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過激な自己紹介

「……えと?」


 ここって何かあったっけ?


「ああ、俺ァどうみても好青年(こうせいねん)じゃねえだろ?」

「なるほど、ねえ……いやなんていうかだな……その、そんなことよりも自然すぎてさ」

「アァ?自然?」


 分かってる自分が突拍子も無いことをいっていることは、だけれどどうにも口下手で説明がしにくいんだよな。


「そう、自然――うまくいえないんだけどさ、修介にとって由井ちゃん?と一緒にいるのが当たり前っていうかなんというか、そんな風に思えてさ。

 あれだ、俺は隣にいる幼馴染の岬と同じ学園にくるのがあたりまえって感じで、ああくそやっぱりうまくいえないわ」


「アー、いやいい――言いたいことは分かった、んでだ、俺から言えることは一つだけだ。

 やっぱおもしれえなお前」


「そうか?」


 おもしろいことなんてあっただろうか?


「お前自分が普通じゃねえって自覚ねえのな?」


「いやまあ……さすがに自覚はあるけどさ」


 幼馴染と同じ学園にいくのが当然って思ってるあたり、異常だろうなあ。

 

「ハハっ、やっぱおもしろいわお前!」


 言って、アアそうだと修介は言った。


「最初に言っておくがな、俺はお前らと違って幼馴染なんて上品なものじゃなくてだな」


 頬杖を外し、修介は由井を指差した。

 同じように由井は修介を指差し。


『腐れ縁』

 

 だ、よ、と語尾以外はまったく同じタイミングで二人は言った。


――――――――――


 修介や由井と話していると教卓側のドアがガラリと音を立てつつ開いた。


 注視していると現れたのは中肉中背のスーツを着た20台前半ほどの男性――教師だろう。

 無造作ヘアーというよりも文字通りどうでもいいので手入れがされていないといった様子の髪型をしている癖に表情はするどく、否雰囲気が、か。

 教壇にたつと背を伸ばしたまま彼は名乗った。


 「お前らの担任の橘 信一(たちばな しんいち)だ。

 さて、さっそくだがお前らには自己紹介をしてもらおうと思う。

 というわけで、だ」


 橘――学園長の身内だろうかなどと考えていたので次の言葉に思わず、は?などと上げてしまった。


「お前ら全員校庭に出ろ」


――――――――――


 校庭にでるとそこには何も無い平地が横300メートル縦200メートル続いている。

 ここにくる必要はあるのか?などと考えつつ崎に尋ねるような視線をおくると、崎は首を横に振った。


「あの、橘先生。何故校庭に出る必要があったのですか?」


 尋ねたのは見知らぬ男子生徒。

 そう思っていたのは彼だけではないらしく、多数の生徒が賛同するようなそぶりを見せた。


「信一でいい、橘っていうのは紛らわしくてかなわない。

 で、だ――質問に答える前に一つ、移動するまえに聞けカス(・・)


「……は?」


「は?じゃねえ、なんでそういわれたかは自分で考えろ。

さて、それじゃあ答えようと思うが、何、さっき言ったとおりだ」






「ここで戦うのが自己紹介だ」






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