瓶が美しい
前回のあらすじ
効率厨の婚活野郎を利用して、ブサイクたちとの婚活を回避することに成功した。
なんだかんだああやって言ってますが、本来の目的はこれだろ洋太。
こんな町中で珍しい。こんなとこで喧嘩するなんて。
ええ!? ちょっと! 男の子の方がボコボコに殴られてるじゃない!
私はなぜかボーっと眺めてしまっている。
「お前が人を評価するな!」
なぜか心に響く。あの子に心を奪われてしまう。
説得力のある、小さな彼の大きな言葉に……。
帰り道の電車でも彼のことが忘れることができなかった。
紫色に腫れた頬を抑えながら、僕は帰宅をした。
何より、あのクソ野郎に言ってやったのがとても気持ちが良かった。
あの後、警察署で暴動を起こしたことをお互いに深く反省したことで、すぐに収まった。
そして僕はあいつのアカウントをブロックした。まぁ、あいつもあいつでブロックしてるだろうけど。
昨日、今日でかなり疲れた。
明日の学校がすごくだるいな。
リビングに着くと、こっちを見た姉が飛び起きて僕に近づいてきた。
「あんた大丈夫!? どうしたの!」
「いや、大して痛くもなかったよ」
「いや! でも腫れてるよ?」
「まぁ、大丈夫だって。あと姉ちゃん」
「ん?」
「今日は女の子に優しくできたと思うぞ」
姉は少し笑って、
「そ。なら良かったじゃん」
と言ってくれた。どうやら僕の笑みが、こいつにも伝わってくれたんだろう。
そんぐらい澄ました顔をしていた。
そんな夜から一転して、今僕は絶望の顔をしている。
いつものようにだるい学校もなぜか今日は一段とめんどくさい。
昨日の腫れた傷を処置してもらおうと保健室に訪れていた。
保健室では今年度からとびっきり美人な先生が来てくれた。
だから処置を受けることは悪くないんだが……。
「せんせーい、このネイルめっちゃイケてない?」
「まじ神店主がいてさ〜、うちもやってもらったんだよね〜」
保健室あるある。いつも女子がいる!!
まじでこれ何度来て覗いても絶対いるんだから迷惑しちゃうわ!
その変な色になってる爪でも消毒してもらえよ!!
「そうなの? 私も行ってみようかしら」
行くな〜! 先生! 絶対に行くなよ? ダチョウじゃないぞ?
先生は湿布を用意すると僕の前に座って処置をしてくれる。
「婚木くんはどこでこんな怪我したの?」
「えっ!? あっ! ちょっと転んでしまって」
こういうのちょっと言ってみたかったんだよな。
下手な嘘で隠すみたいな……。心配してる先生の顔も可愛いなぁ。
「気をつけてね?」
「あっ……うっす」
ニコッと笑った顔は咲いた花のようだった。なんとも安っぽい形容だがバックには花びらが舞っているように見えたから仕方がないだろ?
すると、ギャルたちがまた口を挟む。
「先生は結婚とかしないの?」
一瞬ビクッとした。僕も先生の方を見て、答えが気になりソワソワする。
「うーん、そうね〜。あまり余裕がないから」
「え〜! 嘘〜! 先生なら絶対いいお嫁さんになるのに〜!!」
「ね! 彼氏とかいないんですか〜?」
「そうね〜、今はいないわ」
「先生の彼氏とか絶対イケメンじゃん!」
まぁ、抜け出しにくい状況だが、これ以上聞いてられないからな。早めに退散するとするか。
あいつらは僕の姿が見えてないのか? 視力検査でもしたらどうだ? クソっ保健室はいつもこうだ。
先生にペコっとお辞儀をして、無言で部屋を出る。今度は二人っきりになりましょうね?
……ちょっとキモかったないまの。
教室に戻ると何気ない日々を全員が過ごしている。
誰も僕の心配なんてしないんだ。こんなわかりやすい傷があるっていうのにな。
まぁ僕もここにいる誰にも期待をしていないし、面白くない奴らと関わるなんてもっての外だ。
二年になってからは僕は一人で過ごすようになっていた。
ちなみに何度も登場してる池田たちは中学時代の友達で高校は別だが、今でもずっと遊んでいる友達だ。
それと、一人で過ごすようになったのは、少し周りの女子に嫌われすぎたせいだ。
まぁ、特に損害もないから、楽に過ごせていいと思っている。
ただ気がかりなのは、今水羽織のことだ。
二年になって、最初の頃はきっかけがあれば、話しかけてたし、話しかけられる仲の人だった。
誰にでも優しくて、自分の意見をちゃんと持っている委員長型の人で僕は彼女が好きだった。
でも夏頃に、サッカー部で同じクラスの前田と付き合い始めた。
その頃にどっと冷めてしまった。アイドルが結婚したようなものだ。
今水さんはあまり男子と話さなくなってしまったから、僕との縁も自然と切れてしまった。
まぁそれだけじゃないはずだが……。
なんだか全てが受動的な物で僕には吐き気がした。
好きという気持ちは一人で作るものであり、愛は二人で作るものなんだと初めて理解した。
彼女の笑顔も二人で作っているものなんだ。
授業終わりの3時頃、皆がせっせと支度をする。
やっと終わったこの瞬間が僕には逆に腹立たしい。
まだこれが週の初めだからだ。
「洋太くん! ちょっといいかな?」
「!!??」
突然話しかけてきたのは、あの今水さんだった。
なんでだ? 僕は部活にも入っていないし、ましてや委員会にも入っていないんだぞ?
そんな僕がどうして……。
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