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三題噺もどき3

冬―買い物

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくきゅうじゅうよん。

 


 小さく開けた車の窓から風と共に声が聞こえる。


 広い校庭を走り回っている子供たちの声だ。……通っていた小学校。

 時間的に昼休みなのかな。よくこんな寒い中で走り回れる……子供は風の子とはよく言ったものだ。あれぐらいのころは私もそうだったのかな。覚えていない。

「……」

 小学生の中でもきっと低学年中学年あたりの子だろう。男の子は高学年の子もいるのかな。ボールを投げて遊んでいるようだ。あれだけ動いていれば寒いとかないんだろうなきっと……でも汗をかいて冷えたときが寒そうだ。

「……」

 多分、昔と何ら変わっていないなら、この時間は教室にいるよりは図書館とかにいた方があったかいんだよな。昼休みとか中休みの度に、換気だなんだと言って窓を開けられていた記憶がある。暖房はついていたはずなんだけど、寒かった気がする。

 今はどうなんだろう。その辺の機器を新しくしたと聞いたから、暖房の効きがよくなっているから開けていたとしても窓を閉めてしまえばすぐに温まるのかな。

「……」

 まぁそんな小学生の頃の記憶はさておき。

 とりあえず買い物をしに行かないといけない。

 たまには歩いていこうかと思ったりしたんだが、あまりにも寒くて車である。運動不足が祟っているはずなんだけど、どうにも。冬は運動に向いてない。冬という季節自体人が生きるのに向いていないとさえ思う。

「……」

 小学校を通り過ぎ、大通りに出る。

 近くにあるスーパーに行くことにした。

 母からのお達しなので、そこのポイントカードと共に何を買ってこいというメモも渡されている。それを忘れて居たら元も子もないが、財布に入れたはずなので大丈夫だろう。最悪戻ってこればいい。

「……」

 車だと信号や渋滞にひっかかからなければ、すぐ辿り着く。

 時間を気にしたことはないが……10分くらいでつくんじゃないかな。下手したら10分もかからないうちにつく。

「……」

 行き慣れた道を進み、信号を曲がればすぐ辿り着く。

 ……今日はやけに車が多い。駐車場が結構埋まってしまっている。昼間なのもあるのかなこれ。平日は割と空いてるはずなんだけどな。なんか安売りでもしてるのかな。

「……」

 別段入り口近くに停めたいとかそういう願望はないので、少し離れたところに停める。

 というか、その辺しか開いていなかった。近くの駐車場は、開いた瞬間に止めようと狙っている車がいるし、あれ多分運転手はご高齢なのであまり関わりたくない。すべてがそんな人ではないと思うが、あまりいい記憶がないので。

「……」

 車のエンジンを切り、カバンを持って降りる。

 あぁ、一応確認しておこう。

 中身は、財布と携帯とエコバックのみ。……財布の中に、メモとカード。よし。

「……」

 鍵を閉めたことを確認し、入り口へと向かう。

 駐車場のはずなのに、車がそれなりのスピードでやってくるので気をつけなくてはいけない。こんな所で事故りたくないのは、あちらもこちらも同じだろう。

「……」

 寒いので気をつけつつ、気持ち駆け足で向かう。

 途中でよくわからないチラシを配っているお兄さんがいたが、断った。あの人たちは一度捕まると面倒なのだ。申し訳ないがティッシュとかも受け取れないので、ちょっとやめて欲しい。仕事なのはわかるが、ここには捕まえやすいじいちゃんばあちゃんが来るのだからそちらにしてくれ。私みたいなやつより話しやすいフレンドリーな方がいいだろう。

「……」

 入り口の自動ドアをくぐり、カゴだけを手に取る。

 カートを押してもいいが、そんなに大量に買うつもりはないのでま、大丈夫だろう。

 入ってすぐのところには、冷蔵食品がうられている。反対側の入り口は野菜類から始まる。とりあえず野菜を買わないといけないので、そっちに行かないといけない。

「……」

 途中安売りのワゴンが置かれていた。

 見た所お菓子コーナーのモノだったが……ものすごい。売れ残ったんだろうなコレ。

 スイカ味のグミとか飴が大量に置かれていた。値引きされてもこれは、今の時期はもう売れないんじゃないか。

「……」

 そうでなくても、私はスイカ味のお菓子とかアイスとか苦手なので買わないが。スイカそのものは好きなんだけどなぁ……スイカ“味”となると、話が違ってくる。なんか違うんだよなぁとなったことがあるので、物珍しさで手にとっては見るが買ったりはしないし、それ以降口にしていない。メロン味とかもだめだ。

「……」

 そんなことはとりあえずどうでもいいので。

 さっさと買い物を済ませてしまおう。

 思考があっちこっち飛ぶのはよくない癖だ。













 お題:スイカ・教室・カバン


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