婚活デビュー
前回のあらすじ
特になし
「こりゃだめだ」と言われた高2の秋。姉は腕を組んで僕はリビングの床に正座をしている。
なんでこんな状態になっているかは僕もわからない。先程のテレビを見ているときからため息をついており、風呂上がりの頭を拭いている僕にも大きなため息をついた。
そして今現在、唐突に膝を付かせられたのだ。
「ねぇ…」
「は、はい!!」
静かなで彷彿とさせる怒りが込もった声に驚いてしまった。そして怖い……。
「近所からクレームが入ったんだけど?」
虫を見るような目が僕を殺虫する。
イライラとした姉はクレームが書かれているであろう紙をグシャッと握った。
「えー! なになに? 男子高校生が? アパートのエレベーターでふざけてて? 下半身裸になっていたと……。」
「うぐっ」
それは池野たちとの悪ふざけをしているときにマンションに住んでいる女子高生に見られてしまったことだ。僕は今までの人生では男友達だけとつるんできたし、彼女なんていらないと考えて来たのだ。
面白いが正義であり、面白さで人を判断するようになっている。
姉は今日一番のため息を出し僕の前でしゃがんだ。
「あんたさ……好きな人とかいないの? そうしたら少しはマシになるはずなのに」
「いないって! 興味がない」
「はぁ、でもあんた共学でしょ?」
「うん、まぁ」
「女の子と関わることぐらいあるでしょうが」
そう聞かされて思い浮かんだ子は居なくもない。月葦見兎さんだ。
クラスの中心人物で高校一年の頃から他クラスで噂になるほどの美少女だ。
それと中学時代三年間片思いしていた子だ。
高校は別れてしまったから会うことはないが、今不意に思い出した。
「その前にね!!」
姉の荒げた声で僕は我に返った。
「そのキモい髪型! 親に買ってもらってるその服! だらしない体!! 第一印象がもう汚いモップ!!」
「モップの中でも汚い方……」
ちょっと言い過ぎではないか? もちろん”今は”こうなっているが髪を切ったら僕の綺麗な二重の目が見えるだろうし、かっこ良さなんかに力を入れたら面白さが欠けることは常識じゃないか。
なんで自ら面白さを捨てなきゃいけないんだ。
姉ちゃんは彼氏がいるからそういうことを言うんじゃないか?
あと姉ちゃんの彼氏は呆れるほど面白くない。まぁこれはただの愚痴でしかないが……。
「おおーい、いまどうゆう状態だ?」
噂というか陰口を思ったら本人登場だ。
この面白くなさそうな人が姉の彼氏の馬場大地だ。読み仮名すらいらない陽キャ感のあるくそ面白くない人で、ガタイだけが良く、スポーツができるがめちゃくちゃ面白くない人だ。てゆうか家におったんかい。
「ゆうちゃん〜!!」
否、一つ面白い所があるとすれば、姉の名前は婚木江菜のため上記のゆうちゃんの人物ではない。また僕も婚木洋太郎のため呼ばれている訳では無い。
そう、今姉に抱きつかれている馬場大地こそがゆうちゃんの正体であり、「ゆう」要素がゼロであるのに関わらず、姉が「ゆうちゃん」と呼んでいるらしい。
この親への冒涜チックな姉のセンスが面白い。こいつもやめさせないところが唯一の面白さである。
結婚式とかどうするんだろうか。浮気の疑惑みたいのが出てきそうである。
ー状況説明中ー
「なるほどな~、江菜のためにも俺がなんとかしたいが……正直洋太次第じゃないか?」
「いや、もう早めに対策しないと駄目になっちゃうよ!」
「洋太、お前バイトとかしてんのか?」
「「してるわけない、だろ(でしょ)!」」
「なんで洋太も怒ってんだ」
「とりあえず、髪を切って…クラスの女子と仲良くしないとな」
「今更、女子と仲良くなんかできるかよ。あと面白くないじゃん、きもいだけだ」
「セリフにならないくらいの舌打ちをするな」
まぁこの調子なら、今まで通り友達と楽しくやっていけそうだ。学校のことなんてこいつらじゃ、干渉できないからな。と思っていた矢先だ。
「あ、分かった」
急に電波が途切れるように言い放った姉言葉は嫌な予感がした。
「あんた、婚活しなよ」
この出来事が僕、婚木洋太郎の人生を初めて揺るがせることになった。
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