ようこそ崎守学園へ
「以上で私の話は終わりだ」
一礼し壇上より降りてくる橘学園長。
静まり返った体育館は、しかし拍手に埋め尽くされた。
考える。
僅かな時間で答えは出た、さきほどの言葉は正しい、と。
さらに思考しようとする、が。
「――生徒会長からの祝辞」
聞き覚えのある言葉に意識が戻された。
壇上にあるは斉藤先輩。
彼は静かに一礼し、
「新入生の皆さん」
一間。
「申し訳ないのですが、私には語れることがありません」
爆弾を投下した。
斉藤先輩は手に持った原稿を手に持ち、こちらにそれを見せた。
「ここに原稿はあります、ですが先ほどの学園長の話を聞き、私は思いました。
これは語るべきものではないと、きれいに取り繕った言葉をいうべきではないと。
ですから私から皆さんに言う言葉は一つだけです」
「新入生の皆さん」
一間。
「ようこそ崎守学園へ」
静かに一礼し、斉藤先輩もまた壇上を降りていった。
斉藤先輩が壇を降りきったとき、パチ、パチとようやく音が聞こえ。
やがて大きな拍手になった。
――式は順調に進み、そして入学式は閉式した。
言葉が思いつかずにものすごく短い文章になってしまいましたorz