづけて)します。

予定ではページを結合し5000文字前後で1ページとする予定です。

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