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間章――霧島岬は……

三人称です、例に漏れず短いですorz

「……どう、して」


 霧島岬はつぶやいた。

 さきほど信一と共に保健室へと向かった神野を、その表情をみて暫く何もいえなくなったあとに出た言葉がそれだった。

 神野は少しだけ誇らしげに笑っていたのだ。

 ぼろぼろになりながら、もしかすると死んでいたのかもしれないのに。


「どうしてよ、神くん」


 そうもう一度繰り返した岬は、しかし答えを知っていた。

 何故神野森人が戦うのかを知っていた。

 何故神野森人は霧島岬を守るのかを知っていた。


――そもそも神野森人がどういう存在なのかを知っていた。


 だから、だから霧島岬は……


「……たい」


「……え、岬、ちゃん?」


 腐れ縁の男の子を心配していた少女――由井は場にそぐわない言葉を聴いた。

 ざわざわと周りがさきほどのことを話していて、だから聞き間違いかとおもいつつも、不安になって尋ねたのだ。

 だがそこには無表情な岬がいて、


「どうしたの?」


 と首を傾げつつ尋ねられ、ああ、やっぱり聞き間違いだったのねと由井は思った。


「あはは、うん、いやなんでもないのよ?

 多分聞き間違えね!

 あははー、嫌ね私ったら、あんな馬鹿が怪我したくらいで動揺しちゃったみたい」


――――たいだなんて聞き間違いよね、と由井は結論づけた――だが先ほど確かに岬はそういったのだ。



――死にたい、と。



 死んでもいいのなら死んでしまいたいとそう岬は思ったのだ。


 ああ、と岬は続けて思う。

 本来神野森人に戦う理由はない。

 自分に守ってもらう価値はない。


 何より霧島岬は神野森人を殺し続けているも同然なのだ。


 だから霧島岬は死にたかった。

 死ねばすくなくともこれ以上神野森人を殺さずにすむ。

 けれど死ねない――否、死んではいけない。

 何故ならば、霧島岬は、




――誰も勝てないような化け物にならなければならないからだ




 だから、がんばろうと岬は思った。

 がんばってはやく化け物になろうと。

複線を(これはモロすぎますが)いつ回収するかで悩んでいます

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